・先日ウイングス京都での大菅誠司氏による「樂・遊書畫展」に家人と行ってきました
大学で同じ研究室の同窓だった大菅さんから、初の個展の案内状が届きました。彼の初の個人書畫展開催とのことで家人と行き、作品を拝見してきました。学部生の頃から大学の書道部で活躍されていて、最近でも毎年書道部の作品展の案内を頂いていました。彼の書道とのかかわりは、小学生の頃お母さんに勧められて習い始めたとのことで長い付き合いのようでした。
樂・遊書畫展とタイトルがついているように、どの作品も素晴らしくて独特の書体とユーモアのあふれる畫が添えられていました。また特に良かったと思ったのは作品紹介の一言が添えられていたことで、それで一層内容がよく理解されました。
題材は中国の古典だけでなく、童謡からもその歌詞が採用されていたり、授業中の生徒が騒がしいので書いた「喝」の書など、彼らしいユーモアが感じられました。作品は合計で72作品が出品され、作成時期も1970年~2018年に渡っていました。その内から11作品を紹介します。
樂・遊書畫展
個展の案内状です。
樂
樂は象形文字で、木に鈴をつけた、祭礼用の楽器の象形(白川先生の説明)で、意義は音曲、かなでる。たのしい、たのしむなどの意味があります。
出典は、孟子の「梁恵王(りょうのけいおう)・・・衆と楽しみを分かつ」から
この書には落款が3個押されています。右肩のは関防印で書の初めを示し、作品の締りを良くしています。書の左下に2個の印が押され、上が名前を彫った白文印で、下が雅号を彫った朱文印です。
昨日雨今日晴
日常の喜怒哀楽を、石仏のそれぞれが表しているのでしょうか?
府立桂高校
再任用で勤務されている京都府立桂高校の、生徒さんが農産物を売りに行く際に着用する上っ張りの背中の文字も彼の作品です。桂高校には毎年秋に、卒業生などの収獲した京野菜などの農産物品評会 の審査に行っています。
美味為長寿
自分の好きなものを食べていれば長寿できるのかな?
竹取物語
昔話の竹取物語が書かれ、かぐや姫の入っている竹が金色に輝いています。掛け軸の本紙の上と下にある同じ幅の裂地(きれじ)は掛け軸の重要部位であり、上が上一文字、下が下一文字です。これは縦長の軸の堅物(かたもの)ですが、横長の横物であれば、一文字も長くなり一層高価になるようです。
無病(六瓢)息災
無病に六瓢をかけています。瓢箪(ヒョウタン)は古来より縁起の良いものとされ、三つ揃えば三拍(瓢)子揃って縁起がよい。 六つ揃えば無病(六瓢)息災といい、六瓢の掛け軸を飾ったら難病で苦しんでいた人が不思議にも健康になったともいわれています。瓢箪から駒が出るということわざがあるように、六瓢は六つの吉運を呼ぶ神秘の開運霊力があると言っている人もいます。
寝る間が極楽
字も寝ている下側に書いて、意図的に上を空けているようです。
童子教
童子教(どうじきょう)は、鎌倉時代から明治の中頃まで使われた日本の初等教育用の教訓書。父の恩は山より高し。須弥山尚(なを)下(ひく)し。母の徳は海よりも深く滄溟(そうめい)の海還(かへ)つて浅し。滄溟の海とは青々とした広い海の事。
上に高い山、下に海の波が描かれています。
金石書画延年益寿
石碑やそれ以外などに記された碑文・銘文は、長く保たれます。
無尽蔵
無尽蔵は、本来、無限の功徳を有することを、尽きることのない財宝を納める蔵に喩えた仏教用語でした。それとは別に、飢饉の貧民救済にあてたり、しのぎの資金を提供するために金銭を蓄えた寺の金融機関が生まれ、利息を得て寺の伽藍の修復資金にも使われました。喩えとしていた蔵が現実のものとなり、その金融機関を「無尽蔵」と呼ぶようになりました。そこから、「無尽蔵」の語は一般にも広まり、いくら取っても無くならないことを表すようになりました。
照顧脚下
私は脚下照顧で覚えていましたが、照顧脚下ともいうようです。禅宗の寺の入り口などに良く書かれています。自分の足元をよくよく見よという意実です。もともと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語です。 転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきことを指します。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの その他の写真 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 随 想 にもありますので、ご覧ください。
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