・4月初めに上品蓮台寺で見た枝垂れザクラ2種、ハクモクレン、ヤブツバキとサクラの蜜を吸うヒヨドリ
春の訪れは日増しに早く進むようで、ツバキの開花にサクラが追いついてきました。前回には上品蓮台寺で見たミツマタ、ムスカリ、スモモの花とビワの幼果を紹介しました。今回はその続きで、やはり上品蓮台寺の境内で見た枝垂れサクラ2種類、ハクモクレン、ヤブツバキと途中で見かけたサクラに群がって蜜を吸っていたヒヨドリを紹介します。お庭にはそれら以外にも、ツルビンカの薄紫色の花、ジンチョウゲやユキヤナギなども花盛りでした。
枝垂サクラ、ハクモクレン、ツバキとヒヨドリ
ハクモクレン
境内のススモの木の先をさらに進むと、数本のハクモクレンがクリーム色の花をたわわにつけていました。ハクモクレンはモクレンの仲間で(白木蓮、学名:Magnolia heptapeta)先に、京都御苑 、カトリック教会西院 で見たものを紹介しています。
ハクモクレンの花
モクレン属の中では大型の種類で樹高は10-15m程度まで伸長します。春、桜と同じように、葉に先立って大形で白色の花が開きます。花弁は6枚、ガクは3枚ですが実際には区別はつかず、9枚のぷっくりとした花被片で包まれています。
ハクモクレンの花(拡大)
多数の薄橙色をしたへら状の雄しべの中から、やはり多数の爪状の雌しべが螺旋状についていて、上品な強い芳香を放っています。同じ仲間の花にタイサンボクがあり、いずれも恐竜時代からある花で、その雄しべと雌しべも古い形をしていることを先に紹介 しました。
枝垂八重サクラ
その奥には1本の大きな枝垂サクラの木がありました。しかしその枝の一部にしか蕾は見られず、開花はまだ先のようでした。
枝垂八重サクラのツボミ
一部の枝先には濃い赤紫色の大きなつぼみが膨らみかけていました。更に一部のツボミでは開花するまで待てないように、花弁の先端から黄色い雌しべの柱頭が突き出ていました。
枝垂八重サクラのツボミ
枝の元の方のツボミでは、花弁が丸く膨らみかけていました。もう間もなく咲きそうです。枝垂れサクラではこのように、一部の枝先で条件の良いツボミの発達が先行して咲きかけるようです。
枝垂サクラ
正門を入ったところの枝垂れサクラは先のサクラとは異なり、満開状態で多くの人がカメラのシャッターを切っていました。
枝垂サクラ
京都には有名な枝垂れサクラがいろいろありますが、ここ上品蓮台寺の枝垂れサクラも有名ですが、この木のことのようです。
枝垂サクラ
5枚の花弁はほとんど白色に近い薄いピンク色で、花弁は完全に開いていました。雄しべは20~30本近くあり、長さも色々です。
ヒヨドリ
このお寺に来る途中千本北大路のバス停横には、いつも早咲きの桜が咲いています。人間だけでなくヒヨドリやメジロも桜の花の咲くのを待ちかねていたように、桜の木に群がってきます。この日も満開の桜の中に、たくさんヒヨドリが蜜を求めてきていました。
ヒヨドリ
サクラの花の基部に花弁に囲まれた筒状部分に子房があり、それを雄しべが取り巻いています。子房の基部に蜜腺がありそこからでる蜜をなめるため、ヒヨドリやメジロは長いくちばしと舌をもっています。
ヒヨドリ
ところがスズメはくちばしも舌も短くてサクラの蜜を吸えないため、裏側から穴をあけて蜜を吸い、花を傷めてよく落花させています。桜もスズメでなく、ヒヨドリを歓迎しているようです。
サクラの蜜
桜の花器の様子とそのイラストを書いてみましたが、花の基部は結構長いようです。
その長い花の中にくちばしを差し込み、子房の周りにある蜜を求めるようです。その際にくちばしや頭に花粉が付き、別の花の蜜を求めに行った際にその付着した花弁を雌しべの柱頭に付けて受粉が起こるようです。
ヤブツバキ
境内の南の端にはヤブツバキが、たくさんの花をつけていました。南インター近くの
城何宮には平安貴族が雅に曲水の宴を楽しんだ平安の庭や源氏物語・花の庭があり、四季折々の花を楽しむことができます。
ヤブツバキ
ヤブツバキ
この花も中々きりっとした良い花です。城南宮では特に自生していたヤブツバキを始め、城南ツバキなど各種のツバキと150種にわたる枝垂れ梅が特に有名なことを先に紹介 しました。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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