・8月下旬に京都府立植物園で変化アサガオを見る機会がありました
アサガオの花は日本の夏にはどこにでも見かける、ごくありふれた花です。しかし今年のように真夏日が
続くと、明け方に咲いた後はすぐに閉じてしまい、タネもできている気配はありません。早く涼しくなっ
て元気に咲き、タネができるのを待っています。
アサガオは奈良時代末期に中国から遣唐使により、そのタネを下剤の薬として持ち帰ったものが初めとさ
れています。その後江戸時代には観賞植物としてアサガオブームが2度あり、花形や花色の異なった「変化
アサガオ」が育成されています。
アサガオの花弁は5枚ありますが、その5枚のロート(漏斗)状の花弁は融合して、全体がロート状になっ
ています。その花弁の中央に白い中肋(ろく)があり、アサガオでは特に「曜(とう)」と呼ばれていま
す。大輪アサガオではこの曜数が6~9に増えたアサガオや、曜を白くした曜白アサガオも育成されていま
す。
変化アサガオでは曜を増やす変異は「州浜」とよばれ、この系統が更に多系統と交配されて、大輪の「青
蝉系統」や「黄蝉系統」が生まれ、前者は成長が早いため「行灯(あんどん)作り」され、後者では「盆
養(きりこみ)作り」されて開花しています。
7月末に府立植物園で丁度変化アサガオ展があり、もう午後3時頃でしたので閉じかけた花が多かったので
すが、見る機会がありました。できるだけ開花した花を選び、ここにそれらを紹介します。
変化アサガオ
上段のアサガオは盆養作りで、下段のアサガオは支柱で育てた行灯作りです。
アサガオ,盆養作り1
これからの6花のアサガオは、盆養作りで育てられています。丈が低くて大きな花が咲くように、茎を切
り込んで脇芽を出して花を早くつけさせています。真白でかなり大きなアサガオの花です。
黄葉種
大輪のアサガオが咲く黄葉種の特性と仕立て方の説明がありました。大輪の花と斑の入った
葉を、バランスよく仕立てています。
アサガオ,盆養作り2
薄赤紫色の大きなアサガオです。葉に綺麗な斑が、少しですが入っています。
アサガオ,盆養作り3
極めて薄い花弁のアサガオで、曜の白い部分がはっきりしています。薄緑色の葉です。
アサガオ,盆養作り4
きわめてたくさんの大きなアサガオの花が咲いています。花弁には曜以外にも白い部分が斑入
りになっています。葉にもわずかですが斑が入っています。
アサガオ,盆養作り5
オーソドックスな赤色のアサガオの花が沢山咲いています。葉の中心部に斑が入っています。
アサガオ,盆養作り6
紫色の極めて大輪のアサガオの花です。花弁数がかなり増加しているようで、花弁も薄いのか
多少切れています。
アサガオ、行灯作り1
これからの6花は、丈が高くなるので、3本の支柱に3つの輪で行灯づくりされています。大
輪で柔らかい薄赤色のぼかしの入ったようなアサガオの花です。葉にも綺麗な斑が入っていま
す。
青葉種
大輪のアサガオが咲く青葉種の特性と仕立て方の説明です。生育が早いため、草姿をなるべき
綺麗に見せるため、3本の支柱と3輪を使って絡ませています。
アサガオ行灯作り2
3つの真っ赤色の大輪のアサガオが、揃って綺麗に咲いています。これだけ揃った位置に咲か
せているのには、苦労がいることでしょう。葉の中央部に綺麗な斑が入っています。
アサガオ行灯作り3
極めて大輪の鮮やかな赤色の花が2つ、向こう側には蕾が1つ見られます。
大輪のためか花弁はかなり薄くて、開花後かなり時間も経ちやや萎れかけているように見え
ます。
アサガオ行灯作り4
大輪で白く縁取られた赤色の花です。たくさんの蕾がつき、葉にも斑が入っています。
アサガオ行灯作り5
白い曜が太く入った曜白のアサガオで、たくさんの蕾を着けています。葉にも斑が入っている
ようです。
アサガオ行灯作り6
大輪で白地ベースに赤い斑点が全面に広がったアサガオの花です。花弁は極めて薄いようで、
葉にも斑が入っています。
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