« ・京都タワーホテルでの「シャンソンを楽しむ夕べ」で、かわべ先生の英国フラワーアレンジメントショーを拝見し、華やかなひと時を過ごしました | トップページ | ・返還前の香港で買った汕頭(スワトウ)刺繍のハンカチ »

2018年1月 3日 (水)

・京都植物園のポインセチア展で最近の品種と珍しい原種が見られました

京都府立植物園では毎年215日~25日まで、クリスマスシーズンに合わせてポインセチア100品種700鉢が、観覧温室特別展示室などに展示されます。ポインセチアは

トウダイグサ科ユーフォルビア属の常緑性低木です。別名ショウジョウボク(猩々木)は、葉が赤く色づいたのを空想上の「猩猩」の赤い顔に見立てたことから呼ばれたようです。学名はEuphorbia pulcherrimaで、英名はpoinsettiaです。原産地のメキシコを中心に、中央アメリカに分布しています。

日本では12月頃にその真っ赤になった葉を鉢植えで楽しみますが、その後は寒さで葉が落ちてしまいます。何とか暖かい所に置いて春まで葉が持てば、戸外に出して水管理を十分にすればまた翌年咲かせることもできます。我が家でも毎年ポインセチアとシクラメンを夏越しさせて、窓際でラン類と共に咲かせて楽しんでいることを先に紹介しています。

日本でも九州の宮崎や鹿児島の温かい所では戸外で生育し、沖縄では大きな木に育っています。先にインドネシアにラフレシアを探しに行った時、戸外で大きく育ったポインセチアの木を紹介 しました。春まで生長していれば梅雨頃に切り戻しをして樹形を整え、切った枝を砂地に挿し木して増やすこともできます。穂木の切り口からでる乳液をよくふき取ってから、水か砂地に挿します。

Dscn4710

ポインセチア

 ポインセチアの花は特異な形状の椀状花序となり、多数の雄花と1個の雌花が組み合わされている ことを先に紹介しています。

Dscn4712

ポインセチア花壇1

 いろんな品種を集めたポインセチアの花壇1です。赤い色が主流ですが、これだけ並ぶと、ピンクや白の花も綺麗です。花弁状に見える色づいた総苞の形に、もいろいろ変化があるようです。色づいた葉を苞葉とよく書かれていますが、厳密には総苞になります。一つの花の基部にありガクから離れた葉が苞葉で、ポインセチアでは一つだけでなく沢山の花からなる花序(椀状花序)なので、苞葉ではなく総苞になります。

 

Dscn4714a

ポインセチア,ウィンターローズ

 カールした総苞がバラのように見えることからと「ウィンターローズ」とは名付けられた品種です。花弁状の総苞の数が多くなり、ボリューム感があります。

 

Dscn4715a

ポインセチアウィンターローズ・アーリークリーム

 同じウインターローズ系の品種で、名前の通りクリーム~白色をしています。色づく部分が八重になっているボリューム満点のポインセチアです。

 

Dscn47172

ポインセチア花壇2

 色づいた総苞が白、ピンク、赤で、ピンクも色々の色合いがあるようです。

 

Dscn4718a

ポインセチア、プレミアムピンク

 プレミアム系の淡紫桃色で、ピンクが決して鮮やかではありませんが、結構人気がある品種です。生育も調節しやすく色んな作り分けがきく品種で、生育は中晩生種です。

 

Dscn4719a

ポインセチア、スポットライトダークレッド

 色鮮やかな明紅色の中早生種で、よく枝が出るし枝折れの極めて少ない強健種です。耐暑性は優れているが、低温期の生育は悪いようです。開花前に少し花首の伸びます。

 

Dscn47203

ポインセチア花壇3

 総苞がやや細長の品種の多い、3番目の花壇です。

 

Dscn4721a

ポインセチア、プリンセチアローザ

 “プリンセス”のような華やかな印象と“ポインセチア”を組み合わせから「プリンセチア」と名づけられました。華やかな八重のピンクの葉が隙間なく広がり、花束を思わせるふんわりとまとまった草姿が特長です。

 

Dscn4722a

ポインセチア、プリンセチアピンクホワイト

 上と同じプリンセチア系で、ピンク色が特徴です。

 

Dscn47364

ポインセチア花壇4

 背丈の低い品種と高い品種を組み合わせた、第4花壇です。

 

Dscn4737a

ポインセチアの普通葉と総苞

 ここで丁度色づいてきた総苞に続き、それより下の普通葉も色づいてきたのが並んでいます。総苞片は丸い縁ですが、普通葉には切れ込みが4か所あり、角張っているのですぐ分かります。中央にある花序は椀状花序と呼ばれ、ポインセチア独特の形態です。丸い一つの蕾状組織らいくつかの赤いひも状の組織が伸びていますが、この一つひとつが雄花です。その横に丸いのが見えますがこれは雌花か蜜腺で、後で詳しく説明します。

 

Dscn4739a

ポインセチア

 これは珍しいポインセチアの原種です。日本では殆どこの原種は栽培されていなくて、 京都府立植物園の職員がアメリカ・カリフォルニア州の植物園まで行き、さし穂を貰ってきて育てた貴重な種類です。原種の特徴として総苞の縁に切れ込みがなく、その長さは普通葉より短いことです。また総苞の幅は狭く、他の総苞との間に隙間があります。更に節間が長く、開花期に下の葉の黄変と落葉が激しい点です。

 

Dscn4741

ポインセチア原種

 原種ではこのように総苞が細長く、重ならないで離れています。色づいた総苞より下の葉は落葉しているようです。

 

Dscn4742

ポインセチアの花器

 右の花で花器を詳しく示しています。一つの蕾のように見えたところに、45個の赤い雄花があります。小さくて丸い緑の部分が雌花で、先端から3つに分かれた赤い柱頭が出ています。その横で黄色くて口をあけているのが蜜腺で、蜜を出して昆虫を誘引しています。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情  にもありますので、ご覧ください。

|

« ・京都タワーホテルでの「シャンソンを楽しむ夕べ」で、かわべ先生の英国フラワーアレンジメントショーを拝見し、華やかなひと時を過ごしました | トップページ | ・返還前の香港で買った汕頭(スワトウ)刺繍のハンカチ »

・園芸植物・園芸情報 Hort. Plants & Information」カテゴリの記事

コメント

プロフユキ先生
 こんにちは。
今年もよろしくお願い申し上げます。
 ポインセチアにこれほどの種類があるとは存じませんでした。
毎年、購入しては枯らしているわたくしですが、去年はとうとう購入しませんでしたよ。
 ピンク系が可愛いですね

投稿: マコママ | 2018年1月 3日 (水) 14時45分

プロフユキさん
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。
ポインセチア,ウィンターローズ、本当にバラの花に見えますね。
花びらに見えるのが総苞で、シベのように見えるのが花序だなんて、
植物の世界って、本当に不思議で面白いですね。
アーリークリームがすごく素敵だな~と思いました。

投稿: 亜麻 | 2018年1月 3日 (水) 23時48分

こんにちは マコママさん

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

ポインセチアも背の高いのからミニまでいろいろできていますね。
ピン系も可愛いですね。

ポインセチアは寒さに弱いですが春まで生育していれば、
その後は外に出しても大丈夫ですので、試してください。

毎年買い替えるのはもったいないですからね。

投稿: プロフユキ | 2018年1月 4日 (木) 00時59分

こんにちは 亜麻さん


明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

バラのようなポインセチアを亜麻さんに見て貰えれば良いなあと思っていましたので、
見て頂いてよかったです。

ポインセチアは変わった花で、花が花らしくなく雄しべや雌しべも変わっていますね。
そんな変化が起こる必要性があったのでしょうね。

ウインターローズはこんもりとした形で、アーリークリームはちょっと他の花に
見られない可愛さがありますね。

ちょっと前になりますが、11月5日にバラ愛好家さんの丹生された薔薇を載せました、
亜麻さんはご存知の品種ばかりでしょうが。

投稿: プロフユキ | 2018年1月 4日 (木) 01時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ・京都植物園のポインセチア展で最近の品種と珍しい原種が見られました:

« ・京都タワーホテルでの「シャンソンを楽しむ夕べ」で、かわべ先生の英国フラワーアレンジメントショーを拝見し、華やかなひと時を過ごしました | トップページ | ・返還前の香港で買った汕頭(スワトウ)刺繍のハンカチ »