・五月晴のベランダでは赤、白、ピンクのゼラニウムが次から次へと咲いていました
五月晴のベランダでは、例年通りにゼラニウムの花が咲いています。昨年からの赤と白色の花に加え、今年
はご近所さんに頂いたピンク色の花が加わっています。ついつい不精をしていて赤色の株は移植用のプラス
チックポットのまま、ポット入れに入れてラテイスにかけたままで、大きな鉢に移していません。昨年にも
白色のゼラニウムを他の白い花と共に、紹介しています。今回は花の中から顔を出している、可愛い雌しべ
とと雄しべを観察しましたのでそれを紹介します。
ゼラニウムはフウロソウ科ペラルゴニウム属の多年草です。学名はPelargonium x hortorum
L.H.Baileyで、別名はテンジクアオイです。以前はゼラニウム属に分類されていましたが、その後この属
はゼラニウム属とペラルゴニウム属に分離されています。しかし、園芸的にはペラルゴニウム属に分離され
ましたが、このグループは古くから呼び慣れている名前の「ゼラニウム」が使われていますので、ちょっと
注意が必要です。
セラニウム
セラニウムの原産地は主に南アフリカで、日本には江戸時代に入ってきているお馴染みの花です。主な開花
期は4月~11月と、長く咲き続けます。ベランダでも赤色と白色を栽培していますが、あまり花をたくさん
つけさせると株が弱ってしまうことがあります。ちょっと嫌な臭いがしますが、ヨーロッパのレストランの
窓には、よくこの花が飾られているのを見かけます。
白色セラニウム(5.17)
薄い液肥を週一回くらい追肥するだけで、このようにたくさんの花をつけた花序が次々に出てきます。花
序には10~20くらいの小花がついています。
白色セラニウム(5.17)
この花序には7花くらいついていて、この基部から左に次の花序が伸びてきています。
白色セラニウムの花序(5.17)
5枚の花弁の中に見える、雄しべと雌しべが見えるよう、接写してみました。花は花径3~5㎝程度で花弁
は5枚、中央には10本の雄しべと1本の雌しべがあり、柱頭は5本に分かれています。中央の花のように雄し
べと雌しべは開花当初は近くにあり、雌しべは見えません。
白色セラニウムの花(5.17)
雄しべは10本とされていますが、そのうち5~7本が稔性で花粉を持っていますが、残りは花糸だけに
なることが多いようです。この花でも雄しべは5本だけが認められます。この花に見えるように、雄しべが
先に成熟して花粉を出した後、雄しべの間から雌しべが顔を出して成熟し、花柱の先端の柱頭を開きます。
雌しべが成熟する頃には、雄しべの葯の多くは脱落しています。雄ずい先熟で、自家受精を防止しているよ
うです。
白色セラニウムの花(5.17)
右の花では雄しべだけが見られ、雌しべは基部にあるようです。左の花では雄しべの間から雌しべが伸び
てきて、柱頭は5本に分かれて受粉態勢をとっています。
ピンク色セラニウム(5.17)
これは今年頂いた、ピンク色のゼラニウムでたくさんの花を着けています。
赤色セラニウムの花序(5.17)
この真っ赤の花序は、まりのように球状に花が集まっています。茎葉には金属同士がこすれたときのよう
な、独特の臭気があります。
赤色セラニウムの花序(5.17)
花序を接写しました。オレンジ色の丸い葯が見られ、どの雄しべも5本だけが認められるようです。
赤色セラニウムの花(5.17)
5本の葯が密に固まっていて、内部の雌しべは見えません。
赤色セラニウムの花(5.17)
この花でもまだ雄しべがまだ若いステージで、雌しべは伸びてきていません。多分もう少ししてから、雌
しべが伸びてくるのでしょう。
- 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
- 関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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