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2017年8月19日 (土)

・植物園のハス池ではハスの横にサワギキョウが、また林にはホソバイヌビワの実がたくさんなっていました

7月中旬に京都府立植物園のハス池でハスの花の横に ハンゲショウの花が咲くと共に葉が白く色づいていました、そのすぐ横には赤やピンクの綺麗な花が咲いていました。よく見ると花軸が長く伸び、そこにたくさんの花が着いていました。ラベルが付いていなかったので後で調べてみると、サワギキョウのようでした。あまりキキョウらしくない花なのですが、分類を見るとキキョウ科であり納得しましたが、花の形は草花のロベリアに似ており、むしろ属とすればロベリアに近く同じ属に分類されていました。

サワギキョウ(沢桔梗)の学名は Lobelia sessilifolia )で、キキョウ科ミゾカクシ属の多年草です。美しい山野草ですが、有毒植物でもあります。日本には4種あり、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の湿った草地や湿原などに自生して、群生しています。一方林の中にはビワに似たイヌビワの実がたくさんついていました。

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サワギキョウとイヌビワ

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サワギキョウの花

ハスの横に咲いていた、サワギキョウの群生です。

赤色の少し濃い朱色に近い花や、ピンク色の花などがありました。 

 

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サワギキョウ(ピンク色の花)

もう少し花に近寄ってみました。

茎の高さは50cmから100cmで、枝分かれはしません。葉に葉柄はなく茎に互生し、形は披針形で、葉縁には細かい鋸歯があります。花期は8月から9月頃で、濃紫色で深く5裂した唇形の花が、茎の上部に総状に咲きます。花弁は上下2唇に分かれ、上唇は鳥の翼のように2裂し、下唇は3裂しています。萼は鐘状で先は5裂しています。キキョウと同じく雄性先熟です。

 

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サワギキョウ(赤色の花)

 少し毒々しい色だなと思っていましたが、やはり毒があるようでした。

サワギキョウは全草にアルカロイドを含む毒草としても知られています。麻酔などの効能を薬草として利用された例もあるが、危険が大きいようです。綺麗な花には毒があるとの例え通り、①スイセンやエンジェルトランペット、②グロリオーサやヒガンバナ、 

③コーンフリーなどに毒があることを先に書きました

しかし、ほとんどの場合実際にはそんなに中毒は起きていません。たとえ触っても樹液には手が触れていなかったり、また触れてもその後に手を洗っていたりして、口の中には入ることはまず無かったため危険はなかったものと思われます。

 

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サワギキョウ(赤色の花)

ロベリアには毎年花を咲かせる多年草タイプと、花後に枯れてしまう一年草タイプに分けられます。そのうち、多年草タイプのものを園芸では宿根ロベリアと呼び、その中の一種にこのサワギキョウがあります。

 

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サワギキョウ

一年草タイプのロベリアは一般には南アフリカ原産で、ロベリア・エリヌス(ルリチョウソウ Lobelia erinus)の園芸品種が多く栽培されています。ロベリアも根にアルカロイドのロベリンを含むようです。

 

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ホソバイヌビワ

池の反対側にある林には、ビワに似てはいるが色は黄色ではなく赤っぽい色の実をつける、ホソハイヌビワの木が枝を広げていました。

 

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ホソバイヌビワ

ホソバイヌビワ(細葉犬枇杷)の学名はFicus erecta var. sieboldii (Miq.) Kingクワ科イチジク属の落葉性低木で、雌雄異株です。イヌビワの変種で、葉の幅が狭い他の特性は同じとされています。

 

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ホソバイヌビワの実

赤く熟してきて、白い斑点のある実です。

 

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ホソバイヌビワの実

赤や赤紫色に熟してきた実です。果実(正確にはイチジク状果という偽果の1種)がビワに似ていて食べられるが、残念なことにビワに比べ不味であることから「イヌビワ」の名があるようです。

 

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ホソバイヌビワ

これなんかよく熟していそうです。日本(本州関西以西、四国、九州、沖縄)の海岸や沿海の山地に自生しています。イヌビワの授粉には寄生蜂が必要で、イヌビワと寄生蜂は共生しているようです。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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コメント

こんにちは!
サワギキョウ。言葉の響きは、和のお花ですが、見た感じは色といい、華やかさといい洋の花な感じですね。
見過ごしていたのか、それとも見たことがないのかわからないのですが、少なくともお山では巡り合えてない気がします。
日本のどこでも、といっても湿地帯などで見られるのですね。

まっすぐ上に伸びている茎と、赤やピンクの鮮やかさがきれいです。
よく見るとロベリアに。。。。似ています似ています。
園芸種はブルー系が多いと思いますが、野生種は赤系なんですね。
山野草には毒のあるものが多いので、それほど驚きはしませんが、ユキさんにとっては。やはりという感じなのですネ。

ホソバイヌビワ。。。。見るからにおいしそうなのに。。。
残念ですね。
でも鑑賞するには楽しい実。。。ですね。

投稿: 野花 | 2017年8月20日 (日) 11時48分

プロフユキさん、こんにちは
どれも初めて目にした植物ばかりでしたが、北山の植物園では
本当にいろいろな草花を見ることができるのですね。
鮮やかな赤・・と思ったら、毒があるのですか。
そう言われれば、毒々しい色に見えてきます
毒のある植物も、植物園の中の普通に手を触れられる場所で
育てられているのですね。
ホソバイヌビワの熟した実の模様を見て、なんとなく
草間彌生さんの作品を連想しました

投稿: hanano | 2017年8月20日 (日) 16時56分

こんにちは 野花さん

本当にサワギキョウなんて和の感じですが、実物はちょっとそれとは違いますが、
アレこんなところにこんな花咲いていたっけという感じでした。

ハスの花ばっかり見た後だったのでこの赤色が印象的に感じたのですが、ちょっと赤色が
鮮やかすぎますね。花はロベリアそっくりなんですがね。

ロベリアにも毒はあるようですが、それくらいの毒はどれにでもあるくらいで、気に
しなければなんてことはないです。

投稿: プロフユキ | 2017年8月20日 (日) 22時35分

こんにちは hananoさん

東京は涼しいようですが、お元気ですか。京都ではあいも変わらず暑い日が続いています。
ベランダでの水やりが大変です。

植物園には良く行くのですが、行くたびに何か気になったものを撮っています。
ハスの花の終わった花のあと(生け花ではシャワーヘッド)を撮りに行ったら、
ハンゲショウが咲いていたり、その横にサワギキョウがあったりで、
目移りして忙しいです。

細葉イヌビワの果実模様は言われて見れば、正に草間彌生さんのモチーフでした。
彼女の作品を飾った店が祇園にオープンしたようですね。

オープンと言えば阿舎利餅のお店が金閣寺バス停横に支店を出して、便利になりました。
京都らしいお菓子で安くて重宝しています。

先月長崎の町を散策しましたが、足腰が衰えていて愕然としました。若い時に海外の
あちこちに出かけておいて良かったですが、12月にはツアーに参加してですが
イタリアに行ってこようかと思っています。

投稿: プロフユキ | 2017年8月20日 (日) 22時55分

ユキさんこんにちは!
7月の植物園楽しく拝見させていただきました。
イヌビワは初めて見ました。おもしろいですね。
鳥も食べないくらい美味しくないのかなぁと想像が膨らみます。


投稿: 花みずきょん | 2017年8月21日 (月) 16時34分

こんにちは 花みずきょんさん

ハス池には目移りするお花が一杯で、ハンゲショウやサワギキョウなどに目移りしています。

イヌビワはどうなんでしょうね。まずいけど鳥さんには食べて欲しいし、
精一杯綺麗に実は色づいているようです。

雌雄異株ですので、授粉を助けてくれる虫しには来て欲しいでしょうね。

投稿: プロフユキ | 2017年8月21日 (月) 22時25分

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