日本古代史は、今なお多くの謎に包まれている。手がかりとなる『古事記』『日本書紀』が日本最古の正史でありながら、神話や伝説を用い、まるで意図的に真実を隠そうと煙に巻くかのような語り口だからだ。
 ところが近年、相次ぐ考古学の発見によって、『記紀』の記述と一致する事実も指摘されるようになった。つまり神話や伝説といえども、そこにある程度の真実が秘められている可能性が出てきたのだ。
 本書は、気鋭の作家が古代史の重要人物に焦点を当て、神話や伝説の謎解きに挑んだ意欲作である。
 例えば大化改新の真相は、罪もない蘇我入鹿を暗殺し、権力を奪おうと天智天皇と中臣鎌足が仕組んだ陰謀だと著者は断じ、死後入鹿が鬼の姿となって現れ、朝廷を祟ったという伝説が、それを暗示しているのだという。
 他にも、卑弥呼の正体を解く鍵を握る人物、浦島太郎伝説に秘められた謎など、驚きの連続である。
 読者は改めて古代史の面白さに魅了されるに違いない。

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「古代史の秘密を握る人たち―封印された「歴史の闇」に迫る」(PHP文庫、関 裕二 (著),





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