« ・ミニのユーフォルビア・セリーナの花の中から、また花が現れました | トップページ | ・淡紫紅色の花をつけたムラサキカタバミの3枚に分かれた葉は、夜になると葉を閉じる就眠運動をしています »

2019年6月11日 (火)

・6月12日のアンネの生誕90周年にちなみ、美しい「アンネのバラ」を紹介します

 

 京都府立植物園には多くの品種が栽培されており、先日見たツルバラスタンダード仕立てのバラを紹介

ました。植物園にはアンネにちなんだ「アンネのバラ」も植えられていて、先に紹介しています。明日の

6月12日はアンネ・フランクの誕生日で、今年は生誕90周年を迎えることになります。「アンネのバ

ラ」が普及するのには京都、更に関西の教会やバラ愛好家が関係していたようです。

  ベルギーのバラ育種家のヒッポリテ・デルフォルヘは多くの交配種を作出しており、

1959年のスイス旅行中にオットーと出会いました。アンネの日記に感銘を受けていたヒッポリテは自分が

作出した最も美しいバラを、アンネの形見として捧げる事を計画し、オットーの賛同を得て「アンネ・フラ

ンクの形見」として登録しました。1971年にイスラエルを訪問公演していた日本のイエス会の「しののめ

合唱団」(京都・嵯峨野教会)がオットー夫妻と出会って交流が始まり、1972年オットーからバラの苗10

本が贈られました。その多くは長距離輸送のため枯れましたが、1株が1973年春に京都の嵯峨野で開花しま

した。1975年8月にNHKの教養番組で「アンネのバラ」が紹介されてから、子のバラは一般に知られるよ

うになりました。

 

  • Dscn8840

アンネのバラ

 「アンネのバラ」とオランダで発行されたアンネの記念切手です。

  • Dscn8842a

バラ園(京都府立植物園)

 1975年秋に杉並区の中学校から「アンネのバラ」を育てたいとの要望があり、合唱団が2度目の演奏旅行

の折にオットーに依頼されました。オットーの「アンネと同年代の、日本の少年少女たちの夢をかなえてあ

げたい。」との意向により、「アンネのバラ」10本のうち3本が中学に送られる事になりました。

 

  • Dscn8843

アンネの記念切手

 オランダのアムステルダムを訪れた際にはよく、アンネが隠れ住んでいた家(現在はアンネの博物館)に

行きまして、その折に買った記念切手です。何でもない普通の一人の少女が記念切手に描かれるようになっ

た出来事は、もう二度とこのような事は起こってはいけないとの、未来への期待が込められているのでしょ

う。アンネの切手は、このオランダ発行以外に、ドイツでも発行されています。

 

  • Dscn8844_inpixioa

アンネのバラ

 1980年4月に教団の合唱団がオットーとの交流を持ったことから、アンネのバラ教会が兵庫県西宮市に献

堂されました。ここは世界で唯一のアンネ・フランクを記念する教会で、彼女の資料館があります。

 

  • Dscn8845a

アンネのバラ

 その後アンネのバラの教会で増えたアンネのバラは、アンネの故郷であるドイツのフランクフルトに、ま

た英国のマンチェスター、バーンリー、ヨークにも植えられるようになって世界に広がっていきました。

 

  • Dscn8846_ina

アンネのバラ

 「アンネのバラ」の正式な名前は‘スーブニール・ドゥ・アンネフランク’で、愛と平和のシンボルとなっ

ています。フロリバンダ種で花型は丸弁杯状咲き。花は変色する性質があり、蕾の時は赤色、開花するとオ

レンジ色に黄色がかった黄金色に、やがて花弁の先からサーモンピンク、更に濃くなり赤色に近くなりま

す。四季咲きで、5~8輪の房咲きになります。この写真では、蕾がほころびかけ、赤色にオレンジ色が入

りかけています。

 

  • Dscn8848_ina

アンネのバラ

 蕾から開花しかけて黄金色になり、花弁の先はサーモンピンクになりかけています。葉は光沢のある縁色

で鋭いトゲがあります。株は丈夫で日陰に耐えるため育てやすく、寒さや病気にも強くて人気があります。

 

  • Dscn8849_ina

アンネのバラ

 少し横から見た花の様子です。すぐ横に次の蕾があり、たくさんの花をつけます。

 

  • Dscn8850_ina

アンネのバラ

 ちょっとピントが甘いですが、黄金色の花弁の外側からサーモンピンクの色が濃くなってきています。

 

  • Dscn8852_inpa

アンネのバラ

 これからは開花した花を撮っています。花弁の基部は黄金色が残っていますが、先端部ほどサーモンピン

クの色合いが深まっています。右下には次に蕾が、上には二つの蕾が見えます。

 

  • Dscn8859_ina

アンネのバラ

 艶やかに開いた花、それに交じりまだ開く前の花など、黄金色の色とサーモンピンクの花弁が入り混じっ

て、更に赤味の濃い花弁もありとても綺麗です。

Dscn8862_ina

アンネのバラ

 よく開花した花の中に、まだ黄金色の強い開きかけた花も、綺麗な取り合わせになります。

 

  • Dscn8871_ina
     

アンネのバラ

 こちらも同様で、あちこちに綺麗な花の形をしている花もあり、なかなか見飽きしない「アンネのバラ」

の花壇です。

 

 

  • 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。

 

|

« ・ミニのユーフォルビア・セリーナの花の中から、また花が現れました | トップページ | ・淡紫紅色の花をつけたムラサキカタバミの3枚に分かれた葉は、夜になると葉を閉じる就眠運動をしています »

・園芸植物・園芸情報 Hort. Plants & Information」カテゴリの記事

コメント

プロフユキさん こんばんは。
アンネ フランクの生きた証を、彼女の名を冠したバラとして世に送り出してくれた
ヒッポリテ・デルフォルヘのアンネへの想いの深さに胸打たれます。
記念切手の笑顔のアンネのような、とても綺麗で素敵なバラですね。
このバラがこの世で咲き続ける限り、アンネは平和を愛する人々の心の中に生き続けるのですね。

バラにはそれにまつわる物語があり、名付けた人の想いが籠っているから素敵です。

投稿: 亜麻 | 2019年6月15日 (土) 23時05分

こんにちは 亜麻さん !

見ていただきまたコメントを有難うございます。(^_^)

バラを愛する亜麻さんは、当然アンネのバラをご存知だと思っていました。でも何となく教会の人が
関係しているだろうとは思っていましたが、今回調べてみて京都の亀岡で1株が何とか咲き、
それも聖イエス会の合唱団が縁を結び、そのつながりでアンネのバラ教会が西宮に
出来ていたとは驚きでした。(o^-^o)

平和を愛する日本の人達の貢献も大きいですね。それにアンネのバラの花の素敵なこと、
形もまた花弁のいろの変化も素晴らしいこと、もっともっとあちこちに広がってほしいバラです。(*^o^) 
亜麻さんには特に見て欲しかったので、とても嬉しく思っています。y(^ー^)y

投稿: プロフユキ | 2019年6月16日 (日) 23時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ・ミニのユーフォルビア・セリーナの花の中から、また花が現れました | トップページ | ・淡紫紅色の花をつけたムラサキカタバミの3枚に分かれた葉は、夜になると葉を閉じる就眠運動をしています »