・今年もスパティフィラムの仏炎苞に囲まれた花がいくつか咲いてきました
今年はいつ咲くか?咲くか?と家人と話しながら、開花を持っていました。「呼ぶより謗(そし)れ」と言
いますが、6月末によく見ると白い仏炎苞が現れてきていました。7月に入ると、その中からやはり白い花
(花序)が現れてきました。スパティフィラムにはミニもあり、その花を2019年に紹介しています。花とい
っても正確には花序ですが、その肉穂花序が仏炎苞と呼ばれる大型の総苞で包まれています。その花の様子
から肉穂花序を仏像にみたて、苞を火炎光背に例えて仏炎苞と呼ばれています。
仏炎苞を持つ植物としてはミズバショウが有名ですがそれ以外にも、アンスリウムの花序と仏炎苞は赤色
で、サトイモの花序と仏炎苞は綺麗なオレンジ色であることを先に紹介しています。これらの植物では肉穂
花序が大型の苞に包まれており、アンスリウムでは仏炎苞は大きく開いていますが、サトイモと同様にスパ
ティフィラムでは肉穂花序を包み込んでいます。
スパティフィラムはサトイモ科 ササウチワ属(スパティフィラム属)の多年草です。学名はSpathiphyllum
lanceifolium (Jacq.) Schottで、原産地は熱帯アフリカです。
スパテイフィラム
左は開花前の状態で、真ん中には開花した肉穂花序と仏炎苞を、右にはその拡大を示しています。
スパテイフィラム(2021.6.25)
なかなか今年は咲かないなあとスパティフィラムを見ていると、6月25日には白い葉が現れてきました。
スパテイフィラム
6月25日の仏炎苞で、やや開きかけています。光沢のある緑の葉と白い苞のコントラストが美しく、条件が
よければ年中開花します。草丈は約30-80㎝で花色は白色、耐暑性は強いが耐寒性は弱く、常緑性で開花期
が長い特性があります。
スパテイフィラム(2021.7.6)
ここからは7月6日に開花した、スパテイフィラムの花を示します。
2鉢のいずれからも、緑の葉から白い仏炎苞が伸長してきて、開花してきました。日陰でも育つので、初心
者でも育てやすい植物です。ただし、直射日光が当たると葉焼けを起こしやすく、一方日陰で日照不足にな
ると花がつかなくなるので注意します。
スパテイフィラム
開花した花の下を見ると、2本の白い仏炎苞が伸びてきています。
生育期は5〜9月くらいで、かなりの水分が必要で水切れに注意します。鉢植え・地植
え共に表面の土が乾けば、たっぷり水やりをします。
スパテイフィラム
中央に開花した花、その下と右に開きかけてきた白い仏炎苞が見えます。
開花期は5月~10月ですが、条件がよければ年中開花します。よく開花させるには、十分に施肥をします。
春から秋の成長期に、緩効性の置き肥を規定量よりやや多めに施します。
スパテイフィラム
良く開花した2本の花です。
秋以降には気温が20℃を下回るようになると、吸水も低下するので、水やり頻度を少なくします。真冬は葉
が萎れたら水をやるくらいで、3日に1回程度が目安です。
スパテイフィラム(拡大)
肉穂花序を拡大しました。突起したたくさんの花が、縦方向に約10段くらい、横方向には8~10個くらい
ついています。花は成熟すると、中から雄しべと雌しべが出てきます。花の成熟に伴い、仏炎苞はまた緑色
に変わってきます。
大株になった株は早めに2,3株に分け、古い土と根を取り除き株分けを兼ねて植替えしてやります。普通は
1,2年ごとに植え替える方が良いようです。水を好む植物で、生育期の5月~9月は土の表面が乾きかけたら
たっぷりと水やりを行います。一方低温期には生育は緩慢になるため、生育期よりも乾燥気味に管理しま
す。
- 関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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