沢村/貞子 1908‐1996。東京・浅草生まれ。府立第一高女卒、日本女子大学中退。在学中に新築地劇団に入団、治安維持法違反で獄中生活を送る。その後日活に入社し、1934年映画界にデビュー、小津安二郎監督作品などで名脇役として活躍する。一方で日々の暮らしを綴るエッセイも数多く発表、77年「私の浅草」で日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

忍び寄る身体の衰えを前に、葬儀の方法、尊厳死など、高齢者社会の問題にも目を配りつつ、いたわり合う夫婦二人暮らしの穏やかな日常生活を、明るくユーモラスにとらえる。冷静に“老い”を見つめながらも、〈自分たちの好きなように、自由に生きたい〉と、なお、毅然とした生き方を追い求める明治生れの心意気。人生を楽しく、心豊かに暮らしてゆく機微を教えてくれるエッセイ集。

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「寄り添って老後」(新潮文庫、沢村 貞子 (著)