・あなたはカールしたまつ毛のようなしべのある、ネコノヒゲの花を見たことがありますか
長くてカールした5本のしべのあるネコノヒゲは、シソ科オルトシフォン属の多年草です。アジア南東部、
オーストラリアが原産地です。別名はクミスクチン、キャッツウイスカーと言います。猫のひげをマレー語
でクミスクチンと言い、インドネシアやマレーシアでは薬用とされています。英名でもネコノヒゲ・キャッ
ツウイスカーと言っています。
日本には薬用植物として導入され、葉に利尿作用や血圧を下げる効果のある成分を含んでおり、「クミスク
チン茶」の名前で健康茶の一種として利用もされています。本来は多年草ですが耐寒性はなく冬に枯れるた
め、日本では1年草として分類されています。春から秋にかけて、白い花が咲きます。花壇や鉢植えで、観
賞用としても良く植えられています。
ネコノヒゲ
ネコノヒゲの全体の生育の様子と、花序のアップを紹介しています。
ネコノヒゲ
日当たりを好んで旺盛に生長しますが、乾燥を嫌うので水やりは欠かせません。白い花が穂状につき、長く
てカールしたしべ(雄しべと雌しべ)が四方に伸びています。
ネコノヒゲ
花の集まった花序は輪散花序で、6個の花が各段についています。花序は8~12㎝くらいに長く伸びます。
各花から4本の雄しべと1本の雌しべが、上向きにカールして四方に広がっています。
ネコノヒゲの花序
上から花序を見ると6花より多くの花がついているように見えますが、他の段の花が見えているのでしょ
う。
ネコノヒゲの花序
斜め横から、花序を見ています。各花から4本の雄しべと1本の雌しべが、上向きにカールして四方に伸びて
います。雄しべより雌しべの方が少し長いようです。この写真では分かり難いのですが、雄しべの先には葯
がついています。
ネコノヒゲの雄しべと雌しべ
雄しべと雌しべの先端はやや薄紫色を帯びています。写真を少し拡大して雄しべの先端を見ると、丸い葯が
見えます。上の方には丸い蕾が無数についています。正に猫のヒゲのように、上向きにカールしたしべが伸
びています。
ネコノヒゲの花序
整った三角錐の細長い2本の花序です。13~15段くらいの各段に、6個の花あるは蕾がついています。正に
ネコノヒゲのように見えます。
ネコノヒゲの花序
この花序でも13~15段くらいに多くの花がつき、まつ毛のような長いしべが伸びています。
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