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2018年5月28日 (月)

・平野神社のサクラとエノキ(榎)の木に奇妙で面白い形の虫こぶ(虫嬰ちゅうえい)がついていました

いつもの散歩コースで平野神社の前まで来ると、先に紹介しましたキリの花が今年も咲いいました。少し行くとザクラの木があり花は終わって葉だけでしたが、葉に何かこぶのようなものがついていました。近くの枝の葉にもやはり同じようなこぶつき、黄緑色や白あるいは茶褐色のものもありました。虫が卵を産み付けてできた虫こぶらしく、中を割ってみると卵のようなものが入っていました。多分サクラフシアブラムシによるもので、サクラの木に寄生し、葉の細胞がその刺激を受け異常肥大して奇形になって虫こぶを作り、中に卵を産み付けています。

 さらに東側から境内に入ろうと鳥居まで来ると、その手前に1本の大きなエノキの木があります。その葉にも普段気の付かなかった小さなトックリ状のこぶが、たくさんついていました。これもやはり虫こぶと思われ、ユーモラスな形でしたので紹介します。

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虫こぶ

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サクラハトサカフシ

 中央でやや右寄りに、2個の虫こぶが見えます。

 

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サクラハトサカフシ

 2個の大きな虫こぶがあります。サクラの木の葉につく虫こぶをサクラハトサカフシと言い、サクラフシアブラムシが寄生してできたこのこぶの中に卵を産み付けています。

 

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サクラハトサカフシ

 早春、新芽の頃に幼虫が孵化し、葉裏に移って汁液を吸いながら大きくなります。その刺激によって虫コブができます。

 

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サクラハトサカフシ

 虫こぶの中で繁殖し、晩春になると翅のあるサクラフシアブラムシの雌成虫が脱出し、ヨモギに移ります。ヨモギの葉裏で過ごした後、秋にまたサクラに帰ってくるようです。

 

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サクラハトサカフシ

  このように茶褐色になった虫こぶでは、翅のある雌成虫が飛ぶだした後で中は空っぽです。

 

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エノキハトガリタマフシ

 これはエノキの木で、かたまって葉や枝のあちこちに先のとがったトックリ状の虫こぶが見られます。最初は果実かとも思ったのですが、エノキではそんなことは聞いたことがなく、調べてみるとやはり虫こぶでした。

 

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エノキハトガリタマフシ

 このエノキにつく虫こぶをエノキハトガリタマフシと言い、エノキトガリタマバエの寄生によって出来ます。虫こぶの中には幼虫が1匹ずつ入っています。

 

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エノキハトガリタマフシ

 葉の表でも裏でも、また枝にも虫こぶはできるようです。

 

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エノキハトガリタマフシ

 成虫は34月に羽化し,エノキの新芽付近に産卵します。5月下旬頃までに幼虫と虫こぶは成熟し,成熟した虫こぶは落下します。

 

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エノキハトガリタマフシ

 葉の裏側に虫こぶをつけるのは、カワラヒワなどの鳥はこの虫こぶを見つけると、くちばしで器用に割って中の幼虫を食べるので、見つけられないようにしているのでしょう。

 

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エノキハトガリタマフシ

 虫こぶは地上に落下し、虫こぶの中で幼虫は翌春まで過ごして蛹(さなぎ)になります。下に見える二つの白い丸いのは、虫こぶが落ちた後についた虫こぶの跡です。地上に落ちても、神社ではこの下をいつもきれいに掃いていますので、その虫こぶの蛹はどうなったことでしょう。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情  にもありますので、ご覧ください。

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コメント

プロフユキ先生
 こんばんは。
まぁ、このようなものが木や葉っぱに着くのですね?
木には影響はないのでしょうか?
エノキにはなんとも不思議な形ですね?

投稿: マコママ | 2018年5月28日 (月) 22時17分

こんにちは マコママさん !

面白い形をしているでしょう。サクラの葉に着くのはイモムシみたいで、エノキに着くのは
丸いとんがり棒みたいで、なんとも不思議です。(⌒-⌒)

サクラの葉には、この虫がまた帰ってくるようで、被害がずっと続くことでしょう。全部の木
ではなく、特定の場所だけでしたが。(ノ△・。)

害虫も色々戦略を考えているようです。(^-^*)

投稿: プロフユキ | 2018年5月29日 (火) 00時00分

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