・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(後編)
先には今年も咲いてきた赤色の胡蝶蘭を紹介しました。今回紹介します白色の胡蝶蘭の多くは、ご近
所さんから頂いたものです。大型の白色の胡蝶蘭はよく贈答用に使われます。お祝いなどで頂いたこ
れらの胡蝶蘭は咲き終わった後は枯らすことが多いのか、「どうしてよいのか分からないので貰っ
て」と頂きます。贈答用の胡蝶蘭は直径30㎝くらいの大型のポットに、5株くらい植わっています。
それらの株を引き抜いてみると、根はしっかりと湿ったミズコケで堅く巻かれています。多分販売さ
れる際に、咲き終わるまで水やりをしないでもいいように、水分を持たせているのでしょう。先端ま
で咲き終わった頃には、元気な太い根は少しだけで、殆どの根は腐っています。
胡蝶蘭の花は先端のつぼみまで咲けば、早めに花茎の基部で切り取って、花瓶に挿して楽しんだ方が
よいのです。それは最後のつぼみが開花後もしばらくそのままにしておくと、葉と太い根に蓄えられ
ていた養分はすべて、花を咲かせ続けるために消費されてしまっています。
頂いた胡蝶蘭も大抵最後まで咲かせ続けているので、葉もかなり養分を失っています。それでもまだ
葉の色が濃い緑色で厚みがあれば、植え替えて養成して来年か再来年にはまた咲きます。しかし葉の
色が緑色でなく茶色くなり傷んでいれば、多分根も腐っていることが多いため、再生することは難し
いでしょう。
植え替えに際しては、古い根はすべてよく洗ったハサミなどで切り取り、先に書きましたように、チ
ップか木片、礫などで根を支え、ポットの上面に少しミズゴケを載せておきます。後は小型の霧吹き
で、葉に水を毎日スプレーしてやり、1週間か10日ごとに薄い液肥をスプレーしてやるだけです。今
回紹介する白の胡蝶蘭は、そのようにして再生したものです。
白色の胡蝶蘭
白色の胡蝶蘭です。どの株もしっかりとたくさんのつぼみをつけています。
白の胡蝶蘭A
純白の花弁に、赤味の濃い唇弁が鮮やかです。大きな花が3花咲き、すぐに咲いてきそうなつぼみも
入れて、7個くらいのつぼみが見えます。
白の胡蝶蘭A
咲いてきた大きな花を示し、花弁の名前を入れました。少し見にくいですが、裏側に1枚の背ガク片
と2枚の側ガク片があります。その表側に2枚の大きな側花弁があり、下側に1枚の赤い唇弁がありま
す。唇弁は更に3枚に分かれ、その基部に雄しべと雌しべの合体したずい柱があり、その上を葯帽が
覆って保護しています。
白の胡蝶蘭B
今年は伸びてきた花茎を曲げて誘引しないで放任していたところ、上方向に長く伸びてきたため、途
中から下に曲がるように誘引しました。この株では葉数も多くて栄養状態が良かったためか、花茎が
2本伸びてきてたくさんのつぼみをつけています。左の花茎には3花が咲き、開きかけたつぼみを入れ
て7個のつぼみがついています。
白の胡蝶蘭B
咲いてきた大きな花を示しています。なんとかそろって同じ方向に向っていて咲いています。
白の胡蝶蘭C
この株も、花茎がかなり伸びてきたので、後になって下に曲げて誘引しました。3花咲き、開きかけ
たつぼみを入れて、7個つぼみがついています。花茎が長く伸びてしまうと、それにもかなり養分を
摂られるのか、つぼみのすべてが咲かないでしぼんでしまうこともあります。可愛そうなことにそん
なつぼみでも、内側の唇弁もずい柱と葯帽もできています。
白の胡蝶蘭C
今回の白い花の唇弁は赤色でしたが、前回の赤い胡蝶蘭の花でも唇弁は更に濃い赤色をしていまし
た。今回紹介できませんでしたが、今咲いてきた白色の胡蝶蘭では、唇弁も白色をしています。ただ
唇弁の中心部は、赤や白の胡蝶蘭の花と同様にやや黄色味を帯びています。
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