・一条通の成願寺で見かけた枝垂桜、ボケ、スイセンと界隈で見かけた乙女椿とシキミの花
上京区の成願寺(じょうがんじ)は、西大路通から一条通を東へいくと散椿の地蔵院 があり、更に150mほど入ったところ、大将軍八神社の向かいにあります。成願寺は浄土宗の寺院で本尊は阿弥陀如来が祀られ、乾三十三所 第二十九番にもなっています。特に案内板はないのですが、通用門から自由に入れるようになっており、枝垂れ桜で有名な場所ですから知っている人は自由に入っています。境内に入ってすぐに観音堂があり、その右には無縁仏らしい多くの墓石が、隙間なくぎっしりと並んでいます。地蔵寺にキリシタンの墓がありましたが、ここにも2基のキリシタンの墓が見つかっています。 きれいに整備された境内には、有名な枝垂れ桜以外に、ボケ、スイセン、コデマリなど多くの花が咲いており、ついついそれらに魅かれて散歩の途中によく写真を撮りに訪れます。ここには散歩の途中成願寺で見た枝垂桜、ボケとスイセンの花に加え、途中で見かけた乙女桜と千本釈迦堂で見たシキミの花を紹介します。
成願寺の花
成願寺
成願寺の山門の前から、もう見事な枝垂桜が見えています。
枝垂桜
枝垂桜の花
見事な八重の枝垂れ桜で、京都でも隠れたサクラの名所です。
枝垂桜については平野神社などで、紹介 しています。
ボケ
境内にはいつもこの時期、ボケの丸くてカラフルな可愛い花がたくさん咲いています。ボケ(木瓜、学名: Chaenomeles speciosa)は、バラ科ボケ属の落葉低木です。実が瓜のような形をしているところから、木瓜の名がついたようです。
D
ボケの花
原産地は中国で、日本には平安時代に入っています。本州、四国、九州には自生しており、よく庭などに栽培されている。子どもの頃大阪でも、どの庭にも植えられていたのを思い出します。暑さ、寒さに強く、栽培しやすい木です。果実を利用して果実酒をつくることができます。幹はよく枝分れして濃褐色,とげのような小枝があります。
ボケの花
花は3 - 4月に葉よりも先に開きます。短枝の脇に花は数個つき、径2.5 - 3.5cmです。色は基本的に淡紅、緋紅、白と紅の斑、白などがあり、1輪の花に両方の赤や白の色が入るものもあります。
ボケの花
枝を覆うくらいびっしりと花が着き、花には5枚の花弁があり、花弁は長楕円形から円形をしています。雄しべは多数あり、雌しべの花柱は5本に分かれています。雌しべが不完全な雄花と雄しべと雌しべが正常な両性花があり、一株に両方の花が咲きます。
この紅色の花では中央に雌しべが見え両性花ですが、右の花にはめしベが見えないので雄花のようです。
ラッパズイセン
ラッパスイセンまたはラッパズイセンは、ヒガンバナ科スイセン属(スイセン)の球根植物です。学名は Narcissus
pseudo-narcissusで、英名は trumpet narcissus, trumpet daffodil などです。西ヨーロッパに広く分布し、ウエールズではラッパスイセンとリーキが国花になっています。
ラッパズイセンの花
花は黄色で茎の先端に一つの花をつけます。花は直径3cm~5cmで、花被片6(花弁3、がく片3)枚で、内花被(花弁)がラッパのように突き出た副冠を作っています。雄しべ6本が、1本の雌しべを取り囲んでいます。
乙女椿
乙女椿の花
成願寺を出た後一条通で、綺麗に咲いた乙女椿を見かけました。大好きな花で、見るとつい写真を撮ってしまいます。
ツバキはツバキ科ツバキ属の常緑木本です。艶のある葉は卵形で、互い違いに生えています。葉の先は尖り、縁にぎざぎざはありません。
葉は日本原生のヤブツバキよりも小さい。ピンク色の花弁を重ねた中輪で、花弁は円形で、幾何学的に整然と配列しているため、八重咲よりは千重咲と呼ばれます。樹高は2mくらいで、花色にはピンク色と白色があります。千本釈迦堂の乙女椿が有名で、先に紹介しています。
シキミ
ここ千本釈迦堂には大きなシキミの木があります。シキミ(樒、櫁、梻 Illicium
anisatum)はシキミ属の常緑高木です。日本では本州中部以南、四国、九州、琉球に分布し、中国にも分布しています。
シキミの花
花は葉の付け根から一つずつ出て春に咲きます。花弁は淡黄色で細長く、ややねじれています。花には8本の雌しべを、多数の雄しべが取り囲んでいます。果実は扁平で周囲に8本の突起が出ており、実の形状は中華料理で多用される八角に似ています。植物全体が有毒物質を含み、特に種子と果実に多く含まれているため、特に八角と間違えて食べるのは要注意です。
シキミの花(拡大)
シキミ(樒)は俗にハナノキ・ハナシバ・コウシバ・仏前草といい、仏事に用いるため寺院によく植栽されています。空海が青蓮華の代用として密教の修法に使ったとされ、仏前の供養用に使われてきました。なにより年中継続して美しく、手に入れやすいので日本では古来よりこの枝葉を仏前墓前に供えています。葬儀には枕花として一本だけ供え、末期の水を供ずる時は一葉だけを使います。納棺の折に、葉などを敷き臭気を消すために用いられたりします。茎、葉、果実は共に一種の香気があり、日本特有の香木として自生する樒を用いています。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
プロフユキ先生
おはようございます。
いつも綺麗なお花のお写真をありがとうございます。
八重の枝垂れ桜も素敵ですが、
私は「乙女椿」の何とも言えないピンクの優しさに
惹かれました。まるでバラのようですね。
投稿: マコママ | 2017年5月11日 (木) 10時28分
今日は マコママさん
お体の方はいかがですか、毎日いろいろ御用があり大変ですね。こちらも家人の
母が連休中に亡くなり、何かと大変です。
幼い頃に見た花には何かと郷愁があり、ボケやタチアオイなんかにはついつい
目が行きます。
乙女椿は最初の就職先に咲いていて、それ以来その幾何学的な模様と、やさしい
色合いに魅かれています。
投稿: プロフユキ | 2017年5月11日 (木) 15時48分