・2月半ばの植物園ではウメとロウバイの花が咲き、温室では熱帯スイレン、ハイドゥンツバキ、オオベニゴウカンの花が咲いていました
2月になるとウメの花が咲き始めますので、散歩コースを少し伸ばして北野天満宮の紅白梅を愛でに
よく出かけます。その折に見た見事な紅白梅を2014年以来、2016年、2022年、2023年にも紹介
しています。特に2022年には紅梅、白梅以外に緑色の梅もある事を紹介しています。
京都府立植物園にもウメ他の早春の花を見に行って見た花を、2017年と2019年にも紹介していま
す。しかしどうしてかウメの写真より他のロウバイやサンシュユ、マンサクなどの写真を紹介してい
ます。
ここでは府立植物園での「早春の草花展」を見に行った際に見た、紅白梅と温室で咲いていた花を紹
介します。
梅・香篆(こうてん)
ウメは、バラ科サクラ属に属する落葉高木です。ウメのあでやかかつ可憐な花とその香りは、古くか
ら日本人に愛されてきました。梅の実は梅干しや梅酒にも利用される、重要な果樹でもあり、松竹梅
としてめでたい植物の一つです。
このウメの品種香篆(こうてん)は野梅系の白梅の八重咲品種です。いわゆる雲龍型であり、大枝、
小枝ともにウネウネと波うちながら枝を伸ばすのが特徴です。香篆の篆は印鑑等で使われる篆書体と
同じ意味で、やはり曲線を示します。別名は雲竜梅です。写真では拡大して花にだけピントを合わせ
ていますので分かりにくいですが、枝がくねくね曲がっている様子がうかがえます。
梅・甲州小梅
甲州小梅は白色で一重の可愛らしい花です。花粉が多いので、ウメの受粉樹として古くから使われて
きた、一般的な品種です。実が小さく食べやすくてカリカリ梅干、梅酒などに利用されます。一果重
は4~6gで小粒、収穫時期6月上旬自家受粉性は高く、1本で結実します。
梅・八重寒紅
野梅系の中では最も赤い種類で、1月中旬には開花する早咲きの花です。中輪八重咲き種で、花弁は
波うちます。写真で見られるようにかなり花弁数が多く、花弁の縁が波打っています。
梅、八重寒紅(老木)
先の品種はまだ若い木でしたが、これからの2枚の写真はかなり老木の同じ品種でした。枝もかなり
の数があり、その枝に写真のようにびっしりと紅い花が咲いていました。
梅、八重寒紅(老木)
花弁数は先の若い木の花には劣るようですが、やはり八重で花弁縁はやや波打っています。
蝋梅(ロウバイ)は黄色で蝋のような艶のある花弁をもつ花を、1月~2月にかけて咲かせる落葉樹で
す。漢字で蝋梅と書くためウメの仲間と誤解されることもありますが、ロウバイはロウバイ科ロウバ
イ属の木です。中国原産で日本には17世紀に渡来したと伝えられています。花には強い芳香があり、
かなり離れても良い香りが届きます。2月中旬頃まで開花します。中と右に見える茶褐色のものは、
咲き終わってできたつぼ
状の果実です。
蝋梅(拡大)
ロウバイの花二つを拡大してみました。早生種では12月頃に晩生種でも2月にかけて、半透明でにぶ
いツヤのある黄色く香り高い花が、やや下を向いて咲きます。花色は外側が淡黄色で内側が暗紫色を
しています。
オオベニゴウカン白
オオベニゴウカンはマメ科の植物で、ボリビア原産です。長く毛のように多数飛び出している部分は
雄しべで、雄しべが伸びてきた後から雌しべは伸びてきます。基本種は赤花ですが、植物園の植物は
白花でした。見頃は2月下旬までです。
熱帯スイレンの白花
熱帯スイレンの薄紫花
熱帯スイレン(睡蓮)はスイレン科スイレン属の水生多年草です。夜間もしくは昼間に開花し、加温
設備がないと越冬できません。白色と薄紫の花がありました。
スイレンとハスの違いについては先に「・あなたはハスとスイレンの違いが分かりますか? 」書き
ました。
スイレンの葉には切れ込みが入りますが、ハスの葉は切れ込みがなく円形をしています。スイレンの
葉は水面に浮かんでいる「浮き葉」ですが、ハスの葉は花と共に水面より上にある「立ち葉」になる
ことが多いようです。
ハイドゥンツバキ
ハイドゥンツバキはベトナム北部~中国南部の原産植物です。ベトナムのグエン王朝で愛されてい
て、門外不出の「幻の名花」と呼ばれていました。ラン室での見頃は2月下旬までです。和名ではカ
イドウツバキ(海棠椿)と呼ばれ、ベトナムのテト(旧正月)にこの花が使われます。
関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
| 固定リンク
「・園芸植物・園芸情報 Hort. Plants & Information」カテゴリの記事
- ・「いずれ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」の杜若を、上賀茂の大田神社の池で見てきました(2024.06.04)
- ・つれづれに家人アンナがベランダで咲いている花を使って、先日作ったフラワーアレンジ10種を紹介します(2024.05.24)
- ・あなたは何故あの可愛いいキンギョソウが「噛みつきドラゴン」と呼ばれるのか分かりますか?(2024.05.08)
- ・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(後編)(2024.04.09)
- ・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(前編)(2024.04.07)
コメント