« 2023年4月 | トップページ | 2023年6月 »

2023年5月

2023年5月25日 (木)

・銘椿を集めた第61回つばき展で、瑞峯院の前田前和尚による茶花コーナーが今年も花を添えました

 

京都園芸倶楽部の主な活動の一つに、昭和39年以来京都府立植物園との共催となり、毎年3月に開催され

ているつばき展があります。このつばき展の歴史を紐解きますと、創立40周年を前にした昭和35年に、京

都市と共催で岡崎の市勧業館で「つばき銘品展覧会」を開くと共に、『京都園芸第45輯』を「椿特集号」

として発行しています。更に第1回の「つばき展」では、京都をはじめ奈良などの名椿の数々を収集した約

821種を展覧し、園芸界に大きな波動を生んでいます。昭和51年「茶花としての椿」をもっと重視しよう

としてツバキをあしらった茶花のコーナーが設けられたところ、好評を博しました。この「茶花コーナー」

は当初から大徳寺塔頭の瑞峯院の前田昌道和尚様(本会理事)により、花器、花材、掛け軸や色紙などを

全て受けもって構成して頂いて、令和4年の第61回つばき展に至っています。前田前和尚様には第61回つ

ばき展を最後に、茶花コーナーを現和尚の前田継道様(本会理事)に引き継がれています。

先に第61回のつばき展を紹介しました。今回は最後となりました第61回つばき展での茶花コーナーを紹介

します。

茶花を生ける基本となる心得は、千利休が残した「利休の七即」にある通り、「花は野にあるように」とさ

れています。茶花には華美ではなくどちらかというと楚々とした花が、自然にまた軽やかに生けられるよう

です。

また床の間では掛軸と花入れの調和が必要であり、置花入の場合は掛軸や茶室のつくりにより位置も異な

ます。花入が床の間に置かれる場合には、花入は薄板の上に置かれます。

 Dscn1938a

茶花①

  • Dscn1938

茶花①(拡大)

続きを読む "・銘椿を集めた第61回つばき展で、瑞峯院の前田前和尚による茶花コーナーが今年も花を添えました"

| | コメント (0)

2023年5月21日 (日)

・4月末の千本ゑんま堂ではフジの花が咲きほこり、また黄色と白色のモッコウバラとドウダンツツジの花も満開でした

 

先に千本ゑんま堂の普賢象桜の花を紹介しました。同時にその横にはフジの花が

もう満開を過ぎ落花しかけていました。以前にも千本ゑんま堂の普賢象桜とフジ

の花を紹介していますが、今回はやや落花近い満開過ぎのフジの花で、何か以前

とは花の様子が違っていました。フジはマメ科で花はたくさん集まって、総状花

序を作ります。フジの花は蝶形花で以前、典型的なスイートピーの蝶形花の形状

を紹介しました。

フジの花では花弁は5枚あり、大きな旗弁が垂直に広がり、2枚の翼弁が竜骨弁を

両側から挟んでいます。竜骨弁は2枚の花弁が合わさっていて、その中に雄しべと

雌しべがあります。スイートピーと異なり、フジの花序は下に垂れています。普通

ではフジの受粉は訪花昆虫が竜骨弁の上にとまり、蜜を吸おうと竜骨弁の間から頭

を入れようとすると、雄しべと雌しべが出て来て虫の腹に花粉がつき、花粉が雌し

べにつき受粉が行われます。

しかし花序が下垂すると、花は上下が逆さまになり媒介昆虫は、竜骨弁の上にとま

れません。そのためフジの花では旗弁が上に来るように、花を着けている花柄が半

回転しています。今回見た花はほぼ満開を過ぎた花で、落花に近い状態であったた

めか半回転していた花柄の半回転がほどけて戻りかけ、上下が逆さまになった花が

多く見られました。

このように花序が下垂しても、個々の花が向きを変えて直立することは、胡蝶蘭な

ど多くのラン科植物でよく見られる現象です。ただし以前紹介しましたナタマメ

(ジャックとマメの木)の花も蝶形花で花序が下垂しますが、自家受粉するため訪

花昆虫が来る必要はなく、花柄は半回転することなく、花は上下が逆転したまま

で、結実します。

千本ゑんま堂では更に、黄色のモッコウバラと共に白色のモッコウバラも満開して

いました。また境内入り口付近には、ドウダンツツジが白くて可愛い小さな花を着

けていました。

 

,

Dscn3155a

フジ、黄色と白色のモッコウバラ、とドウダンツツジの花

上段にフジの花、下段左から白色モッコウバラ、黄色モッコウバラとドウダンツツジの花です。

続きを読む "・4月末の千本ゑんま堂ではフジの花が咲きほこり、また黄色と白色のモッコウバラとドウダンツツジの花も満開でした"

| | コメント (0)

2023年5月 8日 (月)

・4月末の千本ゑんま堂では八重銘桜の普賢象桜が満開に咲き、ツバキのように花ごと落花していました

 

八重桜は特定の品種を言うのではなく、八重咲きに咲くサクラを総称して言います。一般的な桜では花弁は

5枚で、この咲き方を一重咲と呼ぶのに対して、6枚以上の花弁になるものを八重咲と区分しています。更

に5枚と6枚の花弁が混じる咲き方を一重・八重咲、花弁が20枚~70枚の咲き方を八重咲、100枚以上の咲

き方を菊咲と細分しています。菊咲については、先に平野神社の突羽根櫻を紹介しています。

八重桜は私の好きな桜で、よく見に行くサクラに千本釈迦堂の普賢象桜があり、先に紹介しました。そこ

にも書きましたように、普賢象桜の大元は千本ゑんま堂にあり、今回は千本ゑんま堂の普賢象桜について

介します。

千本ゑんま堂は名前の通り、この世とあの世の間におられる閻魔法王をご本尊としている珍しい寺です。

本殿と本殿の手前左側には見る者を圧倒するような大きな閻魔像が鎮座していて、裁きの間が再現されて

います。

普賢象桜は里桜群の1品種で、花は八重で大輪になる晩生品種で4月中下旬に花は最盛期を迎えます。開

初めは薄紅色をしていますが、その後徐々に白くなっていきます。普賢象桜と呼ばれるのは、花の中央

から2本の雌しべが細い葉のように葉化して突き出ているためです。この雌しべが普賢象菩薩の乗る普賢象

の牙(きば)のように見えるため、普賢象桜と呼ばれています。普賢象桜のもう一つの特徴は、花弁がひ

らひら個別に落ちるのではなく、花全体がツバキのようにポトリと落ちます。ツバキはサクラと異なりこ

の普賢象桜のように花ごと落花するのが普通ですが、先に紹介しました地蔵寺の散り椿のように、サクラ

と同様に花弁がひらひら落ちる種類もあります。

船岡山のふもとに古くから咲いていた桜が普賢象桜で、室町時代には既にこの桜が銘桜として知られてい

ました。

 

  • 1dscna_20230508212201

普賢象桜

左側には満開の普賢象桜、右側上には花ごと落花した様子と、右側下には雌しべが葉化して、象の牙の

に曲がっていることを示しています。

続きを読む "・4月末の千本ゑんま堂では八重銘桜の普賢象桜が満開に咲き、ツバキのように花ごと落花していました"

| | コメント (0)

« 2023年4月 | トップページ | 2023年6月 »