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2018年1月20日 (土)

・ベルギーのアントワープ周辺で買ったレース編・刺繍作品

先に返還前の香港で買った汕頭(スワトウ)刺繍のハンカチを紹介しました。イタリアのベネチアやイギリスのバースも刺繍やレース編みが有名で、バースで買ったレース編みの入った小さな額を紹介 しています。ベルギーも刺繍やレース編みが有名で、先にタイルに描かれたレース編みをするおばあさんを紹介しています。ベルギーのアントワープ周辺はレース編みが有名で、たくさんのレース製品がお土産に売られ、またそこでレース編みの実演もされています。それを見ていると、沢山のボビンを使った大変な根気のいる作業であることが実感されます。

ベルギーレースの起こりは16世紀のようです。世界に先駆けたイタリアのェネツィアと同時期に、ベルギーのアントワープでもはじまり、各地に広まりました。飾り組み紐から考案されたクッションの上で糸を交差させるボビン・レースと、デザインを描いた紙を支えに針で糸を編み込んで最後に支えをはずすニードルポイント・レースとがあり、二つの方法を同時に用いたりもしたようです。1617世紀のフランドル絵画に見るように、レースは貴族や裕福な商人たちの襟元や袖口を飾り、今とは異なり男性のほうが派手でした。

手作りは精巧に仕上がりますが手間暇をかけて作られるため高価なものとなり、段々と安価な機械織り製品に押されて減少してきています。また刺繍地の縁をレースで飾ったり、両技術をミックスさせたレース刺繍作品も増えてきています。

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レース刺繍

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レース刺繍A

 小型のテーブルセンター状の作品です。縁をレースで飾り、8つの花模様が周りを飾っています。

 

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レース刺繍A(端部)

 2枚の葉と大きな花が刺繍され、小さな葉と分枝も描かれているようです。

 

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レース刺繍A(端部)

 縦方向も横方向も、端部は同じ図案のようです。

 

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レース刺繍B

 綺麗な円形の作品です。周辺も中央も、幾何学的図案でレース編みされており、透かしが綺麗に表現されています。

 

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レース刺繍B(中央部)

 周辺から幾何学模様で中央部につながり、細い繊細な線と太めの線とでレース編みされ、見事に幾何学模様が表現されています。かなり手間暇かけての製作が感じられます。

 

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レース刺繍B(周辺部)

 縁取りと同じ幅で螺旋が編まれ、更に同じ幅で内側に丸く縁どられ、4隅にクローバーの3枚葉があり、あちこちにドロンワークで抜きがかり細工が施されています。

 

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レース刺繍C(全体)

 これは見事な文様の、飾りにするハンカチでしょうか。同じサイズの丸が36個、等間隔に並べられ、その中に更に輪状に細かい葉が丹念に刺繍されています。

 

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レース刺繍C(中央部)

 36個の丸模様も波を打っており、丸模様と丸模様の間は同じような波上の線で結ばれ、

その中には更に花模様が見られます。

 

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レース刺繍D(全体)

 これもまた見事な円形の飾りハンカチで、周囲が丹念にレース編みで飾られています。

周辺に円形模様、中央部には大きな花と小さな花が刺繍され、その間を枝と葉がつないでいます。

 

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レース刺繍D(中央部)

 中央部の大きな花はキク科の花か、周囲の舌状花と中央部に筒状花らしき小花が刺繍されています。小さな花はまた違った花型で、2枚の葉からは3つの丸い蕾が可愛く伸びています。

 

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レース刺繍D(周辺部)

 周辺の縁飾りも手作りらしく丹念に縁取られて、周囲の丸い花模様と繋がっています。その花の間にはより小型の花が、葉と共に挿入されています。

 

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの マイコレクション に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が マイコレクション にもありますので、ご覧ください。 

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コメント

プロフユキ先生
 こんにちは。
見事なレースですね。私はブルージュで実演を見ました。
ボビンレースは私もほんの少し習いましたが、沢山の本数には
驚かされたのを覚えております。
そして小物やブラウスを買ってきましたよ。

投稿: マコママ | 2018年1月21日 (日) 13時50分

こんにちは マコママさん 

マコママさんもブリュージュで実演をご覧になりましたか。辛抱のいる作業ですね。

何点か私も買いましたが、手作りする後継者がだんだんなくなり、機械織に
押されているようですね。

ゆっくりペースで手作り製品が評価される社会であってほしいですね。

明日から積雪が予想されるようですので、外出は避けた方が良いでしょうね。
お風邪をひかれませんように。

投稿: プロフユキ | 2018年1月22日 (月) 02時36分

プロフユキさん こんばんは。
繊細で美しいレースばかりですね~♡
眺めているだけで幸せな気持ちになります。
私の持っている「ヨーロッパのレース手帖」という本にも、アンティークの美しい作品が沢山載っています。
久しぶりに書棚から取り出して、ページを捲っているところです。
レースは、布と糸で作られた宝石ですね。

投稿: 亜麻 | 2018年1月23日 (火) 23時54分

こんにちは 亜麻さん

綺麗なレースは見ても飽きないし、正に芸術品と言ってもいいですね。
丹念にあきないでデザインを考えながら一本一本編んでいくのは、
不向きな人には耐えられないことでしょうね。
額に入れようと思いながら、家人も引き出しにしまったままになっています。
男でも漁師さんが網を繕うことをしますが、父も船乗りで網を編んで
いたことを思い出しました。

投稿: プロフユキ | 2018年1月24日 (水) 17時09分

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