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2019年8月14日 (水)

・暑い夏にも咲き続けるサルスベリの花は綺麗なフリルの花弁を持ち、雄しべも2種類と工夫を凝らしています

 

暑い真夏に咲くサルスベリは貴重な花です。今年も京都府立植物園のエントランス近くに、赤のサルスベリ

の花が元気に咲いていました。サルスベリの花の色も赤、白、紫と多彩にあり、京の都大路では街路樹にも

植えられていることを2012年に、また2018年には赤紫色の街路樹のあることを紹介しています。またサ

ルスベリの花は大きく広がって見えますがその訳を調べるために、花の構造についても2010年と、2015

年にも再度紹介しています。サルスベリはミソハギ科サルスベリ属の花木で、アジア、オーストラリアに約

30種分布する高木または低木で、矮性の背丈の低い種類もあります。サルスベリには5種類ありますが、そ

のうちサルスベリとして良く庭園に植栽されているのは中国原産の種類です。英名はcrape myrtle、中国

名は紫薇あるいは百日紅で、かなり長期間咲き続けることから百日紅と書かれます。実際には1日花です

が、同じ花序の花が次から次と咲き続けています。サルスベリという名前ですが、サルは滑らずに登れるよ

うです。ただ、アサガオなどツル性の植物が巻き付いているのはあまり見ないですね。

 

  • Dscn9172a

サルスベリ

 サルスベリの円錐花序(左上)と、その花の構造(左下)を、更に6枚あるフリル状の花弁(右上)と2種

類ある雄しべ(右下)についての写真です。

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サルスベリ

 京都府立植物園のエントランスに植わっている、赤色が鮮やかなサルスベリです。

 

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サルスベリ

 何本かの花序を示しています。赤い花弁が無数にあり、いったいどれくらいの花があるのだろうかと疑問

がわきます。

 

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サルスベリの円錐花序

 1本の花序をしましました。サルスベリの花序は円錐花序であり、当年生の枝の先端に花序をつけます。

円錐花序では花序が分枝を繰り返して多数の花が集まり、全体として円錐形の形をしており、基部の花から

上側に咲いていきます。赤い花弁の横に見える、赤橙色の丸いのはつぼみで、6枚のガクがしっかりと花を

包んでいます。

 

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サルスベリの若い花

 咲き始めた若い花を示しています。6枚のガク片に囲まれた内側から、6枚の花弁が開いています。まるで

6個の花があるように見えますが、実際には全体で一つの花なのです。各花弁はフリル状で縮れて大きく広

がり、その基部は細くなった爪でつながっています。その内側からたくさんの雄しべが伸びだしています

が、雄しべには2種類あり、詳しくは後で説明します。サルスベリは1日花ですが、咲き終わった後も4~5

日間、花はガク片の間から伸びたままで、まだ咲き続けているように見えます。

 

  • Dscn9177_3i

サルスベリの花器(園芸植物大事典、1988 を一部修正)

 園芸植物大事典から、サルスベリの花器を示しました。ガク片の内側から爪をもった6枚の花弁が大きく

縮れて広がり、その中に36~42本の雄しべがあります。雄しべには2種類あり、機能も形態も異なっていま

す。外側にある6本は葯が紫色で花糸が長く伸びており、その内側には黄色い葯を持ち短い花糸の雄しべが

30~36本あります。受精できるのは長い雄しべの花粉で、短い雄しべの花粉は花粉を運ぶ昆虫のえさにな

るだけです。

 

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サルスベリのつぼみと花

 中央右側に1本の花序が見え、基部の花が咲き出し、先端の方ではまだ多くのつぼみが丸くなっていま

す。

 

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サルスベリの花とつぼみ

 左下の1輪の花が咲き出しており、その上のわき芽からは無数のつぼみが着いていて、それぞれは6枚のガ

ク片がしっかりと花を丸く包んでいます。

 

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サルスベリのおしべと開花前のつぼみ

 満開状態の花です。6枚のフリル状の花弁が大きく広がっています。その内側の長い6本の雄しべに番号を

つけています。長い雄しべの花糸は花弁と同じ赤色で、長くまた太くなっています。この花糸はくの字型に

折れ曲がっていて、短い雄しべに来た昆虫の背中に花粉を着けやすくなっています。短い雄しべの花糸は薄

ピンク色で、葯は黄色です。3番の雄しべの横に雌しべが見えます。雌しべの花柱は薄赤色で太く・長く伸

びており、柱頭近くでは柱頭と共に黄色くなっています。花の左右に、ガク片がはち切れそうになった開花

直前のつぼみが見えます。

  

  • 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。

 

 

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