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2018年7月10日 (火)

・平野神社境内にある樹齢約400~500年の神木のクスノキの力強さに魅せられます

サクラの季節以外にも折に触れ、平野神社はいろいろの樹木や草花が生えていて、くつろげる神社です。先に遷都と共に奈良から移って来た桜の名所・平野神社 を紹介していますが、平野神社は奈良の平城京宮中に祭られており、御所や都の災いを鎮めるお守りをしていました。794桓武天皇平安遷都に伴いこの地に鎮座してきた神社ですが、神社ごと京都に移ってきたのは、数ある神社の中でもここ平野神社だけです。最近修復された大鳥居の社号額には「平野皇大神」(ひらのすめおおかみ)とありますが、それは旧官幣大社であったことから「平野大社」とあったのを、伊勢皇大神などと同様(平野皇大神.平野皇大御神)に尊称されていたため、由緒ある神号「平野皇大神」に改められました。

平野神社の南側の神門をくぐってすぐ左手に、磁鉄鉱が川で流される際に自然に角が取れ丸みを帯びた日本最大の餅鉄(べいてつ)が陳列されています。重さ200kgあり純度も非常に高く、この餅鉄をなでると気力を授かるということで、参拝者は皆なぜています。餅鉄のすぐそばに神木である、巨大なの大木がそびえています.樹齢400500、周囲6.68m、高さ約25mあり、祈りをこめて楠の周囲を巡ると、やはり運気が授かるとされています。参拝の折にはいつもこのクスノキのたくましい枝の生育振りに見とれています。

 

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 クスノキの力強い枝の生育振りです。

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餅鉄(ベイてつ)

 重さ200kgの日本最大の餅鉄(べいてつ)です。寄贈されたものかいつしかこの餅鉄が、クスノキの前に置かれるようになりました。磁力のあることを実感できるよう、鉄片がひもで結ばれて餅鉄に吸着されています。

 

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楠の主茎

 毎年新しい枝を、四方八方に今も力強く伸ばしています。

 クスノキ(樟、楠、Cinnamomum camphora)とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木です。台湾、中国、ベトナムといった暖地に生息し、それらの地域から日本に進出してきました。全体に特異な芳香を持つことから、「臭し(くすし)」が「クス」の語源となったとされますが、「薬(樟脳)の木」が語源とする説もあります。

 

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楠の主茎

主茎の先端近くをもう少し近寄って見ました。別に剪定をしているとも思えませんが、四方に力強く枝を伸ばしており、大地にどっしりと根を下ろしています。

西日本など冬季の寒さがそれほど厳しくない地帯ではシイ、クスノキやカシなどの照葉樹林帯が古代には広がっていたとされています。それらの多くはスギ、ヒノキやマツなどの人工林に取って代わられていますが、現在でもそれらは寺社地などに残っています。

 

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楠の主茎

 先端部にはしっかりと葉をつけています。

人の手の入らない森林では見かけることが少なく、人里近くに多いようです。とくに神社林ではしばしば大木が見られ、ご神木として人々の信仰の対象とさています。クスノキの葉は厚く、葉をたくさんつけるため、交通騒音低減のために街路樹として近年活用されることも増えています。

 

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楠の主茎

 ちょっと下の方から茎の先端部を見上げてみますと、一層その力強さ、たくましさが感じられます。重ならないよう立体的に、うまく隙間を作らないように枝を配置しています。

幹周囲10m以上の巨樹になる個体も珍しくなく、一木でこんもりとした樹形をなしています。木肌は綿密で、耐湿・耐久性に優れています。葉はつやがあり、革質で、先の尖った楕円形で長さ5-10cmあります。

 

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楠の主茎

 主茎の先端部は雷にでもやられたのか、何本かの枝が代わりにそこから伸びています。このあたりは昔から落雷が多く、北野天満宮でも近くのワラ神社でも、落雷に当たった神木が残っています。

5月~6月にかけて、白く淡い黄緑色の小さな花が咲きます。その後10月~11月にかけて、直径7-8mm程度の青緑色で球形の果実が紫黒色に熟します。鳥が食べて種子散布してあちこちに広がります。

 

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楠の枝

 

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楠の枝

左右に横に伸びた枝です。がっしりとした枝組が伸びています。長く伸びた枝はかなりの重さになるはずですが、それらの重さを十分に支えるよう基部の枝はそれを支える構造になっています。

各部全体から樟脳の香りがします。クスノキの枝葉を蒸留して得られる無色透明の固体が樟脳で、かっては防虫剤や医薬品等にまたセルロイドの可塑剤に重宝されました。

 

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楠の株元

株元には根を痛めることなく参詣者が幹の周りを廻れるように、足場が作られています。何時の頃か、おみくじと丸い絵馬がかけられるようになっています。

照葉樹林の特徴として、スギ林等の針葉樹林よりも酸性雨に強い特性があり、林内の湿度が高く、落葉期が集中しないため山火事に耐性があるなどの利点があります。また、針葉樹などと比べ比較的根が深いため、水源涵養林として適性が高いなどの利点をあげることができます。丁度今回の西日本を襲った集中豪雨には山林部の土砂崩れが被害を大きくしていますが、もっと照葉樹林帯が広がっていればと思わずにはいられません。

 

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樟の根

 株元を見ると赤矢印で示しましたように、太い根が四方に伸びている様子が分かります。普通枝の伸びているあたりまで、地中では根が伸びているもので、そのあたりはなるべく根を傷めないように歩き回らない方が良いのです。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 果実と樹木の紹介 に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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