げんげ
雲雀(ひばり)聴き聴き摘んでたら、
にぎり切れなくなりました。
持ってかえればしおれます、
しおれりゃ、誰かが捨てましょう。
きのうのように、芥箱(ごみばこ)へ
私はかえるみちみちで、
花のないとこみつけては、
はらり、はらりと、撒(ま)きました。
――春のつかいのするように。
(げんげの気持には、なかなかなっていませんね)
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金子みすゞ名詩集(文庫、金子みすゞ )