・知っているようで詳しくは知らない風呂敷の包み方を紹介します
先日京都の名産品紹介の洛趣会を1 と2の2回に分けて紹介しましたが、その中で風呂敷・袱紗の宮井さんのコーナーで「ふろしきのしおり」が置いてありました。日本風呂敷協会作成の、色々の風呂敷の包み方を紹介した冊子でした。なかなか興味深くて読んでみると、話には聞いていた西瓜包みやワイン包みなどの包み方も紹介されていました。
そこで風呂敷のルーツはどこだろうかと疑問になり、ちょっと調べてみました。物を包む布としての起源は奈良時代に遡り、正倉院宝物の中に舞楽の衣装包みとして用いられたもあります。ただしこの専用包みには、現在の風呂敷にはない中身を固定するための紐が取り付けられていたので、現在の風呂敷の利用方法とはかなり異なります。どうも、現在の風呂敷の利用は日本で始まったようです。
風呂敷の名称は、日本の室町時代末期に大名が風呂に入る際に平包(ひらつつみ)を広げ、その上で脱いだ服を包んだり、あるいは足拭きにした等の利用が伝えられています。室町時代の風呂は今の風呂とは異なり蒸し風呂(サウナ)でしたが、入浴の際の習慣は江戸時代にも残っていました。江戸時代初めになって、湯を張って入浴する現在の銭湯が誕生し、元禄時代頃から江戸や上方の町では銭湯が盛んになりました。庶民も衣類や入浴用具を平包に包んで持って、銭湯に出かけていたようです。風呂に敷く布で包むことから、平包に代わって「風呂敷包み」や「風呂敷」と広く呼ばれるようになりました。
最近は家庭に風呂の有る内湯が一般的になり、銭湯は少なくなり衣類を風呂敷に包んで行くことも見られなくなりました。しかし最近では化石燃料から作るレジ袋の使用は環境保護の観点からも好ましくない事から、マイバッグや風呂敷の利用が見直しされてきています。私自身は外国の人へのお土産に、舞子や芸妓などの着物姿の模様が入った風呂敷を使って好評です。たいていは奥さんが壁に懸けて飾ったり、ネッカチーフに利用されたりしているようです。また外国では布で物を包んで持ち運びする習慣は無いようで、図書館や美術館で箱の持ち込みを禁止することはあっても、風呂敷の持ち込みはセーフのようです。
ここには日本風呂敷協会の資料から、風呂敷の包み方を紹介します。意外と知っているようで、知らない包みもあるものですね。
風呂敷・袱紗・宮井
お使い包み・慶事包み
1はお使い包みはもっとも一般的に用いられる包み方です。2は主にお祝いの入った熨斗(のし)袋を、袱紗や風呂敷で包むときに使います。
巻き包み・ふたつ結び
3は細長いものや一升瓶などを巻くときの包みかたです。4は包めそうにない長い物を包むときの包み方です。当然大きな風呂敷になります。
西瓜包み
5は、丸い西瓜などを包む方法です。それ以外に結び方の真結びと一つ結びの紹介です。真結びを知っていると、綺麗に収まりますね。
バスケット包み・シンプルバッグ
6はバスケット包みで口の開閉ができるバッグで、中にかごを入れることもできます。7はとっても簡単で、可愛いシンプルバッグ包みです。
ショルダーバッグ・テイッシュ箱包み
8は持ち手の長さが変えられる、便利なショルダーバッグ包みです。9はティッシュ箱のサイズを選ばずに便利に使える包み方です。
ペットボトル包み・ワイン包み
10は持ち手がついてペットボトルを可愛く包むペットボトル包みです。11は持ち難いワインボトルをギフト用に包んだり、空きビンの一輪挿しに使えるワイン包みです。
束ね包み・花びら包み
12はコロンとした形に仕上がる束ね包みです。13はギフト用や、重いものを運ぶ時に便利な花びら包みです。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの その他の写真 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 随 想 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんばんは~
たくさんの包み方~
こんなにあるんですね~
以前テレビでも何通りかやっていましたが、こんなにたくさんあるとは。。。。。
スイカの結び方や、ペットボトルの結び方が。。。いいですね!
どれも、素敵でかわいらしい結び方が多いですね。
気に入ったのを何通りか覚えたつもりなのに、いつの間にか忘れていました~
ユキさんのブログを見て何個か思い出しましたが。。。。
やっぱり実際に使わないと覚えられません~
でも、今の時代ネットがあるので忘れてもまた調べられるという安心感から。。。余計覚えられないのかもしれないですね。
投稿: 野花 | 2017年12月 3日 (日) 23時13分
こんにちは 野花さん
今は便利な時代で、マイバッグやポリ袋なんかがあるので、昔みたいに風呂敷で
工夫して使わなくても良くなりましたからね。
でもちょっと改まったときには風呂敷で綺麗に包めれば、やはり気持ちは良いですね。
綺麗に結べて、それぞれの端がピンと両側にくれば見た目にも良いのですが、そうならない
ことがあって気が引けることもありますね。
そうですね、やっぱり実際に使って覚えていくしかないようですね。今の子供の世代は風呂敷は
おろか袱紗も縁遠いのではないでしょうか。
投稿: プロフユキ | 2017年12月 3日 (日) 23時28分
こんばんは☆
風呂敷は また最近になって見直されて来ていますね。
大きさや色柄も、クラシックなものからモダンなものまで
様々にあるので バッグに1枚忍ばせておくと とても便利です。
包み方も様々ですね。
中身と一緒に風呂敷もプレゼントと考えるとステキです
投稿: 花mame | 2017年12月 6日 (水) 20時21分
こんにちは 花mameさん
寒くなってきましたね、関西でも雪が降ったりで、北海道はもう冬でしょうな。
風呂敷をずっと愛用している人は弁護士と裁判官といつかニュースで言っていましたが、
品物の大小にかかわらず包めて便利ですね。
知っていましたか? 風呂敷は正方形ではないらしいですよ。もともと着物のハギレで
作ったせいか、またその方が包みやすいんだとか。
綺麗に結べる人はぐっと株が上がりますね。風呂敷はじょじょに着物ブームもあり、
見かけるようになってきましたね。
投稿: プロフユキ | 2017年12月 6日 (水) 20時49分