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2018年4月12日 (木)

・弥生3月末には今年も第58回目の京のツバキ展が京都植物園で開催されました(その1)

ツバキ(別名ヤブツバキ)は日本原産で、日本の本州、四国、九州、南西諸島に、また国外では朝鮮半島南部と台湾に分布する高木です。学名はCamellia japonica)で、ツバキ科ツバキ属の常緑樹です。本州中北部にはごく近縁のユキツバキがあり、ツバキは海岸沿いに青森県まで分布し、ユキツバキはより内陸で標高の高い位置にあって住み分けています。ユキツバキの学名はCamellia rusticana で、ツバキ科ツバキ属の常緑低木です。主に日本の太平洋側に分布するヤブツバキが東北地方から北陸地方の日本海側の多雪地帯に適応したものと考えられています。

日本には多くのツバキの品種がありますが、基本的にはこのヤブツバキとユキツバキの2種に由来しています。これらのツバキは日本人に古くから愛されて、歌に歌われてきました。京都では幸いに戦災の被害から免れ、社寺に植えられていた由緒あるツバキが巨木になり、天皇、茶人、武将、高僧、文人などにより京都の歴史を物語ってきた銘木が今なお健やかに生育しています。京都園芸倶楽部では、これらの銘木の切り枝を一堂に集め、公開展示しています。それらの名花を2回に分けて紹介します。

毎年この時期には花寄せに各社寺にいきますが、先には奥村邸 平岡八幡宮のツバキには先に紹介しています。

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霊鑑寺・舞鶴 

霊鑑寺(京都市左京区鹿ケ谷)は寺格の高い比丘尼(びくに)御所。後水尾院遺愛の散椿をはじめ、日光の巨木、舞鶴、曙など由緒ある京椿が多く植栽されています。

舞鶴は紅色地で、白斑入りの一重で中輪の花です。

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霊鑑寺・白牡丹

 白牡丹は光格天皇中宮お手植えと伝えられている、白色で八重の牡丹咲きで散りしべの大輪の花です。

 

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霊鑑寺・日光

 日光(じっこう)は江戸期からある古典品種です。外弁は5~6枚でやや離れ、先端に切込みがあります。唐子部の中央から雌しべの先端がのぞいています。別名は紅唐子ベニカラコで、濃朱紅色で一重の唐子咲きの小輪の花です。

 

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法然院・花笠

 法然院(京都市左京区鹿ケ谷)は法然上人ゆかりの寺です。方丈の中庭には西から花笠、貴椿、五色散椿の三銘椿が、行儀よく並び植えられています。

花笠は紅色で白斑が入り、八重で中輪の花です。

 

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法然院・五色散椿

五色散椿は白地に紅縦絞りが基本色で、白、紅、桃色、白覆輪などに咲き分けています。抱え性の八重咲きで、散性があり筒~割りしべの中~大輪の花です。

 

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法然院・貴椿

貴椿(あてツバキ)は白色地に僅かに紅色縦絞りが入ります。八重咲きの中輪の花です。

 

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平岡八幡宮・白椿(一水)

平岡八幡宮(京都市右京区梅ケ畑宮ノ口町)は平安初期大同4年(809)に弘法大師によって創建された山城国最古の八幡宮で、神殿の天井に極彩色の花絵が描かれています。「平岡八幡ヤブ椿」の古木や白椿「一水」などがあります。

白椿「一水」は樹齢200年を越える枝垂れの白花の白玉椿は、茶道の茶花として用いられてきました。

 

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平岡八幡宮・藪椿

 平岡八幡ヤブ椿は樹齢500年の椿で、通常のヤブ椿がラッパ状なのに対し、こちらのヤブ椿は三角に花を開きます。

 

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長福寺・胡蝶侘助

長福寺(京都市右京区西京極)では光格天皇ゆかりの銘椿が数種植えられています。本堂前の築山にある胡蝶侘助の花は締まった格調高い花です。

胡蝶侘助は桃紅色地に白斑入りです。一重で猪口咲きの侘芯の極小輪の花です。

 

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林丘寺・白侘助

林丘寺(京都市左京区修学院)には後水尾天皇遺愛の白侘助があり、由緒ある洛北の門跡寺院にふさわしい早咲きの品格高い銘椿です。

白侘助は一重の猪口咲の小~極小輪の花で、筒蕊で葯が退化しています。

 

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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コメント

プロフユキ先生
 こんばんは。
椿と一言では言えない様々な種類がございますね?
拝見させて頂き私は「五色散椿」と「白椿(一水)」に魅力を感じました。
とてもきれいで気品がございますね?
続きも楽しみにお待ちしております。。

投稿: マコママ | 2018年4月12日 (木) 21時48分

こんにちは マコママさん !

京椿を見て頂き有難うございます。気品あふれる品種もあり、中々のツバキが
集められました。(*^-^)

自由に切らしていただけるのですが、できるだけ目立たないよう見えない場所に
咲いている花を選んで切るため苦労しました。(*^o^)

また残りのツバキの写真をアップしますので見て下さい。y(^ー^)y

投稿: プロフユキ | 2018年4月13日 (金) 23時22分

こんにちは。。。

椿、本当にいろんな種類がありますね。
椿には思い出があって、小学生の頃、近くに大きな椿の木があって、咲く頃には地面にたくさんの花が落ちていました。
その中でも落ちたての花を探して集めるのを遊びにしていました。ままごとのお皿に集めて遊んでいたこと思い出しました。

日本のお庭によく似合う椿は。。。。
私だけでなく、小さな子供の成長過程でも影響を与えるお花だと感じています。
そんな思い出もあるので、椿は赤いもの!!と思い込んでいた私。
白い椿を見たときは衝撃でした。
でも。。。椿の中で一番好きなのが白い椿。
心洗われる気がします。

投稿: 野花 | 2018年4月14日 (土) 12時47分

こんにちは 野花さん!

ツバキは子供時からよく見た懐かしい花ですね。はっきりとした花で葉もつやつやしていて、
心に残る花です。(o^-^o)

花の後につく大きな実は良質の油が含まれていて、食用油や特に髪油として
重要だったらしいですね。(*^o^)

鳥の真似をして蜜を吸ったり、タネをくりぬいて笛にしたりしたものです。(^_^)

白い花って印象的ですね、私は乙女椿の幾何学的模様が好きで、どこへ転居しても
一株乙女椿を植えていて、何となく心惹かれます。(⌒-⌒)

投稿: プロフユキ | 2018年4月15日 (日) 00時13分

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