・壁ギャラリー(1)で飾っている、いわさきちひろ展で買ったポストカード
先に安曇野ちひろ美術館のショップで買った記念切手、童画ノスタルジーシリーズ「第2集」を紹介 しました。そのおり、過去のちひろ展に行き、ケッチや著書の「ちひろの絵のひみつ」を買ったことを書きましたが、それは平成6年高松市美術館で開催された「いわさきちひろ展」でした。ポストカードを10枚余り買い、同時に買ったポストカード用のアクリルフレームに入れ、壁に架けたり机の上において飾っていました。
ちひろさんは議員秘書をしていた松本善明氏と1950年に結婚後も東京で、新聞カット、雑誌や児童書の挿絵を描いて働いて生活を支えていました。そんな忙しい生活の中、1951年に長男武君が生まれますが、子育てしながら仕事を続けるのは大変でした。それを見かねた長野の両親の勧めで、猛君を両親に預けることになりました。お金がたまればちひろさんは9時間かけて長野まで行き、わが子を抱きしめてお乳をあげ、スケッチをする以上に息子の姿を心に焼き付けたそうです。1952年になりやっと、両親が練馬区に購入していた土地に家が建てられて猛君を引き取ることができ、我が子というモデルを得て、ちひろの描く子どもは格段に進歩していきました。隣には妹夫婦が住んでおり、その姪御さんは猛君のいい遊び相手で、二人とも彼女のよいモデルになったことでしょう。ここには「いわさきちひろ展」で買ったポストカードを紹介します。
いわさきちひろ展
買ったポストカードを、モデルの生育の順に並べてみました。
ピンクのうさぎとあかちゃん
ちひろさんは水で濡らした画用紙に、筆で色を薄く塗り、その色が乾かないうちに濃い色を置いて描いているようです。子供らしく眼はいつも顔の真ん中で、大きく黒目を描いて興味深い様子を表しています。
おつむてんてん
幼児の手は本当に短く、頭にもっていっても、中々上まで行かないのですね。やわらかいぼかしが素敵です。
チューリプとあかちゃん
お座りができるようになった赤ちゃんですね。寝ていれば足を、座ればよく手をしゃぶっています。読者と赤ちゃんは共に、赤いチューリプを見ています。
アヒルとクマとあかちゃん
おもちゃのアヒルとクマを前にして、何だろうかと考えています。髪の毛は黒とは限っていないし、不自然でないですね。
赤い毛糸帽の少女
寒いけれどアッタカそうな毛糸帽と、お揃いの赤い手袋があるから、寒くてもヘいっちゃらと言ったところでしょうか。ちひろさんの絵の中でも人気の高い絵です。やや横に広がった丸い顔、間隔のやや広がった丸い両目、小さなはなとあご、それらが逆三角形の位置にあり、赤い帽子と手袋がそれを包み込み、かわいい感じを醸し出しています。
わらびを持つ少女
彼女の絵にはよくこの白抜きのシルエットが出てきます。緑の濃淡のぼかしで、風のそよぐ野原をイメージさせ、その中にワラビを摘んでいた女の子を浮き上がらせています。髪の毛に、これも摘んだ野の花を挿しています。
はなぐるま
彼女の絵ではよく視点を変えています。通常の位置から、お花と子どもたちを見ているだけではないのですね。花車の上空から見るとどうなるであろうかと、彼女は考えたようです。視点を変えれば、モノの見え方も変わって見えるのですね。
チューリップのある少女像
彼女の絵にはよく白色が出てきます。どの色ともよく調和する白色を効果的に使っているようです。髪の毛も色を塗らずに白でよく表現しています。少女の手前に3本のチューリップを置くことで、それを可能にしているようです。
ブドウを持つ少女
彼女が最も好み得意とした、紫色の作品です。紫と言っても色々な色合いがあり、彼女はいろんなメーカーの紫系の水彩絵の具をそろえて使っていたようです。それを更にぼかし技法で、薄くも濃くも表現しています。一粒一粒違って見えるブドウも使っている色は5色、それでも濃淡の差や混色、更にぼかしで多彩な色を出しています。
帽子の少女
私の最も好きな絵で、研究室ではいつも本棚の一角に飾っていました。退職後は飾る場所を残念ながら失いました。幼児から女の子に大きく生長し、目の位置も上の方に移り、黒目も逆に白く描かれています。正面よりやや横を向き、はなやあごの線もしっかり描いています。幼さや可愛さよりも、内面の成長を感じさせる絵です。
スイトピーの花とふたり
二人の子どもも成長し、色々周りの事に関心を持つようになりました。白い色を自由自在に使っています。緑の中に二人の動きを表し、それを見守るジャックと豆の木ならぬ巨大なスイートピーを大きく描いています。
ウエーバーのピアノ曲「舞踏への勧誘」を物語化した絵本、「ふたりのぶとうかい」の中の一枚です。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 日本の街角 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 日本の街角 にもありますので、ご覧ください。
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