・年末から咲き出したクリスマスカクタスの親株と挿木個体が共にまだ咲いています
クリスマスカクタスはクリスマス頃に咲き出すためそう呼ばれ、別名シャコバサボテンは葉(正確には茎
節)の縁からシャコを思わせるような鋭い突起が出ているため、その別名があります。よく似た植物にカニ
バサボテンがありますが、それにはこの茎節の縁に鋭い突起はありませんのですぐ区別できます。2年前に
その特性などを詳しく紹介しましたが、毎年寒い折にもよく咲く様子を昨年1月にも紹介しています。
クリスマスカクタス(別名シャコバサボテン、デンマークカクタス)はサボテン科でブラジル原産で、主に
樹上や岩の上に根を張って生長しています。学名はSchlumbergera ruselliana Britton & Roseです。クリ
スマスカクタスの茎は一見すると葉のように見え、長さ4~6㎝、幅2~3cmで茎節とばれます。この茎節が
数節繋がって鉢から数本の茎節が垂れ下がり、その先端に長さ5㎝程の花を秋から冬にかけて着けます。
クリスマスカクタス
上左は親株のクリスマスカクタス、上右は親株の茎節を切って挿し木した個体です。
下左は花を横から撮り、下右は花の先端部の雄しべと雌しべを示しています。
クリスマスカクタス
親株では毎年このように12月頃より、長く伸びて垂れ下がった茎節の先端に大きな花がついてきます。この
親株はもう5,6年植え替えしていませんので、花が終わったら3月頃に植替えをして新しい根を出させよう
と思っています。
クリスマスカクタス
先端部には1,2個の花が着きます。蕾のうちは爪のように、長くてとがっています。たくさん花弁があるよ
うに見えますが、花弁とガク片が共に同じ赤い色をしているので、花弁が多いように見えます。
クリスマスカクタス
このように花弁もガク片も同じ赤い色をしています。基部にあるガク片は反り返っていますが、花弁の方は
中にある雄しべと雌しべを包むように伸びており、やがて開いてきます。白い雄しべの中から赤い雌しべが
更に突き出ていて、雌しべの先端はまるくなっています。開花が進むと,雌しべの先端は数本に分かれてき
ます。
クリスマスカクタス
雄しべは2種類あり、一つは花弁の内側につき、一つは雌しべの基部についていますが、両方とも切り開か
ないと区別はつきません。
クリスマスカクタス
1つの花の先端部を横から撮っています。まるで蝶か何かのように横に開いた羽のような赤い花弁の中か
ら、白い雄しべが着き出し、更にその中から赤い球をつけた雌しべが鮮やかに突き出ています。
クリスマスカクタス
クリスマスカクタスの花は下を向いて咲くため、なかなか下からは見にくいのですが、下側から撮りまし
た。赤い羽根を広げた蝶のように見え、基部のガク片も尾羽根のよう
に見えます。
クリスマスカクタス
何年か経つと十数本の茎節が伸びてきて、株全体のバランスが悪くなってきます。そんな場合には春か秋
に、伸びすぎた箇所の先端の葉を摘み取って形を整えてやると、花の着きが良くなります。茎節の繋ぎめで
左右に回すと簡単に取れますので、摘み取った2節くらいの葉は、砂床に挿してやれば簡単に増やすことが
できます。夏は水やりを控え、5~7月に置き肥えをしておくと秋から花芽がついてきます。これは昨年春に
挿し木した個体です。
- 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
- 関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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