・祇園祭に縁の深いヒオウギが、京都府立植物園の四季の丘で満開でした
今年の祇園祭は残念ながら山鉾の巡行は、コロナ蔓延防止のために中止されました。ただ山鉾の組み立ては
技術の継承のため、幾つかの山鉾の組み立ては実施されています。過去の山鉾の巡行は2011年と2012年に
紹介していますので、そちらをご覧ください。また最近、京都の情報を発信しているKyoto Love.Kyoto
に祇園祭の役割とその目的について紹介しています。
祇園祭には、ヒオウギの花が欠かせません。ヒオウギ(檜扇)は古来より厄除けの植物とされ、祇園祭に期
間中軒先にヒオウギが飾られ、床の間にもヒオウギがいけられます。
しかしこの習慣も、時代の移ろいに応じて薄れてきて、檜扇を知らない人が増えてきています。
ヒオウギはアヤメ科アヤメ属(ヒオウギ属)の多年草で、漢字では檜扇と書きます。学名はBelamcanda
chinensis で、原産地は日本、中国、台湾、インド北部などです。高さ50cm~1.2mくらいで、開花期7
月~8月頃です。
ヒオウギ
京都府立植物園の四季の丘で、7月中旬に見たヒオウギの花です。
ヒオウギ
株元から葉が左右に分かれて交互に伸び、その様子が檜扇を開いたように見えることから、ヒオウギの名前
がつきました。葉の中央から初夏に花が伸びてきて、その先端に数個の花を着けます。
雌びなの持つ檜扇
檜扇と言ってもピンとこない人のために、内裏雛を示しました。この内裏雛は、京都の千両が辻で公開され
ていたお雛様です。雌びなが持たれているのが檜扇です。
ヒオウギ
ヒオウギの花は1~2回枝分かれして、直径3~4㎝のオレンジ色の花を数個着けます。
外花被(ガク片)3枚と内花被(花弁)3枚は、ともにオレンジ色で、暗赤色の斑点があります。花は1日花
で咲き終わった花は、なぜかねじれたまましばらく残っています(矢印)。
ヒオウギ
ガク片由来の外花被と花弁由来の内花被は、多少色合い異なるようで、また開き具合も少し違いがあるよう
です。
ヒオウギ
花の中央には3本の雄しべと雌しべが1本あります。ただこの写真では一寸数が分かり難いようです。
ヒオウギ
雄しべと雌しべの名前を付けました。下に長く伸びているのが雌しべです。先端の柱頭がやや大きくなって
います。上の方に3本雄しべがあり、それぞれ細い花糸の上にやや太い葯が見えます。花の右上に、咲き終
わった花が捩じれて残っています。この中に実があり、そこには真っ黒でつやのあるヌバタマと呼ばれる数
個の丸いタネができます。
和歌で夜や黒にかかる枕詞「ぬばたまの」はこの黒いタネからきています。この黒いタネが熟するまで時間
がかかるため、花弁はねじれてその実を守っているのでしょうか。
- 関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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