・京都府立植物園のバラ園で華麗なツルバラのススタンダード仕立てを見てきました
府立植物園には多くの品種が栽培されており、先に先日見たツルバラ3品種を紹介しました。ツルバラとい
うとアーチ状に添わせたバラを思いがちですが、いろいろな仕立て型があります。バラの仕立て方には、
アーチ、ポール、スタンダード、パーゴラ(藤棚状)、フェンス(垣根状)、スクリーン(垣根状だが、形
を作る)などがあります。庭園向きのポール仕立てのバラを先に紹介しました。 一般的な誘引にはツル性の
強い品種を用い、1月頃新芽の動き出す前に今年伸びだしてきたシュートを誘引し、3年以上の古い枝や細
い枝などを除きます。枝の先端30~50cmには、良い花は着かないので切除します。生育が良いと、6月頃
株元から生育の旺盛な赤味がかったベイサルシュートが伸びてきますから、これは摘心せずに来年の枝用に
誘引しておきます。
ポール仕立てではまずポールを立てて、ツルバラ(FLでもいける品種あり)を誘引します。ポールに沿わせ
て、好きなところで横に巻き上げながら、形を作ります。ここからは枝を水平にするほど、多くの花がつき
ます。 先日のツルバラはポール仕立てでしたが、ここでは水平に仕立てたスタンダード仕立てされた、多花
性のツルバラ3品種を紹介します。スタンダード仕立てでは、一般に挿し木された台木に芽接ぎをして、横
方向に伸ばさせます。
赤色のウルマー・ミュンスター、薄ピンク色の群星と黄色のヘンリー・フォンダです。
ウルマー・ミュンスター
一体いくらの花が咲いているのでしょう。数えるのも大変なくらいの花をつけたウルマー・ミュンスター
です。作出されたヨーロッパでは半つる性のシュラブ系統ですが、300cm以上も伸長するので、つるバ
ラのように扱い、仕立てることが多い品種です。
ウルマー・ミュンスター
少し近寄って花を大きくしてみましたが、なかなかきれいな花です。ウルマー・ミュンスターは、綺麗な
花弁で、花もちがよいバラです。咲き方は、四季咲き性に近く、シュートの先に数輪ずつ花をつけ晩秋まで
咲き続けます。
ウルマー・ミュンスターの花
1輪だけ示しましたが、やわらかそうな花弁ですが、しっかりした花弁で開花期間は長いようです。
群星
日本で育成された群星です。ロサ・ムルティフローラの自然実生によってうまれた品種なため、丈夫な品
種です。枝が細く、トゲも少なく扱いやすいのも魅力の一つです。桃色を帯びた白のポンポン咲きで、早咲
きです。
群星
満開の時は株が花でおおわれてしまうくらい、たくさんの花が咲き、まわりの白と中心部の桃色との対比
がとても綺麗な品種です。蕾の時は綺麗な形ですが、開いた後は花弁が多く八重状になってきます。
群星の花
花は開くと純白ですが蕾は先端に紅がさし、その対比がとても美しい品種です。蕾の時の形はとても綺麗
です。大きな房になって見事に咲き、枝にはトゲの無いのも扱いやすいです。1季咲きの品種です。
ヘンリー・フォンダ
フルーツ系の甘い良い香りがして、別名トロピカーナ。濃厚な黄色大輪系では初の品種です。 1960年に
バガテル金賞他たくさんの賞などを受賞しており、黄色系では、最高の色彩を持つ品種です。 1996年の作
出当時は切り花用品種として大変人気がありました。
ヘンリー・フォンダ
樹形は比較的コンパクトで鉢でも育てられます。早咲きでもあります。鮮やかな黄色の花弁がまぶしいく
らいです。暑さにも強い品種です。軽い香りがあり四季咲きで、剣弁高芯咲きで、花の直径は10cmくらい
あります。
ヘンリー・フォンダの花
花弁数も多くて、しっかりした花です。「荒野の決闘」や「十二人の怒れる男」などの映画で有名な、ア
メリカの俳優ヘンリー・フォンダ氏は、こんな黄色のバラが好きで育てていたそうです
- 少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
- 関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
| 固定リンク
「・園芸植物・園芸情報 Hort. Plants & Information」カテゴリの記事
- ・「いずれ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」の杜若を、上賀茂の大田神社の池で見てきました(2024.06.04)
- ・つれづれに家人アンナがベランダで咲いている花を使って、先日作ったフラワーアレンジ10種を紹介します(2024.05.24)
- ・あなたは何故あの可愛いいキンギョソウが「噛みつきドラゴン」と呼ばれるのか分かりますか?(2024.05.08)
- ・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(後編)(2024.04.09)
- ・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(前編)(2024.04.07)
コメント
プロフユキさん こんにちは。
京都府立植物園のバラ園のバラは皆立派な株で、仕立て方もそのバラが一番綺麗に見えるように
仕立てられていて、葉に黒点1つなく、花数も素晴らしいですね!
プロの目と手の行き届いたお世話がなされると、こうなのですね。
ウルマー・ミュンスターという品種は初めて知りましたが、とっても素敵です~♡
群星は愛らしくやさしい雰囲気で、心を和ませてくれますね。
バラを育て始めた当初は、好みの花色と花容だけで、育てる品種を選んでいましたが、
今では、好みの花色と花容プラス花もちの良さ、四季咲き性、耐病性などと、
ずいぶん条件が多くなってきました^^
かと思えば、一季咲きでもいい、年に一度この花を見ることができるのなら育てていたいと
思うものもあります。
ほんとに我がままですが、小さいながらも庭があって、好きな薔薇を育てることができて
とても幸せです♪
投稿: 亜麻 | 2019年6月 3日 (月) 11時18分
こんにちは 亜麻さん !
コメントを有難うございます。バラはいいですね、見に来ているどの人も幸せに満ちた顔でいます。
最近はカメラでなく、スケッチをする人が増えたように思います。(o^-^o)
京都植物園も限られた人員で、よく頑張って世話をしています。沢山のボランテイの人が管理作業を
手伝っていてくれるのも有難いです。最きっは殺伐としたニュースが多い分、余計にバラを愛でる
人が多いのにほっとします。(*^-゚)
最近なぜ園芸の仕事につかれたのですかと聞かれて、母の影響がおおきかったと答えましたが、
不思議なもので5人兄弟で私だけがこの道を選んでいます。亜麻さんが書かれているように、私も好きなバラの花を愛で、
育てていられる幸せを感じています。(*^-^)
イギリスでお世話になった先生の広いのお庭には、たくさんのバラが植わっていましたが、
ほとんど剪定も花殻摘みもしない自然そのままで育てておられ、驚いたことがあります。うらやましかったのは、
庭に突き出たダイニングルームから、お花を眺めながら食事をとれることでした。(^_^)
楽しみ方は人さまざまで、イギリスの貴族はロンドンの庭でバラを栽培していましたが、
それは離れた領地の小麦の収量を推定していたそうです。趣味と実益を兼ねていたんですね。(*^o^)
投稿: プロフユキ | 2019年6月 3日 (月) 14時26分