・平野神社ではハコネウツギが白からピンク、赤へと色を変えカラフルに模様替えをしていました
平野神社の桜園に、秋にはスイフヨウが多彩な色に変化して、訪れる参拝者の目を楽しませてくれます。一方春にサクラが終わった後はイチハツやジャーマンアイリスが咲き 、境内ではシャクナゲが咲きだします。その頃、桜園の一部でハコネウツギが咲きだし、スイフヨウと同様に白い花が、ピンク、赤色と色を変え、参拝者の目を引きつけています。
ハコネウツギ(箱根空木)とはスイカズラ科タニウツギ属の落葉低木です。学名はWeigela coraeensis(シノニムはW. amabilis)。別名にはベニウツギ、ゲンペイウツギなどがあります。日本各地の海岸近くに自生する落葉低木ですが、綺麗な花が咲くので庭園樹としてもよく植栽されています。花期は5〜6月頃で、漏斗状の花を咲かせ白い花が次第に赤へと変化します。名前に箱根が付きますが、箱根にはわずかしか自生していないようです。
卯の花の別名で知られているウツギはユキノシタ科の植物で、スイカズラ科のハコネウツギとは別の種類です。ウツギも、ハコネウツギの傍で咲いています。同じウツギの名がつくのは、枝の髄(ずい)の部分が中空になるため、この名前が付いたのでしょう。また同じスイカズラ科の近縁種に、ピンク色の花を咲かせるタニウツギ(Weigela hortensis)、白い花を咲かせるシロバナタニウツギ〔f.
albiflora〕があります。 また、濃い紅ピンク色の花を付けるオオバニウツギ〔W. florida〕などの近縁種も庭木に使われます。
ハコネウツギ
ハコネウツギ
このように一本の木に白と赤の花が咲くので、ゲンペイウツギという別名もあります。それは源氏と平家は赤と白の旗を掲げて戦ったことに由来します。
ハコネウツギ
少し近寄りましたが、色の違いは一層鮮やかになります。
ハコネウツギ
咲き始めの花は白色をしており、その後ピンク色に変わり、最後には濃い赤色に変化します。人間を喜ばせるために、色を変えてくれるのでしょうか。そうではなくて、花粉を運んでくれる昆虫たちに、美味しい蜜のある花が成熟したよと教えているメッセージなのでしょう。
ハコネウツギ
色とりどりで、ピンクでもいろんな色合いがあり、赤でも最後には濃い赤色に変わっていくようです。
ハコネウツギ
4~5月頃、新しい葉の脇から伸び出ている柄の先に、たくさんのロート形の花が新梢の葉腋に2~8個付き、5~6月に咲きます。花径は3~4㎝で、外側は紅紫色で内側は白色をしています。花冠は長さ3~3㎝の鐘状漏斗型で、花筒部は中央から急に太くなります。
ハコネウツギ
花には、筒先が深く5裂して細くとがっている緑色のがく片と、筒先が5裂して開いている花弁があり、おしべは5本でめしべ1本があります。
ピンク色のハコネウツギ
拡大して見ると、5本の雄しべと、丸くて厚い雌しべの柱頭がよく観察されます。
枝では、両端が細くて広い楕円形の厚い葉が対生しています。葉の表面はつやがあり、葉の縁には小さなギザギザの鋸歯(きょし)があります。葉長は8~15㎝くらいで、葉先が急に伸びてとがっています。
ピンクから赤色のハコネウツギ(拡大)
ピンクから濃い赤色の花です。雄しべは花弁に癒着しているように見えます。
赤色と白色のハコネウツギ
左に白花2輪、右に濃い赤色の花があります。赤色の花は、花弁の先端から老化が始まっています。
ピンク色と白色のハコネウツギ
先程の花を少し下から、見上げてみました。花の中がよく見えます。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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