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2017年10月20日 (金)

・今年も萬福寺の塔頭の一の宝善院で、唐僧直伝の精進料理・普茶料理を頂きました

普茶料理は中国福建省の住持の隠元禅師(日本黄檗宗の開祖)等によって伝えられ、この洛南宇治の地に300年以上の伝統を誇る禅宗の精進料理です。普茶(あまねきの茶)とは大勢の人の力を借り「法要・行事」が行われ、その後にお礼の意を込めて供する料理が普茶料理として伝わっています。箸置きが無いのも禅宗の無駄を省く心で卓の端に箸を外向けに置けばよいと聞き納得しました。料理は和尚さんが材料を吟味して作っておられ、奥様から説明を受けながら美味しく戴きました。普茶料理を始めて頂いた2011年秋に、その料理があまりに美味しくて紹介しています。それ以来毎年秋に宝善院普茶料理を頂いておりますが、今年は早めに松茸が出だしたので焼き松茸を加えた料理のお知らせを頂いたので、その料理を紹介します。

 

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普茶料理

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お品書き

素敵宝善院ゆかり松の模様入りで揃えられ、お品書き当日日付入りで、奥様作コスモス飾られていました。

 

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箸袋

箸袋の裏側に、食事の心得、作法が載っていました。ちょっと難しいので、現代語訳を載せます。以前四国のお遍路巡りでも、食事の前にやはり同じような感謝の言葉を唱和したことを思い出します。

五観の偈(げ)

僧侶の食事作法のひとつですが、道徳的普遍性の高い文章であるために限らず多くの分野で引用されています。

一、この食事がどうしてできたかを考え、食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をいたします。

二、自分の行いが、この食を頂くに価するものであるかどうか反省します。

三、心を正しく保ち、あやまった行いを避けるために、貪*など三つの過ちを持たないことを誓います。

四、食とは良薬なのであり、身体をやしない、正しい健康を得るために頂くのです。

五、今この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです。

貪*(とん)は、仏教が教える煩悩のひとつ。別名を貪欲我愛といい五欲の対象である万の物を必要以上に求める心です。「貪欲」「怒りや憎しみ」「無知や愚かさ」を意味し、食においてはいたずらに美食や暴食する貪欲、食に嫌悪や不満を発する狭量、食の意義や作法を弁えない愚昧を戒める。

 

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掛軸

 床の間には掛け軸と生花が飾られていました。食事の後に珍しく和尚さんが現れて、昔本山の管主に頂いた額で、実は2幅あったがもう1幅は出来が悪いので目の前で破られこれだけを頂いたとかでした。この軸は「清風名月を払う」でしたが、もう1幅は「名月は清風を払う」とのことでした。

 

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生花

横にはテッセンの綺麗な花が生けられていました。花も素敵でしたが、花瓶も素敵な形でした。

 

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絹麻豆腐

まずお抹茶とお菓子を頂きました。ついで料理が運ばれてきましたが、今日は特別でグループごとに、私たちは家人と二人分で頂きました。

麻腐(マフ)

ゴマ豆腐の元祖でゴマの旨味と香りが口の中に広がります。

 

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無花果

お品書きにはなかったのですが、無花果のフライが出ました。

 

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湯葉巻

生湯葉にトウガンが入っていました。

 

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松茸

今回は特別に松茸を賞味する催しとして、松茸を自分で焼くように小さなコンロが用意されていました。十分な量の松茸を自分の好みで焼き、スダチをかけて美味しく頂きました。久しぶりに松茸を堪能しました。

 

 

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松茸焼

松茸は残念ながら日本産ではなく、隣国?から来たもののようでした。

 

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野菜の葛煮?

雲片(ウンペン)

野菜の葛煮葛煮のはずでしたが、焼き松茸が入ったためか、煮野菜が出ました。小さな子イモが柔らかくておいしかったです。

 

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野菜の煮合わせ

筝羹(シュンカン、野菜の煮合わせ)

旬の野菜乾物煮物などを大皿盛り合わせた一皿ナス、レンコン、ギンナン、カボチャ、ひろうす(がんもどき)アゲ巻きに生麩などがたっぷり入っていました。

 

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味付け天麩羅

油炸(味付け天婦羅)油 (ユジ)

私はこれが大好きで、一番楽しみにしている料理です。一見てんぷらのようですが、素材衣自体がついており、唐揚げに近い料理でした。梅干しなどの変わり食材を楽しませてくれ、左上の紅ショウガから反時計回りコンニャクオクラダイズうなぎもどき生麩、ドライリンゴ、納豆入りノリ、中央蜜煮梅干など、きの連続でした。

 

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お浸し

お澄ましは、あまり料理が美味しかったので、写真を撮る前に頂いてしまいました。

 

冷拌(お浸し)・浸菜(シンツァイ?)

 

お浸しはマメ菜っ葉類にシイタケが入っていました。

 

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行堂

飯子(ハンツゥ、ご飯)

行堂(ヒンタン)という持ち手付きの桶で出されるご飯もの。

 

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松茸ご飯

マイタケ銀杏などの入った炊き合わせごはんでした。

 

醃菜(香の物)も写真を撮るのを忘れました。

 

水果(スイゴ、果物)

料理の最後をしめくくるデザートで、ナシとブドウでした。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 京の街角  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 京の街角 にもありますので、ご覧ください。 

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コメント

こんにちは。
 凄いお料理ですね?初めて拝見するものばかり・・・。
素材がそれぞれ十分に生かされているのでしょう。
さぞかし美味しく召し上がられた事でしょう。
マツタケもたっぷりでしたね?
今年はまだ一度も口にしておりません。

投稿: マコママ | 2017年10月20日 (金) 14時24分

こんにちは マコママさん 

何時も見て頂き、ありがとうございます。普茶料理は太極拳の奉納演舞の前に
頂いています。年1回の楽しみです。

見た目には多いとは見えないかもしれませんが、不思議といつも満腹します。
みんな野菜が材料なので安心して食べられます。

料理の日程が決まってから逆算して和尚さんがいつも心をもめて作ってくれる
そうです。梅のはちみつ漬けなどの柔らかすぎず、硬すぎず、絶妙の食感に
仕上がっています。

普段位は松茸は土瓶蒸しくらいでしか味わえませんが、本当に久しぶりに
焼き松茸を楽しめました。

投稿: プロフユキ | 2017年10月20日 (金) 18時45分

こんばんは☆
 
一度は口にしてみたい普茶料理。
お写真を拝見すると
まるで おままごとのような可愛らしいお料理に見えますね。
季節も取り入れられていて美味しそう♪
 
五観の偈、とても大切なことですが、
現代人は忘れている人が少なくないかも。
「良薬であり、身体を養うため」と言うのは耳が痛いです。
もちろん、その為でもありますが、
「欲」の為、と言うこともある気がしています。

投稿: 花mame | 2017年10月21日 (土) 23時36分

こんにちは 花mameさん 

可愛らしいお料理ですが、どれも野菜が素材で、結構満腹するから不思議です。

作っているのはゴツイ和尚さんですが、こんなかわいらしいおままごとみたいな
料理をどんな風にして作るのか、想像するとおかしいです。

最近は飽食の時代でグルメの店がテレビに取り上げられたり、大ぐらいの芸人が
持てはやされていますがどこかおかしいですね。食べ物は大事にして、頂かなくて
はいけませんね。

最近私は2食で、それもよく噛んで食べるようにしていると、胃が少食になれるみたいで、
快適です。何とか10㎏減らしたいので頑張っています。

投稿: プロフユキ | 2017年10月22日 (日) 18時44分

先生如何お過ごしですか?
美味しそうなお料理のお写真ですね。
黄檗山万福寺といえば、高3の夏休みに学校行事で数日間の座禅修行に行った思い出があります。三度の食事が食べ盛りの私達にはあまりにも質素で量も僅かでしたが、最後に頂いた普茶料理は本当に美味しかった思い出があります。何を食べたか忘れましたが、胡麻豆腐の食感と美味しさだけは忘れられません。
お箸の置き方、確かに独特ですよね。私は座禅修行の時以来、お箸をそんな風に置く癖がついてしまい、調理中に今でもやっています。

投稿: わさんぼん | 2017年11月 5日 (日) 03時48分

こんにちは わさんぼんさん

元気で頑張っているようですね。こちらは二人とも元気に、それぞれ好きなことを
して元気でいます。

少し前に、ポンパイリンがご主人、二人の娘を連れて、遊びに来てくれました。
みんな元気のようです。

普茶料理は和尚さんが心を込めて作っていてくれるので、何時も有り難くいただいて
います。若い時には量的は物足りないかもしれませんね。

無駄を省き、感謝して頂く習慣は、ずっと残していきたいですね。今が飽食の時代だけに、
どこかおかしい気がしますね。

投稿: プロフユキ | 2017年11月 5日 (日) 23時29分

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