・ベゴニアセンパフローレンスは簡単に水差しでふやせますので、古い株は更新しましょう
ベゴニアセンパフローレンスは丈夫で育てやすい花で、春から秋まで咲き続け、多彩な色もあり花壇にもよ
く植えられています。今までに、雌雄異花で同じ株に雄花と雌花が咲くこと、雌花にはたくさんのタネがで
きるのに養分を消耗するため早めに取り除く方が株を弱らせないことを紹介しています。さらに、簡単に挿
し木できるので挿し芽での繁殖の実際を紹介しています。
ベゴニアセンパフローレンスはシュウカイドウ科の多年草です。学名はBegonia × semparflorens-
cultorumで、主な開花期は4月~10月です。ベゴニアセンパフローレンスはブラジル原産種ククラタの変
種フーケリー〔B. cuculata var. hookeri〕を元として改良された園芸品種の総称です。本来は毎年花を
咲かせる多年草ですが、地域によっては冬の寒さで枯れることもあり、1年草として扱われることが多いよ
うです。
先に挿し木で簡単に増やせることを紹介しましたが、具体的な方法については紹介していませんでしたの
で、ここに写真を用いて紹介します。簡単に水に差すだけでふやせますので、古くなった宿根草がありまし
たら、ふやしてみましょう。
ベゴニアセンパ(19.4.30)
毎年ベランダで冬越しして育っているベゴニアセンパです。赤花と白花が共に同じ鉢に植わっています。
発根してきたベゴニセンパア(19.7.14)
先の鉢植えのベゴニアセンパも、その後伸びだしてきて全体の草姿が悪くなる部位の茎を切り取って整姿
します。そのまま捨てるのはもったいないので、ガラスのコップに挿しています。その際、15㎝くらいの長
さにそろえ、水につかる下の2,3枚の葉は取り除きます。写真にもあるように、葉がついていた節の下1㎝
くらいで水平に切り直します。切るのは剪定ハサミか摘果ハサミか、なければ片刃のかみそりなど刃の薄い
ナイフなどで切ります。薄い刃物で切るのは、組織を傷めないためです。普通蕾の着いている茎はさけるの
ですが、ベゴニアセンパなど発根容易な種類では、蕾があっても容易に発根します。
ベゴニアセンパの発根部(19.7.14)
水はできるだけ新しい水に代え、水中の酸素不足を防ぎます。4,5日~1週間くらいで写真のように根が
出てきます。写真からも分かるように、根はどこからでも出るものではなく、葉の着いていた節部から旺盛
に出てきます。
ベゴニアセンパの発根1(19.7.21)
さらに1週間経つとこのように、発根した根は長くなり、更に枝分かれしてきます。ベゴニアセンパでは
このように、花がついていても容易に発根します。
ベゴニアセンパ1の発根部(19.7.21)
以下には挿し穂ごとにガラスコップに入れて、発根を分かりやすく示します。節部から根が出ているのが
分かると思います。これは節の部位に発根ホルモンのオーキシンがたくさん含まれているからです。発根容
易な草本ではホルモン処理の必要はありませんが、木本や発根困難な種類では、オーキシン処理をしてから
鹿沼土などの挿し床に挿します。
ベゴニアセンパの発根2(19.7.21)
この挿し穂でも、4つの節部から発根しています。
ベゴニアセンパの発根部(19.7.21)
発根の様子を詳しく見ると、下から2節目と3節目で、旺盛に発根しているようです。
多くの発根が起こり、また分岐を繰り返しているようです。茎を切り取った際、曲げてみてぽきっと折れる
部位が、挿し穂に適しています。ぐにゃっと曲がったり、硬いのは、木化していて発根しません。
ベゴニアセンパの発根3(19.7.21)
これも白い花が咲いていますが、よく発根しています。赤い花と白い花の着いた挿し穂では、白花の方が
旺盛に発根したようです。
ベゴニアセンパ3の発根部(19.7.21)
切り口では発根せずに、その上2節から旺盛に発根しています。
ベゴニアセンパの発根4(19.7.21)
赤花の咲いていた挿し穂です。白花のものに比べ、発根は遅くまた、根の数も少ないようです。
ベゴニアセンパ4の発根部(19.7.21)
下の節とその上の節から、発根しています。挿し穂としては、できるだけ節間の詰まったものが適してい
ます。
ベゴニアセンパ5の発根(19.7.21)
この赤花の挿し穂からも発根していますが、発根は白花より遅く、またその数も少ないようです。
ベゴニアセンパ5の発根部(19.7.21)
節部から伸びた根から出ている細い線状のものは、養水分を吸収する根毛と思われます。
- 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
- 関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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