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2017年6月20日 (火)

・5月中旬の京都植物園ではシャクヤクの花が見ごろを迎えていて、いろんな色や形の花が見られました

先に促成されて咲いてきた冬ボタンの花を紹介しましたボタン(牡丹)の学名はPaeonia suffruticosa)です。ボタン科ボタン属の落葉小低木で、原産地は中国西北部とされています。春牡丹は34月に開花します。以前はキンポウゲ科に分類されていましたが、おしべ・花床の形状の違いから、現在では独立のボタン科とされました。従来はタネからの栽培しかできなくて正に「高嶺の花」でしたが、戦後にシャクヤクを台木に使用した接ぎ木がされてから、急速に普及してきました。

美女の形容として「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」とよく言われます。芍薬牡丹も共に美しいで、百合は清楚なであることから、美人の姿・振る舞いをに見立てて形容されています。その意味は、 芍薬はすらりと伸びた茎の先端に華麗なを咲かせることから、牡丹は枝分かれした横向きの枝にをつける様子が美しいことからそう表現されています。一方の百合は、風を受けてユラリユラリと優雅に揺れるさまが美しいことから、そう例えられるようです。

ここには、京都府立植物園のシャクヤク園で見た、シャクヤクを紹介します。

 

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芍薬の花

 色・形の違う品種を選び、一覧にしてみました。雄しべの変化で八重化したり、発達の程度でいろんな花形ができているようです。

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バートゼラ

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バートゼラの花

 黄色のオーソドックスなタイプの花です。

シャクヤク芍薬はボタン科ボタン属の多年草です。学名は Paeonia lactifloraで、高さ約60cmになります。葉は複葉で、初夏に大形の紅・白色などのボタンに似た花を咲かせます。アジア大陸北東部の原産で、多くの品種があります。英名はpeony / Chinese peony雄しべは多数あり35本に分かれた雌しべを取り囲んでいます。この花は八重で、多数の雄しべが4本に分かれた雌しべを囲んでいます。

 

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メニー・ハッピー・リターンズ

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メニー・ハッピー・リターンズの花

 かなり花弁数の多い、八重の赤花です。雄しべはほとんど花弁化しているようで、雌しべは見えません。

 ボタン(牡丹)が「花王」と呼ばれるのに対し、シャクヤク(芍薬)は花の宰相、「花相」と呼ばれます。ボタンが樹木であるのに対して、シャクヤクは草本です。そのため、冬にはシャクヤクの地上部は枯れてしまって休眠し、春に再び萌芽(ほうが)してきます。

 

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品種名不明

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品種名不明

 これも見事な八重の花で、外側の花弁はピンク色ですが、中心部の花弁では赤味が増して濃くなっています。

 シャクヤクはボタンの台木として使用されますが、シャクヤク自体の花も美しく、中国の宋代には育種が始まったようです。江戸時代には「茶花」として鑑賞され、品種改良も行われた古典園芸植物でもあり、ボタンと同様によく絵に描かれてきています。

 

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セレブリティ

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セレブリティの花

 これは色もツートンカラーで美しく、外側の花弁は濃いピンク色で、雄しべの花弁化した花びらは白色です。雄しべの花弁化した一部の花びらは、外側の花弁と同様に濃いピンク色で新たな花のように立ち上がっています。

 日本のシャクヤクは一重咲きが中心で、特に雄しべが大きく発達して盛り上がって花の中央部を飾るものが多く、全般にすっきりした花容となります。この花型を「金蕊(しべ)咲き」と呼び、海外では「ジャパニーズ・タイプ」と呼ばれています。

 

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かぐや姫

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かぐや姫の花

 この花でも八重の花弁に、更に雄しべが花弁化して中央部が盛り上がり、このような花形は「翁(おきな)咲き」と呼ばれます。外側の花弁は白色で、雄しべの花弁化した花びらは黄色で、その中に4つに分かれた雌しべが見えます。

 花の形は「一重咲き」「八重咲き」「翁咲き」などがあります。株分けで増やすことが一般的です。

 

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花香殿

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花香殿の花

 八重の白花です。外側の花弁と、内側の雄しべが弁化した花びらの形はほとんど同じですが、やや小型のようです。花の中央部に完全なおしべがありますが、数は少ないようです。花はやや扁平で中央部は盛り上がりません。

 

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宵待

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宵待の花

 これも翁咲きの花で、外側の花弁は濃いピンク色をしています。内側の雄しべの花弁化した花びらはやや小型で、先端に白い部分があります。

 翁咲きではこのように、花弁は一重と同様です。しかしおしべの弁化がさらに進み、葯と花糸の区別がなく、細い弁が花の中心部に集まります。これは内弁と呼ばれ本来の花弁と区別されます。一般的に内弁の色は花弁より淡くなり、花径は比較的小さいものが多いようです。

 

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新珠

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新珠の花

 花弁数がたくさんある、八重の白花です。花弁と内弁との違いはもう全く見られません。

 

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佳人の夢

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佳人の夢の花

 一重の濃いピンク色の花です。雄しべは花弁化することなく、雄しべとして発達し、たくさんの花粉を放出しています。

 一重咲きの花弁の数は818枚くらいです。雌しべを囲んで、数多くの完全なおしべがあります。花径は大きいものが多いようです。

 

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オリエンタルゴールド

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オリエンタルゴールドの花

 八重の黄花です。黄色の花弁数は多数ありますが、雄しべは雄しべとして発達しており、4つに分かれた雌しべを取り囲んでいます。

 シャクヤクまたは近縁植物の根は、消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用がある生薬で、生薬名は「芍薬」(シャクヤク)です。漢方ではポピュラーな生薬で葛根湯、など多くの漢方方剤に配合されています。根には配糖体であるペオネフリン、アルカロイドであるペオニンが含まれています。

 

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  に載せますの

でそちらもご覧下さい。

関連の記事が 園芸植物・園芸事情  にもありますので、ご覧ください。

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