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2019年2月24日 (日)

・祇園甲部歌舞練場のギオンコーナーで開催された「おうち初め」を拝見してきました

祇園の甲部歌舞練場の建物を前回に紹介しました。普段あまり聞いたことのない邦楽で、「おうち初め」を拝見して中々興味深い体験をしました。高校の時に担任で古文の先生が鼓を習っておられたことは知っていましたが、高校生の時にはどうしてというだけで、不思議でした。でも熱心だったその先生は、その後京都の女子大の先生なられとかで、やはり熱心に自分の道を究めておられたのだと納得したことがありました。

今迄祇園で開かれたタキイ種苗の新年会 専門学校の同窓会などで、芸舞妓さんの踊りや三味線を拝見してはいましたが、鼓の演奏を聴くのは初めてで西洋音楽とは違った趣でなかなか良いものだと思いました。特に演奏する時の動作が、何か空手の型のようなものが見られ、凛とした緊迫感が感じられました。太鼓についてはまた、国際園芸学会が京都で開催されたときに、晩餐会が都ホテルで開催され、和太鼓の特別演奏が企画されていました。私たち日本人には良く見聞きした和太鼓の演奏でしたが、外国の研究者で特にドイツの人達の心を揺さぶり、特別に魅了されたようで大好評でした。

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おうち初め

 思っていたより豪華メンバーの「おうち初め」で、ほとんどの人がプロの人たちで、知人の息子さんだけが特別に参加が認められたような「おうち初め」でした。

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太鼓のおうち初め

 息子さんは意外と落ち着いて大人に交じり、ひとり太鼓を打ち、しっかり“掛け声”

もかけ、三味線の音に負けずに頑張っていました。曲目は、娘道明寺でした。

 

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舞妓さん 

次は舞妓さん3人による、小鼓の共演でした。小鼓(こつづみ)は表と裏の二枚の革の間に、中央がくびれた形に造られた胴(=鼓筒)を、調べ緒(しらべお)と呼ばれる麻紐で挟む形で組み上げています。左手で調べ緒に指を掛けて、右肩上に掲げ、右手で表革の打面を直接打ち上げます。柔軟な響きを持ち、自在に音色を変化させながら囃子を色彩感豊かに彩っています。

 

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鼓(つづみ)

 師匠の大鼓と小鼓です。右側が小鼓で、右肩上に掲げています。左側が大鼓で小鼓と異なり、左手で調べ緒を握り左膝上に載せた状態で、右手で表革をほぼ水平に打ち込ます。外観は小鼓よりもひとまわり大きく、突き抜けるような甲高い打音が特徴のようです。大皮(おおかわ)とも言い、表と裏の二枚の革の間に、中央がくびれた形に造られた胴(=鼓筒)を、調べ緒(しらべお)と呼ばれる麻で組み上げられている点は小鼓と同じです。ただし、小鼓の調べ緒は比較的緩く締められているのに対して、大鼓の調べ緒は極限まで締め上げられています。曲の途中でも、何度か調べ緒を締めていました。

 

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太鼓と鼓

 舞妓さんが小鼓を、また太鼓を演奏しています。太鼓は音の大小強弱関わらず、軽やかで柔らかみを帯びている打音が特徴です。中央に緩やかな膨らみを持つ木製の胴を二枚の革で挟み、調べ緒(麻紐)で締め上げて、組み上げています。専用の台に掛けて床に据え、二本の撥(ばち)で打ちます。

 

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舞妓とお姉さん

 舞妓さんともう一人は、舞妓が終わり芸妓になったお姉さんのようです。舞妓さんの打つ小鼓の音は柔らかいなあと思っていましたが、そうではなく打ち方が違っていたようです。打音の種類は、小さく打つ「ツ」の音と、大きく打つ「チョン」音の二種類のようで、打ち込まれてくる要所により、じつに豊かな表情をみせてくれます。

 

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小鼓、大鼓と太鼓 

唄方に男性が加わりました。指揮者もいないのに阿吽の呼吸で、鼓と太鼓、それに三味線と唄が一糸乱れず揃っていました。大鼓は、言わばコンサートマスター的な役割を果たしているようです。指揮者のいない囃子が一糸乱れぬ拍子を刻むには、奇数拍を担う大鼓の掛け声や打ち込みがリードしていかなければならないようです。大鼓方にとって、打ち込みの音以上に掛け声が重要な要素となっています。ただ、曲によっては、リーダーは他の楽器に変わることもあるようです。

 

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鼓の指皮

 大鼓の音は硬くて高い音なのですが、ひときわ高く金属的な音がするのでよく見ると、指に指皮というサックをはめているようです。鼓を打つ人の指は棒のように硬いそうですが、この指皮で一層高い音を出しているようです。

 

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太鼓2種類

 太鼓にもう一つ種類が加わりました。なかなか多様な音が混じってきます。唄方のお姉さんも綺麗で、よく通る声でした。

 

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フルメンバー

 これだけ揃った多種の楽器の唄、囃子が揃うのは、さすがはプロならではの演奏と感心しました。特に動作が綺麗で太鼓の打つ動作も、型が何種類かあるようで綺麗でした。

 

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横笛

 横笛は最初から最後まで出っぱなしで、それでも背筋を伸ばし2種類の横笛を取り替えながら吹いていましたが、吹かない時には手は袴の中に入れる動作も際立っていました。

 

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三味線と鼓

 この三味線の方もほとんど出っぱなしでしたが、背筋を伸ばしながら三味線を弾き、その合間に調律も手早くしているのには感心しました。小鼓の方も時おり調べ緒を締め直したり、息をかけるなどして適度な湿気を含ませながら打っていました。

 

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芸妓衆 

 曲目も大部進んできましたが、芸妓さんたちの大鼓、小鼓、太鼓に、三味線、唄が入り一段と盛り上がってきました。客席には置屋のお母さんや芸者衆も来ておられ、若い舞妓さんの見習いと思しき娘さん達も、幕の合間合間に丁寧にあいさつに回っていました。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 京の街角 に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 京の街角 にもありますので、ご覧ください。 

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