・桜の散った平野神社ではジャーマンアイリスとイチハツが咲いています
桜の花が散り葉桜となった平野神社に、散歩の途中寄りました。ここでは宮司の世話でか各種の花がいつも咲いており、サクラ以外の花を見る楽しみがあります。先には赤・白のヒガンバナがハギと共に咲き 、またムラサキシキブとシロシキブの花 、花の色が優美に変化するスイフヨウなどを紹介しています。今回の目当ては、多分いろんな色のジャーマンアイリスとイチハツが咲いているだろうと思って行きました。咲いていました、赤紫色、白色、薄赤紫色、青紫色、黄色、薄青色のジャーマンアイリスに、これも青色のイチハツが境内のあちこちに咲いていました。
ジャーマンアイリスとイチハツ
ハナショウブや、アヤメ、ガキツバタなど多くの綺麗な花があるアヤメ類のうちで、外花被にひげ状突起のあるジャーマンアイリスと、外花被にと鶏冠状(さか状)突起のあるイチハツはすぐ分かります。
赤紫色ジャーマンアイリス
ジャーマンアイリスはアヤメ科アヤメ属で、学名はIris germanicaです。ヨーロッパから中近東に欠けて分布する様々なアヤメ類が交雑されてできた雑種群です。別名はドイツアヤメです。地際に太い根茎が分岐しながら、這って横に伸びていきます。主な開花期は4月下旬~5月で、一本の茎から5個~数10個のつぼみがつきます。花色は赤色以外にかなりカラフルで、白、黄、ピンク、紫、オレンジ、青、非常に濃い紫、茶など各種の色があります。
赤紫色ジャーマンアイリスの花
内側の3枚の内花被は花心を包むように立ち上がり、外側3枚の外花被はだらりと垂れ下がっています。内花被の更に内側に、雌しべの花柱が3本に分かれ、立ち上がっています。その基部に雄しべがあるのですが、隠れていて見えません。外花被の基部に網目模様があり、更に特徴的なのは網目模様の中にひげ状突起があることです。
赤紫色ジャーマンアイリスの花(拡大)
外花被の基部にあるひげ状突起をさらに詳しく観察すると、毛状の突起が何本もまるでひげのように生えていることです。
白色ジャーマンアイリス
白色ジャーマンアイリスの花
白色ジャーマンアイリスの花(拡大)
外花被も内花被も純白の花です。内花被は斜めに立ち上がり、広く広がった外花被の先端は垂れ、その基部にはやはり黄色のひげ状突起があります。
薄赤紫色ジャーマンアイリス
薄赤紫色ジャーマンアイリスの花
薄赤紫色ジャーマンアイリスの花(拡大)
薄い赤紫色の花です。内花被は立ち上がり、大きく垂れた外花被の先端は薄赤紫色で、黄色の基部の中にやはり黄色のひげ状突起があります。
青紫色ジャーマンアイリス
青紫色の綺麗な花です。特に外花被の中央は白色で、周辺の青紫色との色合いが綺麗です
青紫色ジャーマンアイリスの花(拡大)
ひげ状の突起も元の方は黄色ですが、先の方は白色をしています。
青紫色ジャーマンアイリスの花(拡大)
少し斜めから見ると、ひげ状突起の様子が立体的に観察できます。元の方は黄色で、先の方に行くほど白色をしており、それぞれの突起の先端は黒色をしているようです。
ジャーマンアイリス黄色
ジャーマンアイリス黄色の花
ジャーマンアイリス黄色の花(拡大)
内外花被とも黄色をしています。両花被の基部はやや白っぽくなり、そこに黄色のすじ模様があります。ひげ状突起も黄色をしています。
薄青色ジャーマンアイリス
薄青色ジャーマンアイリスの花
薄青色ジャーマンアイリスの花(拡大)
薄い青色でアヤメのようです。しかし他の色の花と同様に、外花被の基部に黄色のひげ状突起があります。
イチハツ
今までのジャーマンアイリスよりやや小型で、薄青色のイチハツです。イチハツはアヤメ科アヤメ属の多年草です。学名はI. tectorum
Maxim. で、原産地の中国から室町時代に日本に入り、観賞用に栽培されて来ました。アヤメの類の中で一番早く咲き出すため、イチハツ(一初)と呼ばれるようです。
イチハツの花
他のアヤメ類と同様に、内花被と外花被があります。外花被の基部に、とさか状突起があるため、他のアヤメ類と簡単に区別ができます。以前紹介しましたシャガも同科同属の多年草です。イチハツではとさか状突起は白色をしていますが、シャガでは黄色をしています。開花時期は4/10日頃~5/20日頃で、花の色は基本的には青紫色です。
イチハツの花(拡大)
ジャーマンアイリスに比べ内花被は外側に平らに開いているので、中にある3本に分かれた雌しべの花柱がよく見えます。青紫色の外花被の基部から、白色のとさか状突起クリアに突き出ています。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
プロフユキさん こんばんは。
以前、園芸雑誌か何かで、ジャーマンアイリスの黒色のビフォーザストームという品種を目にして
いつかジャーマンアイリスを植えるならこれにしようと思っていましたが、
2枚目のお写真のツートンカラーのもお洒落な花色で素敵だな~と思いました。
ジャーマンアイリスはかなり大型の植物のようですので、私の猫の額庭では目立ち過ぎるかもしれませんが、
一度育ててみたいと思っています。
イチハツの写真を見て、実家の裏山に自生しているシャガを思い出しました。
シャガは素朴だけど、とっても綺麗で大好きです。
とさか状の部分が、そういえば黄色でした^^
投稿: 亜麻 | 2017年5月26日 (金) 00時55分
こんにちは 亜麻さん
ジャーマンアイリスはなかなか綺麗な花ですね、今回よく見るとひげ状の毛が
伸びているので笑ってしまいました。
どうしてチャップリンのチョビヒゲみたいなひげがあるのか、不思議ですが
何か意味があるんでしょうね。
黒色のビフォーザストームですか、どこかで聞いたような気がしますね。

わりと茎が伸びておもたいのか、よく横に倒れ掛かったいるようで、それだけ
広い場所がいるみたいですね。でも生育自体は丈夫で育てやすいようです。
イチハツもシャガも、なんとなく懐かしい風情のある花ですね。
投稿: プロフユキ | 2017年5月26日 (金) 21時31分