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2018年4月15日 (日)

・弥生3月末には今年も第58回目の京のツバキ展が京都植物園で開催されました(その2)

前回ツバキの概略と京都植物園でのツバキ展を紹介しました。ここにはその続きとして社寺の残りのツバキを紹介します。

ツバキ展では切り枝の花になるため、本来はその現地でツバキの花を見て貰えれば、一層趣が増します。そのようなツバキの例として、北野天満宮近くで天野屋利兵衛ゆかりの地蔵院のの散りツバキを紹介しています。ツバキは花ごとポロっと落ちると思われがちですが、サクラのように花弁がはらはら落ちる散ツバキもあります。また、白河上皇が院政を敷いていたゆかりの城南宮にもツバキのコレクションがあり、特に自生のヤブツバキを初めその他300本の椿の花のある事を先に紹介しています。また、千本釈迦堂には大好きで見事な幾何学的模様をしたピンクの乙女椿のあることを紹介 しています。

 

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大聖寺・玉兎

大聖寺(京都市上京区烏丸今出川)は御寺御所とも呼ばれ、京洛第一位の綸旨を賜ったと伝えられる、格式の高い花に縁の深い尼寺です。昨年花寄せに伺ったときには、雛人形の飾った部屋で、庵主様からお茶を頂きました。

玉兎:白色で重ねの厚い千重咲き、細長い樋状弁は時に列弁咲きにもなる中輪で、1695年の「花壇地錦抄」に載る古い品種。樋状の細長い花びらが菊のように尖って見えます。外弁から順に小さくなっているため、重なり合って整然と並んでいます。

 

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大聖寺・胡蝶侘助

 胡蝶侘助:桃紅色地、白斑入り、一重先の猪口咲きで、侘芯の極小輪の花です。

 

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大徳寺聚光院・宗旦椿

大徳寺聚光院:桃山時代の庭園で利休の作と伝えられる蓬莱式禅寺枯山水の庭園、早咲きの「曙」の巨木と早咲き一重の「宗旦椿」があります。

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大徳寺には多くの塔頭があり、聚光院、瑞峰院、高桐院、総見院などの位置を示しています。

宗旦椿極淡桃色~移り白、一咲きの重筒咲きで、筒しべの小輪の花です。咲き始めは極淡桃色の筒咲きで、咲き進んでラッパ状になると移り白になり、遠目には白色に見えます。

 

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大徳寺聚光院・曙

曙:淡桃色、一重の椀咲きで、筒しべで大輪の花です。蕾は丸く、染色体が正常のものより多い三倍体のためほとんど結実しません。炉開きから、年内は丸くふくらんだ蕾が多くて、お茶席に重宝されます。

 

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大徳寺瑞峯院・加茂本阿弥

大徳寺瑞峯院:天文年間(5321554)に大友宗麟が創建し、苔と石組の蓬莱式の枯山水の名園があり、銘椿「加茂本阿弥」があります。前田和尚さんは、毎年ツバキ展で壁の一面を掛け軸と生花で飾って頂いています。

加茂本阿弥:白色で、一重の抱え~椀咲きです。太い筒しべで中~大輪の花です。別名は「窓の月」で、古くからの三倍体の品種です。

 

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大徳寺高桐院・天津乙女

大徳寺・高桐院は慶長年間(15961615)に細川忠興が創建した、細川家の菩提寺です。花弁が桃色、白などの「雪中花」と淡桃一重の「天津乙女」があります。

天津乙女:極淡桃色で一重の筒咲き。筒しべで小輪の花です。枝は細くて枝垂れます。この高桐院には原木があり、命名は元住職義山老師です。

 

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大徳寺高桐院・雪中花 

雪中花:白地にほんのりと淡い紅をさした優しい椿“雪中花”です。

 

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大徳寺総見院・胡蝶侘助

大徳寺総見院は羽柴(後の豊臣)秀吉が、本能寺の変に倒れた織田信長の追善菩提のために建立しました。信長亡き後の政権争いの中、秀吉がその主導権を握るための建立でした。

千利休遺愛の侘助(胡蝶侘助)は京椿の代表種銘椿の一つ。これが茶人の言う本当の侘助の原木です。

胡蝶侘助:桃紅色地で白斑入り、一重の猪口咲きで、侘芯の極小輪の花です。

 

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市邸・百合椿

市邸(上賀茂神社社家)

百合椿:濃紅色の一重で長筒咲きの花です。筒しべで小~中輪枝垂れ性です。葉は細長く、ツバキの葉の中では孔雀椿と共に最も長い葉です。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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