「生きている土壌―腐食と熟土の生成と働き」
エアハルト・ヘニッヒ(著者)はドイツ生まれで、農科大学を卒業後農業を営む傍ら、農業技術指導に当たる。1946年から、野菜を中心とした有畜農業・自給肥料による有機農業を実証している。その後フンボルト大学の研究助手を経て、有機農業団体「土と健康」を設立。有機農業者の組織化と技術の体系化に尽力した。
目次
腐食とは何か?
堆肥は健康をもたらす
土壌生態系の中の根の意義と機能
土壌の耕作最適状態としての熟土
土壌と水分収支
ミミズと土壌の肥沃性
腐敗と腐熟
腐熟過程の促進
生けるものへの手がかり
炭素と二酸化炭素
人間、動物、土壌における細菌相(フロラ)
チッ素―作物生育の妙薬
農地ができあがるまで
岩石粉を取り入れた農業
微量元素―生物の健康への影響
生命の根源が危機に瀕している
自然界の秩序の原則
訳者によれば、農業の現場という一筋の道を歩み続けた農民科学者エアハルト・へーニッヒの生涯にわたる多彩な経験と、深められた思索のすべては、この本に凝縮されており、読者はこの本の行間に流れる著者のさまざまな思い、声なき声を味読されるのではと記している。
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