・年の暮れに鷹峯のスグキ農家から、今年も美味しいスグキを頂きました
年の暮れには鷹峯のスグキ農家から、美味しいスグキ(酸茎)を今年も頂きました。京野菜の中でも特に全国的に売れている、京漬物の代表の一つです。在職時には時折新聞社の記者が取材に訪れることがありましたが、文系の記者が多いためかスグキそのものが分からない野菜の一つであったようです。アブラナ科野菜ですがカブの仲間で、肥った根と葉を食べます。今では数少ない本格的な乳酸発酵漬物で、さっぱりした酸味が特徴です。「シバ漬」、「千枚漬け」と合わせて京都の三大漬物とも呼ばれます。
原料のスグキは安土桃山時代に、京都市北区の上賀茂神社の社家が宮中から貰い受けた種子を、頂いた特定の農家が栽培したのが発祥とされています。古くから上賀茂地域に限って栽培され、ここで生育されたものだけが「すぐき」と名が付けられています。スグキのタネまきは8月末に行われ、11月下旬ごろから12月初旬に収穫されます。冬にスグキを収穫し、塩水による荒漬け(1晩)、塩をまぶした本漬け(約7日間)を経て、室の中で約8日間発酵をさせるとできます。スグキの根と葉を利用して作るスグキ漬は塩だけしか使わず、天然の乳酸菌で発酵させます。いわゆる善玉菌である乳酸菌と食物繊維が豊富に含まれることから、整腸作用があるとされています。とくにスグキ漬には乳酸菌の一種である通称“ラブレ菌”が含まれ、ガンやウイルス感染を防ぐインターフェロンの増殖作用のあることが分かっています。
ここには頂いたスグキと、京の上賀茂すぐき俱楽部のしおりから、その製法を紹介します。
スグキのしおり
スグキ
頂いた立派なすぐきです。古くなったスグキでは酸味が増し酸っぱくなりますが、新鮮なすぐきでは爽やかな酸味がいただけます。
スグキ
その一つだけを示しましたが、あめ色のスグキのこの色が新鮮さの証拠です。
スグキ
プラスチックの包装紙を取りましたが、色もこの方が分かりやすいようです。
スグキ
切ってお皿に載せたスグキですが、チラシの写真では鮮度がやや進んでいるようです。
スグキの収獲
スグキの漬物の製法をしおりから紹介します。12月初旬の収穫風景です。
スグキの面取り
カブの皮を手早く包丁で剥ぎ取ります。
スグキの荒漬け
塩加減は製造農家により異なり、当然味に影響してきます。
スグキの本漬(天秤押し)
その後の重石(おもし)をかけるのが独特の方法で、天秤(てんびん)棒の端に重石を吊るします。
スグキの室(むろ)と完成
40℃の室で乳酸発酵させますが、この室にある天然の乳酸菌を使用します。そのためすぐき漬は上賀茂地域でだけ、作るのが限られるのかもしれません。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 京野菜・伝統野菜の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 京野菜 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんにちは。
今年もいよいよ残り少なくなりましたね。
拙いブログやホームページ(休眠状態)へ
ご訪問頂きありがとうございました。
先生からは色々な情報をありがとうございました。
すぐき大好きでございます!
なんとも言えない酸っぱさ?ご飯も進みますね。
以前、大阪ご出身の方がよく京都へ
行かれ「村上重本店」のお漬物をお土産に頂いておりました。
残念ながらその方は数年前にご他界されて・・・。
私も以前、妹が草津へ転勤になりました折、
末妹と宿代わりにして京都へ出かけたものです。
その際、必ず京都のお漬物をお土産に購入しましたよ。
もう出かけられない身となり、懐かしく思い出しております。
どうぞご一家さまでよいお年をお迎えくださいませ。
ご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、
来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿: マコママ | 2018年12月30日 (日) 14時38分
今晩は マコママさん !
いつもブログを見て、またコメントを頂き有難うございます。(゚ー゚)
村上重本店はは四条河原町の横にあり、漬物の老舗です。味のうるさい人は
そちらに買いに行きますね。(*^o^)
すぐきも若い内にはその味が分からず酸っぱいだけですが、その内に無くては
ならなくなりますね。
いつもご主人のお世話や病院の検診、カナダのお客さんの世話など忙しいのに、
よくブログを書かれるのに驚いています。
でも検診していれば悪いとこはすぐに分かりますし、日進月歩で医療も薬も進歩して
いますから、人生100年時代もまんざら夢ではないかもしれませんね。(*^-゚)
旧年中はいろいろお世話になりましたが、来年もよろしくお願いします。くる年が
良い年でありますよう、お祈りしています。(o^-^o)
投稿: プロフユキ | 2018年12月30日 (日) 22時18分