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2018年9月29日 (土)

・朝早くべランダではブルーのツユクサの花が毎日咲いています

頂いたツバキの鉢から何時の頃からか、たくさんの茎が伸びていました。先日の朝見ると、きれいなブルーの花が鮮やかです。ムラサキツユクサだろうと思っていましたがよく見ると、上2枚の花弁はブルーですが、下の花弁1枚は白色です。ムラサキツユクサではなく、ツユクサでした。どちらも以前は道端などでよく見かけた花ですが、最近ではほとんどの通りも舗装されてしまい、あまり見かけることも無くなっていました。

ツユクサ(露草)は、ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物です。学名は Commelina communis で、英名はasiatic dayflowerです自生地は日本全土を含む東アジアで、アメリカ東北部などにも帰化しています。朝露の頃から咲き始め、昼頃には閉じてしまう花なので露草と呼ばれ、はかない花の象徴として日本人好みの花のひとつです。ブルーの花弁はアントシアニン系化合物の青色素であるコンメリニンを含み、服などに着いても容易に退色して後に残りません。この性質を利用して、染め物の下絵を描くための絵具としてかっては用いられました。しかしツユクサの花は小さいため、大型のオオボウシバナ(アオバナ)が一般には用いられました。

ツユクサの花を見ていると黄色の雄しべが6本あるようでしたが、その形と色が変わっているので、観察してみました。またなかなか咲かないと思っていた茎に着く苞葉を開いて見ると、咲いた痕跡が残っていて夜更かしの私がツユクサを見る時間帯が遅すぎたようでした。

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ツユクサの花

 奥のベランダに置いたツバキ2鉢からたくさんの枝が伸びていましたので、ポット受けをして根付かせて、何鉢かに増やしました。

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ツユクサ

 ポット受けしてできた、その内の1鉢から咲いてきたツユクサの花です。上と下に見えます。畑の周りや道路わきでよく見かけることの多い雑草です。草丈は1550cmくらいで直立しますが、よく地面を這って発根して広がっていきます。

 

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ツユクサの花

 上に伸びた花です。6 - 9月にかけて1.5 - 2cmほどのブルーの花をつけます。ガク片と花弁はそれぞれ3枚あり、上部の2枚の花弁は青くて大きいですが、下部の1枚は無色~白色です。萼片3枚は同じ形で、すべて無色~白色です。

 

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ツユクサ

 奥のベランダから良く咲いた枝を切ってきて、コップに挿して観察しました。葉の緑色、それにブルーの花弁、黄色い葯と白い花糸からなるおしべの色が加わり、中々きれいに見えます。

 

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ツユクサの花と茎葉

花を少し大きくしてみました。中々すべてにピントを合わすのは難しいようです。それでも雄しべに違いがあるのが分かります。

 

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ツユクサの花の花器(拡大)

 上の2枚の花弁はブルーで大きいですが、下部の1枚は無色~白色で、その下の3枚のガク片も同じ形で無色~白色で区別しにくいようです。雌しべが1本で、6本の雄しべがそれを取り囲んでいます。 変わっているのは6本の雄しべで、3種類に分かれるようです。ブルーの花弁の下にある短い雄しべ3本は花粉がない仮雄しべです。その下の1本には少し花粉がある雄しべで、あと2本の雌しべは共に花弁より外に長く突き出て受粉に役立つ雄しべです。この2本の長いおしべの間に、雌しべがあります。

 

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ツユクサの花の花器(拡大)

 午後に観察していたのですが、見ているうちに長い2本の雄しべは巻きかけてきて、さらに雌しべに巻き付いて行くようでした。授粉を確実にしているようです。

 

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ツユクサの花の花器(拡大)

 この花でさらに2本おおしべとめしべは互いに絡み合って、もうどれがどれか分からなくなっています。自家受粉に加えて他家受粉もするようです。

 

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ツユクサの茎葉

 花が見えないツユクサの茎もよく見ると、その節にある苞葉の中から花弁が少しだけ先を出しています。アサガオなどと同様に、早朝に花が咲いて午後にはしぼみ、苞葉に包まれてしまいます。そのため花が見えにくくなっています。

 

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ツユクサ(苞葉に包まれた花)

  苞葉を開いて見るとまず退化した末端花序が見え、これに着く2枚の苞葉が広がって退化した花序を包んでいます。退化した花序と苞葉の間(葉腋)から、側生の花序が23個の花を着けます。写真では第1花とそれに続く2個の蕾が見えます。

 

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ツユクサ(苞葉に包まれた花と果実)

 もう少し発達した花のこの写真では、第1花は咲き終わって果実を着け、第2花も咲き終わり、3番目の蕾が形成されています。

 

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ツユクサ(苞葉に包まれた花と果実)

 この花では、第1花は果実になり、第2花も果実をつけて、共に大きく肥大してきています。これら二つの果実の肥大に養分を取られたためか、次の蕾は落花してしまったようです。ツユクサは見えない所で、せっせとタネつくりに励んでいるようです。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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