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2018年11月 6日 (火)

・芸術の秋になり、きぬかけの路にある堂本印象美術館で印象の作品を鑑賞してきました

金閣寺から立命館大学の横を通り、竜安寺、仁和寺につながるきぬかけの路も気持ちの良い散歩道です。横を車が走るのが少し邪魔ですが、鳥が鳴き季節の花が咲く良い路です。立命館大学の北側に堂本印象の元の邸宅があり、その横に人目を引く外観の堂本印象美術館があります。丁度堂本印象展と共に、同じく京都の画家・徳岡神泉展が開催されており、家人と出かけました。

堂本印象は絵画の巨匠で、多彩な才能を示し、晩年75歳になってこの地にすべて自身のデザインによる美術館を設立し、1966年に開館しました。この美術館を建てるにあたり195261歳の時にヨーロッパで見学した宮殿や、邸宅を用いた美術館を参考に、独自の美の可能性を追求しています。彫刻、陶芸、ガラス、金工、染色など日本画の域を越え、様々な創造にも挑戦した美術館は印象作品の集大成の一つであると、ガイドマップには記されています。

1991(平成3)年8月に所蔵作品と共に京都府に寄贈され、翌年4月に京都府立堂本印象美術館として開館し、昨年から今年2月にかけて大規模なリノベーション工事がされて綺麗によみがえって現在に至っています。

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堂本印象美術館

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堂本印象美術館外壁

 壁面全体に彫刻が施され、また石をはめ込んで巨大なオブジェが表現されています。

 

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堂本印象美術館外壁の一部

 2階部の壁面には林のような彫刻が白と金色に塗られ、その中央には人物の顔があります。

 

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堂本印象美術館外壁の一部

 1階部の壁面には壁に石をはめ込んで巨大な植物が作られ、葉だけでなく花も咲いているようです。

 

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堂本印象美術館館内

印象は明治24年京都生れで、京都市立美術工芸学校を卒業後は西陣織の図案書きに従事していました。その後日本画家を志して京都市立絵画専門学校に入学し、やがて帝国美術院賞を受賞し、38歳の時に木華開耶媛(このはなさくやひめ)を発表すなどするなど一躍画壇の花形となりました。昭和初期から京都画壇の中心的な役割を果たし、仁和寺や東福寺、東寺など有名寺院の障壁画を描く機会を得て、宗教画家として一層大きく華開きました。

 

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堂本印象美術館館内2

印象は戦後の約10年、画風が特に大きく変化しています。次第に伝統的な日本画特有の線から、色面主体のものへと変化し、形態のデフォルメなど洋画的な表現が採られるようになりました。61歳の時、日本画家として戦後初めての渡欧をし、約半年をかけてパリを中心にイタリア、スペイン、西ドイツ及びスイスを周って取材し、その成果は帰国後の制作に積極的に活用されています。64歳頃から幾何学な構成によって表された抽象画を描いています。これを機に、昭和30年代には、画風は抽象表現へと移行し、ついには墨の動きと色彩を混合させた躍動的な抽象作品を描くことになります。西洋的なものの本質を印象は取り込み、それを再び日本画に表現した作品活動をしています。

 

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木華開耶媛1929

この絵は私も好きな絵の一つで、春満開の桜の木の下に座る美しい女神の姿という、日本人の心の琴線に触れる要素を完備した素晴らしい作品です。

 

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栄光の聖母マリア(大阪カテドラル聖マリア大聖堂

信仰心の強い印象は、仏教のみに捉われるのではなく、キリスト教をテーマにした作品も多く描くようになりました。そこには、西欧の芸術で無数に取り上げられてきたテーマを研究しながら、日本画で表してみようとする強い意欲が感じられます。

この栄光の聖母マリアは、先に高山右近と細川ガラシャの足跡で紹介しましたカトリック玉造教会の大聖堂(大阪カテドラル聖マリア大聖堂)にあります。

 

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栄光のマリア1962大阪カテドラル聖マリア大聖堂

これは上の栄光の聖母マリアの壁画から、聖母マリア像を抜き出した絵葉書から取りました。後の2枚の絵もそうです。

 

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細川ガラシャ1962大阪カテドラル聖マリア大聖堂

巨大な聖母マリアがキリストを抱き、その足元に細川ガラシャと高山右近が小さく描かれています。この場所玉造は戦国大名細川忠興の屋敷跡で、ガラシャは石田三成の人質になることを拒否して自刃します。いまもその辞世の句散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ 」の碑が残っています。

 

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高山右近1962大阪カテドラル聖マリア大聖堂

 この教会には大阪のキリシタン大名であった高山右近の碑もあり、この絵が描かれているのでしょう。徳川家康によるキリシタン国外追放令を受けて、右近はフィリピンのマニラに移り、最期を迎えます。右近は地位を捨てて信仰を貫いた殉教者であるとして、ローマ法王により、2016年(平成28年)にその徳と聖性を認められた信者に与えられる「福者」に認定されています。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 京の街角  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 京の街角 にもありますので、ご覧ください。 

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コメント

こんにちは。
 素晴らしい美術館ですね!
外壁もそして内部も。

「木華開耶媛」は以前、TVで拝見したような?
柔らかい色使いに心が洗われますね。
素晴らしいです!

投稿: マコママ | 2018年11月 6日 (火) 12時27分

こんにちは マコママさん!

京都は高齢者に優しい街で、この美術館も無料で鑑賞できます。ここへ来るバスも
地下鉄も優待パスがあればフリーですので、気軽に何度でもこれます。(*^-゚)

障壁画家として名を挙げ、其の後抽象画などもこなし、それをまた最後には日本画に
それらを取り込んだ天才画家です。(*^o^)

「木華開耶媛」は日本人には神話の世界でありながら、懐かしい女神か天女のような
穏やかな表情で、誰で、も魅かれますね。(⌒-⌒)

投稿: プロフユキ | 2018年11月 6日 (火) 23時23分

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