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2022年11月19日 (土)

・友人からガリレオ温度計を貰いましたが、貴方はそれを知っていますか?

 

多分あの綺麗な水柱に入った、幾つかのカラフルな球体を見たことはあることでしょう。

それを単なる装飾品と見る人も多いのですが、実は温度計なのです。普通の温度計とは見た目が違います

が、装飾品でもありまた気温を測ることもできます。

その原理を究明したガリレオに因み、ガリレオ温度計と呼ばれていますが、実際にそれを完成させたのはガ

リレオの原理を使ってイタリアのアカデミア・デル・チメント会員達でした。

ガリレオは16世紀イタリア生まれで、近代科学の父と呼ばれる天才的な科学者です。地動説を唱えたためカ

トリック教会から有罪判決を受けましたが、「それでも地球は動いている」とつぶやいたということでよく

知られています。彼は天文学者でもありまた物理学の学者でもあり、比重という考えを明らかにしました。

水の比重は温度によって変わり、4℃で1.0g/㎤であり、水の中に1より比重の大きいものを入れると沈

み、逆に小さいものを入れると浮かびます。例を挙げると鉄の比重は7.21,御影石は2.66で水に沈み、コル

クは0.240,杉は0.433で浮きます。

ガリレオ温度計はこの仕組みを利用して、温度で比重の変わる液体の中に、カラフルな液体の入った重さの

異なる球体を幾つか浮かべています。それでは頂いた2本の実際のガリレオ温度計を紹介しましょう。

 

Dsc_0073a1438-1

大小のガリレオ温度計

左の大温度計では7個の球体が沈んでおり、上から28℃、26℃、24℃、22℃、20℃、18℃、16℃と書か

れており、右の小温度計では1個の球体が浮かんで4個の球体が沈んでおり、上から28℃、26℃、24℃、

22℃、20℃と書かれています。

Dsc_0076a1438-2

温度測定

測定したのは10月21日の14時38分でした。

左の大温度計ではすべての球体は沈んでおり、一番上に28℃の紫色の球体が沈んでいることから、28℃よ

り気温は高いと示しています。右の小温度計を見ますと28℃の濃青色の球体が浮かんでおり、気温は28℃と

示しています。ガリレオ温度計では浮かんでいる中で最も下にある球体が、その時の気温を示すようにでき

ています。

ガリレオ温度計の見方は、「気温が高いと沈み、低いと浮かぶ」と覚えていれば、気温を測りやすくな

ります。

 

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11時55分の気温(10月20日)

大温度計では28℃の紫色の球体が浮かび、小温度計でも28℃の濃青色の球体が浮かんでおり、どちらも

28℃を示しています。

 

Dsc_0015a1451

 

14時50分

気温が最も上がったこの時、大温度計では28℃の球体は沈み、小温度計では28℃の濃青色の球体はまだ浮か

んでいます。気温は28℃か、それより高いことを示しています。

 

Dsc_0022a1745

 

17時44分

夕方には気温はやや下がり、大温度計では再び28℃の赤紫色の球体は浮かび、小温度計でも28℃の濃青色の

球体は浮かんでいます。気温は28℃です。

 

Dsc_0035a1903

 

19時03分

太陽も沈んだこの頃になると気温は更に下がり、大温度計では2球浮かび下側に26℃の濃青色の球体があり

ます。小温度計ではまだ反応していなくて、28℃の濃青色の球体はまだ浮かんでいます。小温度計の方の反

応が少し遅れるようですが、気温は26℃まで下がってきたのでしょう。

 

Dsc_0045a1937

 

19時37分

大温度計では先ほどと同じで2球浮かんだ下側に、26℃の濃青色の球体があります。小温度計でも大温度計

に遅れて2球浮かび、浮かんだ最も下側に26℃の赤色の球体が浮かんでいます。気温は26℃となりました。

 

Dsc_0052a2235

 

22時35分

夜も深まって来て大温度計では3球が浮かび、最も下に24℃のオレンジ色の球体が浮かんでいます。小温度

計でも3球浮かび、24℃の青色の球体が最も下にあり、共に24℃になった事を示しています。余り室内では

気温が下がらないので、先程の測定後に両温度計をベランダに出しておきました。

 

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23時47分

ベランダに出しておいた大温度計では6球が浮かんでおり、最も下に18℃の緑色の球体が浮かんでいまし

た。小温度計ではすべての5球が浮かび、20℃の緑色の球体が最も下に浮かんでいました。そこで気温は

20℃より低くなり、18℃に近いのではと思われました。

測定後には両温度計はベランダから、室内に戻しておきました。

 

Dsc_0069a0259

 

02時59分(10月21日)

大温度計では4球浮かび、3球は沈んでいました。浮かんでいた内最も下には、22℃の青色の球体が浮かんで

いました。小温度計では4球浮かび、1球沈んでいました。最も下側で浮かんでいたのは、22℃のオレンジ色

の球体でした。気温はどちらの温度計でも22℃を示していました。

7球ある大温度計に比べて5球ある小温度計では反応はやや遅れるものの、時間がたてばほぼ同じ気温を示す

ようでした。7球ある温度計の方が、より細かく気温を示していました。

筒状の中には透明のパラフィンオイルが入っており、比重は0.860〜0.890です。一方カラフルな球体に入

っているのは着色したアルコールで、これに比重の大きい水を加えながら比重を調整して、各温度で浮かぶ

球体を調整して作っています。気温が分かる綺麗な装飾品です。

 

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