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2019年6月 1日 (土)

・京都府立植物園のバラ園で華麗なツルバラのススタンダード仕立てを見てきました

 

府立植物園には多くの品種が栽培されており、先に先日見たツルバラ3品種を紹介しました。ツルバラとい

うとアーチ状に添わせたバラを思いがちですが、いろいろな仕立て型があります。バラの仕立て方には、

アーチ、ポール、スタンダード、パーゴラ(藤棚状)、フェンス(垣根状)、スクリーン(垣根状だが、形

を作る)などがあります。庭園向きのポール仕立てのバラを先に紹介しました。 一般的な誘引にはツル性の

強い品種を用い、1月頃新芽の動き出す前に今年伸びだしてきたシュートを誘引し、3年以上の古い枝や細

い枝などを除きます。枝の先端30~50cmには、良い花は着かないので切除します。生育が良いと、6月頃

株元から生育の旺盛な赤味がかったベイサルシュートが伸びてきますから、これは摘心せずに来年の枝用に

誘引しておきます。

ポール仕立てではまずポールを立てて、ツルバラ(FLでもいける品種あり)を誘引します。ポールに沿わせ

て、好きなところで横に巻き上げながら、形を作ります。ここからは枝を水平にするほど、多くの花がつき

ます。 先日のツルバラはポール仕立てでしたが、ここでは水平に仕立てたスタンダード仕立てされた、多花

性のツルバラ3品種を紹介します。スタンダード仕立てでは、一般に挿し木された台木に芽接ぎをして、横

方向に伸ばさせます。

 

ツルバラDscn8690

赤色のウルマー・ミュンスター、薄ピンク色の群星と黄色のヘンリー・フォンダです。

  • Dscn8693a

ウルマー・ミュンスター

 一体いくらの花が咲いているのでしょう。数えるのも大変なくらいの花をつけたウルマー・ミュンスター

です。作出されたヨーロッパでは半つる性のシュラブ系統ですが、300cm以上も伸長するので、つるバ

ラのように扱い、仕立てることが多い品種です。

 

  • Dscn8694a

ウルマー・ミュンスター

 少し近寄って花を大きくしてみましたが、なかなかきれいな花です。ウルマー・ミュンスターは、綺麗な

花弁で、花もちがよいバラです。咲き方は、四季咲き性に近く、シュートの先に数輪ずつ花をつけ晩秋まで

咲き続けます。

 

  • Dscn8696a_inpixio

ウルマー・ミュンスターの花

 1だけ示しましたが、やわらかそうな花弁ですが、しっかりした花弁で開花期間は長いようです。

 

  • Dscn8697a

群星

 日本で育成された群星です。ロサ・ムルティフローラの自然実生によってうまれた品種なため、丈夫な品

種です。枝が細く、トゲも少なく扱いやすいのも魅力の一つです。桃色を帯びた白のポンポン咲きで、早咲

きです。

 

  • Dscn8698a

群星

 満開の時は株が花でおおわれてしまうくらい、たくさんの花が咲き、まわりの白と中心部の桃色との対比

がとても綺麗な品種です。蕾の時は綺麗な形ですが、開いた後は花弁が多く八重状になってきます。

 

  • Dscn8702a_inpixio

群星の花

 花は開くと純白ですが蕾は先端に紅がさし、その対比がとても美しい品種です。蕾の時の形はとても綺麗

です。大きな房になって見事に咲き、枝にはトゲの無いのも扱いやすいです。1季咲きの品種です。

 

  • Dscn8705a

ヘンリー・フォンダ

 フルーツ系の甘い良い香りがして、別名トロピカーナ。濃厚な黄色大輪系では初の品種です。 1960年に

バガテル金賞他たくさんの賞などを受賞しており、黄色系では、最高の色彩を持つ品種です。 1996年の作

出当時は切り花用品種として大変人気がありました。

 

  • Dscn8706a

ヘンリー・フォンダ

 樹形は比較的コンパクトで鉢でも育てられます。早咲きでもあります。鮮やかな黄色の花弁がまぶしいく

らいです。暑さにも強い品種です。軽い香りがあり四季咲きで、剣弁高芯咲きで、花の直径は10cmくらい

あります。

 

  • Dscn8708a_inpixio_inpixio

ヘンリー・フォンダの花

 花弁数も多くて、しっかりした花です。「荒野の決闘」や「十二人の怒れる男」などの映画で有名な、ア

メリカの俳優ヘンリー・フォンダ氏は、こんな黄色のバラが好きで育てていたそうです

 

 

  • 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。

 

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コメント

プロフユキさん こんにちは。

京都府立植物園のバラ園のバラは皆立派な株で、仕立て方もそのバラが一番綺麗に見えるように
仕立てられていて、葉に黒点1つなく、花数も素晴らしいですね!
プロの目と手の行き届いたお世話がなされると、こうなのですね。

ウルマー・ミュンスターという品種は初めて知りましたが、とっても素敵です~♡
群星は愛らしくやさしい雰囲気で、心を和ませてくれますね。

バラを育て始めた当初は、好みの花色と花容だけで、育てる品種を選んでいましたが、
今では、好みの花色と花容プラス花もちの良さ、四季咲き性、耐病性などと、
ずいぶん条件が多くなってきました^^
かと思えば、一季咲きでもいい、年に一度この花を見ることができるのなら育てていたいと
思うものもあります。
ほんとに我がままですが、小さいながらも庭があって、好きな薔薇を育てることができて
とても幸せです♪

投稿: 亜麻 | 2019年6月 3日 (月) 11時18分

こんにちは 亜麻さん !

コメントを有難うございます。バラはいいですね、見に来ているどの人も幸せに満ちた顔でいます。
最近はカメラでなく、スケッチをする人が増えたように思います。(o^-^o)

京都植物園も限られた人員で、よく頑張って世話をしています。沢山のボランテイの人が管理作業を
手伝っていてくれるのも有難いです。最きっは殺伐としたニュースが多い分、余計にバラを愛でる
人が多いのにほっとします。(*^-゚)

最近なぜ園芸の仕事につかれたのですかと聞かれて、母の影響がおおきかったと答えましたが、
不思議なもので5人兄弟で私だけがこの道を選んでいます。亜麻さんが書かれているように、私も好きなバラの花を愛で、
育てていられる幸せを感じています。(*^-^)

イギリスでお世話になった先生の広いのお庭には、たくさんのバラが植わっていましたが、
ほとんど剪定も花殻摘みもしない自然そのままで育てておられ、驚いたことがあります。うらやましかったのは、
庭に突き出たダイニングルームから、お花を眺めながら食事をとれることでした。(^_^)

楽しみ方は人さまざまで、イギリスの貴族はロンドンの庭でバラを栽培していましたが、
それは離れた領地の小麦の収量を推定していたそうです。趣味と実益を兼ねていたんですね。(*^o^)

投稿: プロフユキ | 2019年6月 3日 (月) 14時26分

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