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2017年11月 2日 (木)

・秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 金木犀の 香にぞ驚く

秋になるとマンションの入り口に1本のキンモクセイが植わっていて、秋の訪れを知らせてくれます。今までに、芳香漂うキンモクセイについて紹介は一度していますその折にも書きましたが、父は外国航路の貨物船の船長をしていて留守がちで、若い頃の母はせめても秋の香りを父に届けようと、航空便の封筒にキンモクセイの花を入れて送っていたようでした。キンモクセイの香りがすると、いつもそのことを思い出します。そんなキンモクセイの花ですが、いい香りだなと思いつつ、ジックリと花の形を見ていませんでしたので、今年は接写して花を詳しく見てみました。図鑑を見るとキンモクセイは雌雄異株ですが、原産地の中国南部から日本へは江戸時代に雄株だけが渡来し、雌株は入ってこなかったようです。雌株は実をつけるのでその着花負担のため、花数は雄株より少ないので、日本には導入されなかったのでしょうか。日本での繁殖には、タネでなく挿し木で繁殖しています。挿し木をしても、花が咲くまでには5~7年かかりますので、気長に育てる必要があります。

 

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キンモクセイ

 キンモクセイの木とその落ちた花、それに花の接写した拡大を示しました。

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キンモクセイ 

いつもの散歩コースで歩いていると、あちこちにキンモクセイが咲いていました。日本人はこの香りが好きなんだなと思わせてくれます。キンモクセイ(金木犀)の学名は Osmanthus fragrans var. aurantiacus)です。モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹です。

 

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キンモクセイの花

キンモクセイの英名は同じモクセイ科のオリーブを使い、fragrant orange-colored oliveとよく書いてありますが、違和感があります。園芸学会用語集では orange osmanthusと書いてありました。中国南部原産で、日本には江戸時代に渡来しました。

 

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円形に刈込まれたキンモクセイ

 しばらく行くと塀越しに、綺麗な円形に刈込まれたキンモクセイがありました。

 

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キンモクセイの花

 キンモクセイは秋に小さいオレンジ色の花を無数に咲かせます。雌雄異株で実を着けたキンモクセイを見かけないのは、日本には雄株しか入っていないためのようです。

 

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大きなキンモクセイ

このキンモクセイは北野天満宮と平野神社の間を流れる天神川沿いにあり、京都でも一番大きな木ではないかと思っています。

 

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キンモクセイの先端部

 2階建ての家の屋根近くまで伸びており、橋の上から望遠レンズをつけて撮りました。

 

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キンモクセイの花

 誰も手入れをしているようには見えず、形もやや崩れていますが、これだけたくさんの花が着いていました。

 

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キンモクセイ(宝鏡寺)

これは以前ひな祭りにちなみ、宝鏡寺の可愛い人形たちを紹介 した折に見かけたキンモクセイです。円形に綺麗に刈込まれたキンモクセイで、横にあるギンモクセイはまだ咲いていませんでした。

 

 

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キンモクセイの花

 オレンジ色の花と少し黄色味を帯びた花があるようでした。キンモクセイの花には先端が4枚に分かれた厚みのある花冠があり、その中には2本の雄しべがあり、稀にその間に退化した雌しべの痕跡が見られます。

 

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キンモクセイ

落花した花では花弁が基部でつながった花冠なので、花冠ごと落花しています。綺麗なオレンジ色のカーペットのように見えます。

 

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キンモクセイ

これは散歩道の途中で見かけた、生け垣にされているキンモクセイです。

 

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キンモクセイ

手入れも良いと見え、たくさんの綺麗な花が咲き、芳香が漂っていました。

 

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キンモクセイの花(拡大1)

今までの写真を撮ってから、花を接写しに行きましたが、慌てました。4、5日しかたっていないのですが、ほとんどの木で落花が続いていて、元気な花は数えるしかありませんでした。そこで、何とか落花前の元気な花を見つけて、以下の写真を撮りました。先端で4枚に分かれた花冠の内側に、黒褐色の二つの雄しべが見えます。

 

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キンモクセイの花(拡大2

 オレンジ色の花冠には、濃橙色の斑点があるようです。雄しべの間に黄緑色に見えるのが退化した雌しべです。

 

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キンモクセイの花(拡大3

中央左下の花では雄しべの間に黄緑色の突起が見えますが、これが退化して雌しべです。

 

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キンモクセイの花(拡大4

 角度を変えて見ると、他の花でも雄しべの間に雌しべの痕跡が見えるようです。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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コメント

プロフユキ先生
 こんにちは。
秋晴れの文化の日となりました。
 金木犀は本当に良い香りがいたしますね。
昔、夫の転勤で静岡へ・・・。
社宅(平屋)にも植えてありました。
初めは全然、知らずで香りが届き、
ご近所かしらね?って言っておりましたら、
庭に大きな木があり、びっくりでしたよ。
良い思い出です・・・。

投稿: マコママ | 2017年11月 3日 (金) 12時23分

こんにちは マコママさん

今年も早いもので、11月に入り今日は文化の日ですね。今日は全国晴れの
良き日になりましたね。

キンモクセイは日本人によく好まれる花で、静岡では県の花に指定されていますし、
多くの市町村の花に指定されていて、私の育った大阪の豊中市の花でもあります。

花が咲くまでに年数が要りますが、咲きだすと毎年良い香りを放ってくれますね。
どこからか風に乗って香りが届きますね。

投稿: プロフユキ | 2017年11月 3日 (金) 13時58分

こんにちは♪
 
今年はずっと東京にいたせいか、随分とキンモクセイの花を見かけました。
姿が見えなくても香りでその存在がわかりますね。
大きな木は本当に大きくてビックリします。
 
雌雄異株とは知りませんでした。
しかも雌株がないとは。
そう言えば、キンモクセイの実を見ることはありませんものね。

投稿: 花mame | 2017年11月 3日 (金) 15時16分

こんにちは 花mameさん

今年は異常気候で、寒いのか暑いのか訳の分からないうちに11月に
なってしまいましたね。

でもキンモクセイはキチンと秋になればよい香りを漂わせてくれます。ちょっと
近所で数えてみると、多くの家に植えられていました。

オリーブはたまに実をつけているのを見かけますが、キンモクセイの実は見ませんね。
でも数が増えるのだから問題はありませんが、ちょっと見てみたい気もしますね。

投稿: プロフユキ | 2017年11月 3日 (金) 20時47分

金木犀といえば、子供の頃に近所の庭木から花が落ちているのを拾い集めた思い出があります。
インドの家の庭では、今の時期、庭のヨルソケイとヤコウボクが満開になって、毎晩家の中までいい香りが漂います。こっちの人は、朝になったら落ちた花を拾い集めて水を張ったお椀に浮かべて飾ったりお祈りに使うみたいです。
ふと金木犀の香りを思い出し、あの小さな花を水に浮かべたら綺麗だろうなあと想像してしまいました。

投稿: わさんぼん | 2017年11月 5日 (日) 04時06分

こんばんは~

大きなキンモクセイ見事ですね~
花もいいですがこれほど大きな木だと樹木としての価値もありそうです。。。。

それにしてもこれほどだとここまで香りが届きそうです。
キンモクセイのかおりは小学校の通学路で香っていた季節の花なので、いつもこの香りが届くとこのころを思い出します。大好きです。
咲いたところもいいですが落下して、地面を彩るオレンジもまた素敵ですよね。

投稿: 野花 | 2017年11月 5日 (日) 23時09分

こんにちは わさんぼんさん

皆キンモクセイには思い出があるようですね。インドでも香り良い花が
たくさんあることでしょうね。

ベジタリアンのレストランですごい香料の濃い匂い、驚いたことがあります。
乾燥した環境では香りも強烈に感じますね。

水を張ったお椀に浮かべるのは良いですね。お盆に集めて載せたりしているのを
見たことがありますが。今度やってみます。

大学の蔬菜研究室は精華町に移り、付属農場の中に吸収されてしまったようです。
大学内の農場には、講義棟が立ち並んでしまっています。

投稿: プロフユキ | 2017年11月 5日 (日) 23時37分

こんにちは 野花さん

川のそばのキンモクセイの木は大きくてびっくりしますね。普通は丸く剪定したり
生け垣では刈込んでいるので、あんな大きな木はめったに見ないですね。

散歩道で見ていると多くの家にかならずと云っていいくらい、どこにでも植わって
特にこの時期には良い香りがただよいますね。

何か和風で、バラなどとはまた違った、気持ちの良い香りですね。

インドに嫁いで行った卒業生のコメントでは、落ちた香りの良い花を水を入れた
お皿に浮かべて、飾ったり祈りに使うようですね。それも良いですね。

投稿: プロフユキ | 2017年11月 5日 (日) 23時48分

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