・植物園のハス池では赤、黄、ピンクのハスの花も盛りを迎えていました
ハスの花はもう終わったかなあと思いながら、7月中旬に京都府立植物園のハス池へ向かいました。まだまだ咲いていました、赤、黄、ピンクの蕾もまだあり、また多くの花では花弁が開き切り、雄しべに囲まれた逆ロート状の花床が大きくなっていました。
ハスは仏様とかかわりが深い花です。泥の中に地下茎であるレンコンを伸ばし、
泥水の中から鮮やかな緑の上向きの葉と色鮮やかな花を咲かせるのは、悩める衆生を諭すのに良い素材になったのでしょうか。泥水の中から、泥色に染まらず鮮やかなピンクの花などを咲かせるのには本当に驚きです。以前に徳島の卒業生のお宅で、鳴門レンコンの収穫を体験させて頂くことがありました。今ではレンコンも沼でなく深めの田んぼで栽培されていて比較的収獲も楽になったようです。それでも、特殊な鍬を使い長いレンコンを傷めずに掘り取る作業は大変で、お父さんの助け舟が出てほっとしました。
ハス
ハス(蓮、学名:Nelumbo nucifera)は、インド原産のハス科ハス属の多年性水生植物です。ハスの花と睡蓮を指して蓮華(れんげ)といい、仏教とともに伝来して古くから使われた名です。また地下茎は野菜のレンコンです。花期は7~8月で白またはピンク色の花を咲かせますが、早朝に咲き昼には閉じます。
釈迦三尊
黄檗山萬福寺にある大雄宝殿では、中央須弥壇に本尊釈迦三尊が祀られています。お釈迦様や菩薩様などの仏像の台座には、蓮の花が多く用いられます。また、写真のように台座だけでなく寺院装飾に使われてきました。金色のハスの花も蕾だけでなく、葉と共に咲き切った花も示されています。
池で見た多くハスの花は多くが咲ききっていましたが、まだつぼみもたくさん見られました。
シオカラトンボ
池なのでか、よくハスの花にシオカラトンボがとまっているのを見かけます。
ハスのつぼみ
ハスの蕾の色は緑色、紅緑色、黄緑色などがあります。ガク片は4~6枚、花弁は卵形で先端はとがるかやや丸くなっています。このつぼみは丸い形ながら先はややとがって見えます。
ハスのつぼみ
このつぼみは真ん丸で、先端の花弁はやや開きかけています。開花するときにつぼみの花弁全体が緩み、先端から開いてくるのでポンと音がすることはないようです。
ハスの花
花弁数は約20~25枚あります。ただし八重咲の花では、雄しべが花弁化して100枚以上になります。おしべには長い花糸があり、普通200~400本あって、葯は黄色です。花床は逆ロート状で、上面は平たんで蜂巣孔状に多数の穴が開き、その中に雌しべがあります。種子は花床の穴の中で生長します。この花床の形状から、水やりをするじょろの先端をハス先と呼んでいます。
ハスの花
花弁が完全に開き、花床部が上に大きく伸び、その先端の平たい部分の穴から雌しべが顔を出しています。
ハスの花と葉
薄黄色のハスの花の間から多くの葉が出ています。葉は楕円形または円形で、葉の縁に切れ込みはなく、表面は蝋質で水をはじきます。葉の裏面中央部から葉柄が伸び、地下茎につながっています。花は大形で普通には葉柄より長い花茎の先に一つ着きます。
ハスの葉と花
葉が池面より上に伸びだしており、更に花はそれより伸びてかなり上に突き出ています。ハスは地中の地下茎から茎を伸ばし、水面より上に花と葉を出す点が、スイレンとの違いでそのことは詳しくは先に紹介 しました。
ハスの花
薄黄色の花でも開花盛期にはこのように花弁が反転し、その内側には多数の雄しべが花床部を取り囲んでいます。
ハスの葉と花
中にはこのピンクの花のように、あまり花茎が伸びていないのもあるようです。
ハスの花
綺麗なハスの花です。外側の花弁は薄黄色で、内側中央部の花弁の先端はうっすらと、赤味を帯びています。
ハス
これは先の花と比べる妖艶な感じがするような色合いで、花弁内側の基部は白っぽくて、先端ほどピンク色が濃くなっています。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんばんは☆

蓮の花は、東京に来て 初めて見ました。
とは言っても ホントに初めて見たのは 鎌倉の美術館の池でした。
東京では 季節がうまく合えば、上野の不忍池で見ることが出来ます。
花の盛りも好きですが、冬枯れの様子も風情があって好きです。
小さい頃、童話の本で タイトルは忘れましたが
「中将姫」のお話で、蓮の茎からは糸が取れて それを織ることが出来ると知りました。
お話の中だけかな、と思いましたら ホントに曼荼羅を織っていたと知り、驚きましたよ。
植物の糸が織物になるとは・・・と 子供心に思ったんですが
大人になって色々なことを知るに
これは 珍しいことではないのですよね。
蓮の花は 花mameが作るような小さなアレンジには使いませんが、
花床部分(シャワーヘッドと呼んでいます)を使うことがあります。
ベトナムあたりでは 蓮茶と言うのもありますね。
蓮って お花を見るだけでなく 食用や飲用にもなると知った時も驚きました。
そして、この記事で 黄色い蓮があると知って、また驚きました。
蓮は 驚きいっぱいの植物ですね♪
今日も新しいことを知りました。
ありがとうございます
投稿: 花mame | 2017年8月10日 (木) 20時48分
こんにちは 花mameさん
ハスの糸の事は知りませんでしたが、ミャンマーでは今もお坊さんの袈裟などは

手間がかかってもハスの糸で織られているようですね。
40~50キログラムの葉柄から採れる糸はわずか二、三グラムしか取れない
そうですよ。貴重品でしょうね。
ハスの花の咲いた後の花床部(植物用語ではそう言いますが)、よく生け花にも
使われていますね。シャワーヘッドと呼びますか。じょろのハス先を思い出すと、
納得されますね。
タイではよくデザートにハスの実を甘くしたものが出てきましたね。中国の月餅にも
入っていることもありますよ。
関西では徳島の鳴門レンコンが有名で、収穫した後もそのまま真っ白で関西の薄口醬油
では、特に重宝されています。安い中国からの輸入品は苛性ソーダーで漂泊している
から要注意ですが。
投稿: プロフユキ | 2017年8月10日 (木) 22時29分