・京町屋の嶋臺(しまだい)ギャラリーで第29回如山会の能面展が開催されました
能面師・梅原如山並びに会員一同による第29回如山会能面展が嶋臺(しまだい)ギャラリーで開催されました。前回の平成30年 5月23~31日の北野天満宮で開催された 如山会
刀遊会員能面展 - 能の華 天神さんに集う –には行けなかったので、今回は会場に出かけました。京都では多くの人が鼓や謡いを習ったりしていて、聞いて驚くことがあります。今回もマンションのお隣さんとばったり会場で会い、彼女の作品も見せて頂きました。今回の能面師の梅原さんも能面打ちの趣味がこうじて、本業の仕事を止め面を打ち能面師になられたと聞いています。
今回の会場は創業400年の国の登録文化財で、伝統的町屋空間で嶋臺ギャラリーとしても使われています。能のことはよく知らないので、Wikipediaや如山会のホームページを見て概略が分かりましたので、それを参考にして以下に説明します。能面は、能楽や一部の神楽で用いられる仮面で、伎楽面や舞楽の仮面などの影響を受けているようです。能を演じる役籍には、シテ、ワキ方、囃子方(笛方、小鼓方、大鼓方、太鼓方)、狂言方があり、それぞれに幾つかの流派があるようです。小鼓と大鼓は手で叩き、太鼓はバチで叩きます。また顔に面(おもて)を掛けるのはシテだけで、他の人は面を付けません。
第29回能面展チラシ
嶋臺・登録有形文化財/文化庁
嶋臺入り口には、文化庁による登録有形文化財の標識が付けられています。
嶋臺入口
嶋臺は慶長 13 年(1608年)にこの地にて糸割符商として創業し、江戸中期からは銘酒「嶋臺」を扱う酒問屋も兼業し、繁栄を続けました。江戸時代,幕府から特許を得て糸割符を持った商人によって組織され、中国産生糸の一括輸入機構で価格を決め、販売をしていた。現存の建物は、明治 16 年(1883年)建築で、かっては東は東洞院通、西は車屋町通に及ぶ大規模なものであり、伝統的町家建築の頂点にたつものとされています。
嶋臺内部
内部も広い数間の部屋が坪庭を取り囲んでおり、お弟子さんたちの能面がゆったりと展示されていました。
能面小面(こおもて)
能面には翁(おきな)、尉(じょう)、鬼神、男、女の5種類がり、それぞれにさらに何種類かがあります。女面、少年面、青年面は一部を除いて何れも白塗りの厚化粧、引眉で、お歯黒を付けており、これらは何れも能が成立した時代の習慣を残しています。
小面は華やかさの中に年若い女性の、初々しさを表した面とされています。
能面製作1
会場に入ってすぐの所に、面を打つ工程が実物と写真で示されていました。写真撮影は禁止されていましたが、係の人の許可を得て撮影しました。能面は木(檜ひのきが多い)を彫り、彩色して製作するが、この工程を「面を打つ」といいます。右端が選別・乾燥された材料で、こんな厚さがあるのを彫ります。左二つが粗(あら)彫りです。
能面製作2
中央のものがほぼ粗彫りの終わった段階で、次いで内彫、地の仕上げ工程が続きます。
若女(わかおんな)
丁度如山氏の奥様が来られたので、説明を聞きながら写真を撮らせて貰いました。これは如山作の若女です。若女は先程の小面よりやや年上で、端麗な美女とされています。
顰(しかみ)
これも如山作の顰です。顰は化生(けしょう)のものが凶悪な害意をむき出しにした憤怒の形相をしています。化生とは化け物、へんげ、妖怪のことです。
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でそちらもご覧下さい。
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コメント
プロフユキ先生
こんばんは。
伝統に息づいている京都ならではの「能面展」で
ございますね。
一度もお能は鑑賞してことがありませんので、
さっぱりですが、先生のご説明で能面の持つ
意味を教えて頂きました。
ありがとうございまさした。
投稿: マコママ | 2018年11月19日 (月) 20時21分
こんにちは マコママさん!
京都の商家の主人などは教養として、謡曲や謡いなどを学んでいたようですが、
今はそれが一般の人にも残っているのを感じました。(^_^)
金閣寺界隈のお寺などでも、何かの集まりがある際には狂言師が来て狂言を演じたり
することがよくあります。(*^o^)
日本には世界的に見ても古いものが残っており、それが今の生活と共存しているのが
驚きですね。(*^-゚)
狂言は見ていても面白いですが、お能は歌舞伎などに較べても何が面白いのかと
思いますが? (ノ_・。)
投稿: プロフユキ | 2018年11月19日 (月) 22時54分