・名古屋のヤマザキマザック美術館で開催中のロイヤルコペンハーゲンのアール・ヌーヴォーの可愛い動物たちを拝見してきました
前回、名神経由で草津から新名神経由で名古屋に比較的早く行けることに伴い、お伊勢参りをしたことを紹
介しました。この新名神経由で、今回は名古屋にあるヤマザキマザック美術館で開催中の「ロイヤルコペン
ハーゲンのアール・ヌーヴォー」鑑賞と、その後豊田市美術館で開催中の「クリムト展 ウイーンと日本
1900」観賞するバスツアーに参加しました。ヤマザキマザック美術館は、名古屋の中心地葵町に、2010
年4月に開館しています。工作機械メーカーのヤマザキマザック創立者である初代館長山崎照幸が蒐集し
た、18世紀から20世紀にわたるフランス美術300年の流れを一望する絵画作品及びアール・ヌーヴォーの
ガラスや家具等、ヤマザキマザックのコレクションを所蔵・公開しています。この4階にアール・ヌー
ヴォーのガラス工芸や家具が展示されており、2019年.4月20日~8月25日まで「ロイヤルコペンハーゲン
のアール・ヌーヴォー」が開催されています。
ロイヤルコペンハーゲンは1775年創立のデンマーク王立磁器メーカーであり、クリスマスのイヤープ
レートや、青い小花をレース状に描いたブルー・フルーテッドの食器などが有名です。先に2000年の千年
祭の記念プレ-ト(ロイヤル・コペンハーゲン)を紹介しています。今回の展覧会では、19世紀末から20
世紀初頭にかけて欧米で流行したアール・ヌーヴォーの時代に、デンマークから世界に向けて発信された美
しく愛らしい釉下彩の数々が紹介されています。釉下彩とは顔料であらかじめ描いた絵の上に釉薬をかけて
焼成する方法です。奥行きのある絵画的な空気感を醸し出す釉下彩の表情は、世紀末の人々を虜にし、デン
マークや日本をはじめ世界各国でもてはやされました。
「ロイヤル・コペンハーゲンのアール・ヌーヴォー」
可愛い子犬の作品が示された、「ロイヤルコペンハーゲンのアール・ヌーヴォー」のポスターです。
蝶にカラスムギ文花器(エミール・ガレ)
展示会ではオルゴール演奏会もあり、作品の音声ガイドは完全無料で便利でした! 手前に小作品が2点
並べられ、その向こうに花器があります。花器の模様には牧草のカラスムギが描かれ、カラスムギには数匹
の蝶が乱舞しています。
青羽蝶小花瓶
手前に置かれたのは、青色の蝶が3匹とまった青羽蝶小花瓶です。鮮やかなブルーの色が印象的で、大胆
に蝶々が羽を広げたり休んでいます。
紋白蝶小花瓶
その横に置かれていたのは紋白蝶小花瓶で、同じ模様で色違いの白蝶が3匹とまっています。
アイリス文花器(エミール・ガレ)
この花瓶はアイリス文花器で、ガレが目を通したとされる書物のひとつの《新訂草木図説》(1875年/
雑花園文庫所蔵)も、一緒に展示されています。赤色のアイリスが花弁を大きく広げている様子が描かれて
います。手前にも蝶のとまった小品が、二つ置かれています。
蝶小皿
これは小皿に、大きく羽を広げた蝶々の乗った小皿です。
蝶置物(BO)
これは二つ前のアイリス文花器の手前に置かれていた、蝶の置物です。これはロイヤル・コペンハーデン
ではなく、ビング・オーグレンダールで製作された作品です。デンマークにはアール・ヌーヴォーの時代
に、世界的に注目されたロイヤル・コペンハーゲン以外にもう一つありました。それが、1853年に創立し
たビング・オーグレンダール陶磁器工場です。芸術監督のピエトロ・クローンは日本美術から影響を受け
、動物や植物の形を取り入れた作品を次々に発表しました。釉下彩は難易度の高い技術であるため、当時は
ロイヤル・コペンハーゲンとビング・オーグレンダールの二社しか生産できないものでした。
薄緑色を帯びた蝶々が、どちらにもとまった状態で作られています。
トンボ文梅高台杯
台付きの杯の下に梅が描かれ、その上をトンボが飛翔している、素晴らしい日本をイメージする作品で
す。
トンボ文トレイ(BO)
これはビング・オーグレンダールの、トンボ模様のトレイです。
トンボにクモ文皿
これはロイヤル・コペンハーゲンのお皿で、中央にトンボが、お皿の端にクモが描かれています。
オルゴール
2階のエレベーター前におよそ百年前のオルゴールが置かれており、演奏会が開催されています。世界3大
オルゴール会社の一つであるポリフォン社製のオルゴールで、100年前にパリの街をときめかせた軽やかで
繊細な音色を楽しめました。
眠り猫
これから後はすべて、ロイヤル・コペンハーゲンの作品です。ぐっすり寝入った猫が爆睡しています。
仲良し犬置物
ポスターにも描かれている、仲良し子犬です。可愛さがあふれています、
二匹のポインターとペキニーズ(左から)
2匹のポインターが思い思いに座っています。その右にいるのは、ペキニーズです。
ポインターは猟犬にもなる大型犬で、ペキニーズはかっては中国皇帝に愛された愛玩用の小型犬です。
猫蓋物
これは猫の蓋物で、胴体部が容器になっているようです。
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- 関連の記事が 日本の街角 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
プロフユキさん こんにちは。
エミール・ガレのアイリス文花器、なんて素晴らしいんでしょう!
神秘的な色合いで、アイリスの花びらの赤が効いていますね。
和と洋、どちらの雰囲気も感じられます。
ロイヤルコペンハーゲンの犬や猫の置物、とっても可愛らしくて
見ているだけで心が和みます。
やっぱり猫と暮らしているからか、眠り猫の置物が一番気に入りました^^
厳しい残暑が続いています。
どうぞ、お体に気を付けてお過ごしください。
投稿: 亜麻 | 2019年9月11日 (水) 13時08分
こんばんは。
素敵な作品をご覧になられましたね。
ロイヤルコペンハーゲンでこのような小動物を作成していることすら
存じませんでした。私はイヤープレートは持っております。
そしてプレート1枚とコーヒカップとソーサーだけですが・・・。
エミールガレの作品は「北澤美術館(以前あった幕張と清里・諏訪湖畔)」へ
数度訪れました。ドーム兄弟の作品も・・・。
妹はナンシー美術館へもツアーで参加しております。
ため息が出るようなガラスの作品ですね。
投稿: マコママ | 2019年9月11日 (水) 17時51分
今晩は 亜麻さん!
ロイヤルコペンハーゲンにはこんな置物や花瓶など、素敵な作品が
あるのに驚きました。(*^o^)
別の階にはロダンの力強い作品もありました、あるところには
あるものです。(*^-^)
アイリス文花器には引きまれて写真を撮りました。日本の図巻も
見て確認をきちんとしていたようです。
猫と暮らしている方も多いので、猫の写真も入れましたが
どれもかわいいですね。(*^-゚)
投稿: プロフユキ | 2019年9月12日 (木) 00時22分
今晩は マコママさん!
ロイヤルコペンハーゲンには、食器だけだと思っていましたが、こんな作品も
あるのですね、驚きました。(*^-゚)
エミールガレの作品はあちこちにあるのですね、なかなか素敵な花瓶ですね。(*^o^)
模様が素敵ですが、それも図鑑を見ながら確認しているのもすごいですね。
東京に色々美術館もあり、多くの作品が見られるでしょうね。今回で
名古屋も見学圏になりました!?
投稿: プロフユキ | 2019年9月12日 (木) 00時29分