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2018年1月 8日 (月)

・エジプトのナイル原産のパピルス草と、マダガスカル工芸品の押し花を漉き込んだアンタイムル紙

京都府立植物園の温室にはいつも熱帯作物が生育しており、熱帯スイレンの横にはパピルス草がいつも青々と生長しています。9月頃行った際には、いつも気が付かなかった花が咲いていました。あまり目立たない植物で、その花も薄茶色でびっしり小さい花が咲いているのに、誰も気が付かないで通り過ぎているようでした。パピルスはカヤツリグサ科カヤツリグサ属の多年生草本で、和名はカミガヤツリあるいはカミイです。

子どもの頃よくこのカヤツリグサを絡ませて、引っ張り合って遊んだ思い出があります。でもこの同じ形をしたパピルスを見ていて、どれが茎でどれが葉なんだろうと気になりました。調べて見ると葉は退化して葉身が無くなり、水中の茎の根元にあるようです。茎が伸びてその先にたくさんの花が花序として付き、その基部の周りに細長い総苞がまるで葉のように伸びています。

マダガスカル島の工芸品として、ナイロビで買ったアンタイムルシがあります。紙を漉く際に押し花を漉き込んで、乾燥させた観賞用にしたもので、一緒に紹介します。

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パピルスとアンタイムル紙

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パピルス

パピルスの学名はCyperus papyrus L.で英名はpapyrus中央アフリカのナイル源流付近の原産です。茎の断面は三角形で、最大6cmほどの太さになります。通常、塊茎(地下茎)によって増殖します。夏も終わり頃に緑がかった茶色の花をつけ、ナッツのような形をした茶色の果実をつけます。

 

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パピルス

太い根茎から高さ2mにも達する茎が立ち並び,葉はすべて退化して葉身がなくなり,茎の根元についています。直径 40cmにもなる花序には,その基部から細長い総苞が無数に束のようにつき,その先に薄茶色の小穂が付きます。

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パピルス

茎の先端から無数の細長い総苞が垂れ下がり、その上に花が着き、その花茎の先端に沢山の小さな薄茶色の花がついています。

植物をパピルス草、文字の筆記媒体にしたものをパピルス紙と呼んで区別することもあります。紀元前2400年頃エジプトで始まり、紀元前300年頃には輸出品となっていました。

 

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パピルスの花序

 茎の先端と、その先に伸びた花茎の先に花序が着いています。

地上茎の繊維をシート状に成形することで、文字などを記すことが出来る紙状にします。「紙」を意味する英語の「paper」やフランス語の「papier」などは、このパピルスに由来しています

 

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パピルスの花序と総苞

花茎の先端の花序と、その基部から長く伸びた総苞を示しています。

エジプトのパピルスより遅れて紀元前150年頃中国において、現在のような紙の製法が始まり、この方が手間がかからず便利なため主流となりました。

 

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アンタイムル紙A(全体)

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アンタイムル紙A(基部)

 これはケニアのナイロビで買った、アンタイムル紙です。和紙とそっくりで、アヴォハという木の皮を漉いて作られていて、漉く際に乾燥した押し花が挿入されています。マダガスカル島の工芸品で、私が滞在していた30年前ではこのような素朴な製品でしたが、今では花や葉もカラフルになっているようです。

 

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アンタイムル紙B(全体)

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アンタイムル紙B(基部)

 この作品も先のものとほぼ同じデザインで、名前が分かりませんが草花の花と葉がなにか生花のように配置されています。

 

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アンタイムル紙C(全体)

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アンタイムル紙C(基部)

 これが最も整っていて好きな作品です。キク科のシングルの花がうまく広げられ、それにより小型の花が組み合わされ、小さい花はつる性なのからせん形に絡ませています。

 

 

少し大きな調べてみると、写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますのでそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情  にもありますので、ご覧ください。

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コメント

プロフユキさん
こんばんは。

田舎育ちなのでカヤツリグサは、よく目にしていましたが、
パピルスが、カヤツリグサの巨大なものだったなんて驚きました。
葉に見えるものが総苞で、葉が退化して茎の根元にあるなんて、
いったいどんな複雑な事情があったのでしょう~

押し花の挿入されたアンタイムル紙、AもBもCもとっても素敵ですね。
カラフルなものよりこの素朴な色の方が上品で、好きです

汕頭刺繍の作品も、繊細で優美で、目が釘付けになりました。
美しいものをたくさん見せてくださってありがとうございます。

投稿: 亜麻 | 2018年1月 9日 (火) 22時21分

こんにちは 亜麻さん

亜麻さんの亜麻も繊維でしたね。リンネルになったんでしたっけ。パピルスもカヤツリクザの
仲間で、紙にしたり船にしたりいろんな用途に使っていたようですね。

花は可愛そうなくらい目立たないですが、不思議な変化をたどっているようですね。
マダガスカルのアンタイムル紙、たぶん職人さんが見本を見ながら材料を漉き込んで
いったんでしょうが、同じようでどこか違って手作り感がありますね。

汕頭刺繍の作品も見て頂いたようで有難うございます。中国人の中にはとっても手先が
器用でしかも根気強い人がいるものだと全く驚きます。

投稿: プロフユキ | 2018年1月 9日 (火) 22時47分

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