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2017年7月25日 (火)

・いつもの散歩道でカラタチを見かけたと思っていたら、花が咲きやがて緑色の実を着けてきました

いつもの平野神社前の散歩道を通っていて、カラタチの生け垣に気が付きました。冬の間は葉が落ちて気が付きませんでしたが、4月になり芽が動きだすと共に、あちこちに白い蕾ができかけていたのです。その後も時々白い花を見ていると大きく膨らんできて楽しみにしていましたら、やがて緑色の実が大きく膨らんできました。カラタチ枳殻、枸橘)はミカン科カラタチ属の落葉低木です。学名はPoncirus trifoliata。原産地は中国で、日本には8世紀頃には伝わってきました。カラタチの名は唐橘(からたちばな)が詰まったものされています。漢字では「枸橘」もしくは「枳殻」と書いて「カラタチ」と読みますが、「枳殻」はキコクとも読みます。京都の河原町通沿いに枳殻邸という、正式名称は京都東本願寺の渉成園という庭園があります。この名前もかっては周囲にカラタチの垣根が植わっていたため、枳殻邸の名前で今も知られています。

カラタチの樹高は24m程で枝に稜角があり、長さ約3㎝の鋭い刺が互生しています。3小葉からなる葉が互生し、小葉は楕円形または倒卵形で周囲に細かい鋸状歯があります。アゲハチョウは好んでこの葉に集まるので、子供の頃は網をもって、ミカン類の木を探して、アゲハチョウをよく追いかけたものです。

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カラタチの花と果実

 カラタチに花が咲き、やがて緑色の丸い実がついてきました。

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カラタチ5.9

これは59日のカラタチで、かなり花が着くのにつれ、3小葉の葉も展開してきました。

 

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カラタチのツボミ4.13

 これは413日のカラタチについてきた薄黄色のツボミです。春に葉が出る前に一般に白い花が咲きます。花は34cm程の大きさで、5枚の花弁があります。開花後に直径約34cmの球形で緑色の実をつけます。花と果実には芳香があり、秋には熟して黄色くなってきます。

 

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カラタチのツボミ4.14

蕾は真ん丸に膨らんできましたがなかなか咲いてくれないで、ほとんどは丸い蕾だけでした。

 

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カラタチのツボミ4.14

中には少し花弁が伸びて縦長になってきた蕾も見られました。

 

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カラタチのツボミ4.14

もう間もなく開きそうですが、中々開いてくれません。

 

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カラタチのツボミ4.14

下のツボミは開きかけたようですが、なぜか完全には開いていないようです。

 

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カラタチのツボミ4.14

この蕾もそうで、花弁の間からおしべとめしべが見えますが、完全には花弁は開いていません。

 

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カラタチのツボミ4.13

この花も同様で開きかけてはいるようですが、花弁が完全には開いていないようです。

 

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カラタチ5.9

約ひと月経った59日のカラタチの木です。3枚の小葉からなる葉が完全に開き、その間から鋭い棘が顔を出しています。カラタチにはこのような3㎝の鋭い刺があり、泥棒の侵入を防ぐ目的で生垣としてよく使われました。しかし最近ではこの刺が嫌われてか、1960年代ころからカラタチの生垣は減少してきてあまり見かけなくなってきました。

 

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カラタチの実5.9

葉や棘の間から所々に、丸い緑色の実が顔を出していました。しかしその数は少なく、どうも枝を剪定されてしまったため先端にあった多くの花は切り落とされたようでした。

 

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カラタチの実5.9

まん丸い三つの実が、棘に守られて大きく肥大してきています。

 

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カラタチの実5.9

別の場所でも三つの緑色の実が、棘に守られて大きく肥大してきています。

 

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カラタチの実5.9

梅の実ほどの実が膨らんできましたが、もう剪定されないで秋まで育つようにと願っています。

 カラタチというと、その花をうたった懐かしい童謡「からたちの花」(北原白秋作詞、山田耕筰作曲)を思い出します。

からたちの花が咲いたよ。
 
白い白い花が咲いたよ。

からたちのとげはいたいよ。
 
靑い靑い針のとげだよ。

からたちは畑の垣根よ。
 
いつもいつもとほる道だよ。

からたちも秋はみのるよ。
 
まろいまろい金のたまだよ。

からたちのそばで泣いたよ。
 
みんなみんなやさしかつたよ。

からたちの花が咲いたよ。
 
白い白い花が咲いたよ。

 

終わりの方の歌詞でなぜ泣くのかが分からなくて、ちょっと調べてみると悲しい時代のことがうかがわれました。山田耕筰は幼い頃養子に出され、活版工場で勤労しながら夜学で学んでいました。自伝を見ると、「工場でつらい目に遭うと、からたちの垣根まで逃げ出して泣いた」と書いており、この思い出を北原白秋が詩にしたようです。

それでは幸田浩子さんの歌で、『からたちの花』をyoutube からお聴きください。

 

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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コメント

こんにちは
 
「からたちの花」は何度か聞いたことがありますが、
カラタチの生け垣は初めて見ました。
かっては、防犯や動物の侵入防止などのために棘のある植物を
生垣にしたことも多かったのでしょうね。(ヒイラギも‥)
1960年代から減少でしたか。それで今はもうほとんど
見られなくなったのですね。
確かに、カラタチのこの鋭い棘は、ちょっとよろけて触れたり
近寄り過ぎて擦っただけでも流血間違いなしという感じに見えます。
三小葉の葉の様子も、花や果実の様子も、みな独特ですね。
完熟まで残されていると良いですね。

投稿: ポージィ | 2017年7月26日 (水) 12時34分

こんにちは ポージィさん 

カラタチの生け垣は以前には畑の周囲にもあったようにい思いますが、いつとは
なしに見られなくなっていました。

最近では横を通ったときに、触れて怪我をしたと確かにクレームが来そうですね。

時折見ているだけでも伸びればすぐに剪定しているようですから、気をつけているの
かもしれませんね。

完全に開いた花弁が撮りたかったのですが、どうも灌水不足だったようです。この辺りは
この夏ほとんど雨が降っていませんでした。

秋に黄色く熟れる実が見たいのですが、どうもそれまでに切られそうです

投稿: プロフユキ | 2017年7月26日 (水) 22時40分

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