・3月中旬に京都植物園で早咲きの桜の河津桜、近畿豆桜、大寒桜、寒桜、椿寒桜と寒緋桜を見てきました
日本にはたくさんの種類のサクラがあります。桜はバラ科サクラ属落葉性高木です。このサクラには野生種・栽培品種をあわせ300種類以上あります。そのほとんどは栽培品種で、一番人気があるのは染井吉野です。一方、自然に自生していた野生種は、わずか11種類です。
染井吉野はエドヒガンとオオシマザクラとの雑種で、幕末に江戸染井の植木屋から売り出されたのでこの名があります。木の生長が早く,各地で今開花期を迎えています。寿命はやや短いようです。春に葉に先立って開花し,花は淡紅色五弁で、萼(がく)・花柄・葉などに軟毛が沢山生えています。別名は吉野桜です。
韓国済州島にある野生の王桜は個体によって変異があり、中には染井吉野と似た個体もあり紛らわしいですが、DNA鑑定の結果から染井吉野とは別種であり異なる学名が既に決定されています。染井吉野はエドヒガンと日本固有種オオシマザクラの雑種で、接木や挿し木で繁殖したクローンが日本中のみならず、米国首都ワシントンのポトマック河畔でも立派咲き誇り、友好の花も咲かせています。
古くから桜の木は人々に愛され、多くの和歌に歌われておりそれをその1 、その2と2回に分けて紹介しました。
早咲きの桜6品種
河津桜
河津桜の花
河津桜の花2
南方系の寒桜と、伊豆に多い大島桜の自然交配種とみられ、静岡県賀茂郡河津町の河津川河川敷で1955年に見つかりました。早咲きのうえ、約1カ月間と開花期が長いのが特徴。河津桜は、ソメイヨシノよりも花びらが大きく濃いピンク色なのが特徴です。
近畿豆桜
近畿豆桜の花
染井吉野よりわずかに遅れて咲く近畿豆桜は、野生種のマメザクラの変種で、近畿地方といっても主に日本海側の近畿地方に多く分布しています。花は下向きにつき、美しい白い花です。
大寒桜
大寒桜の花
開花期は3月下旬で、花は中輪の一重咲きで淡紅色をしています。埼玉県の安行(あんぎょう)にあった桜で安行寒桜とも呼ばれます。染井吉野より1週間程早く咲く美しい桜です。
寒桜
寒桜の花
早咲きで知られる河津桜よりも開花は早く、葉より先に花が咲きます。枝先からたくさんの花柄が出て、その先に花が着きます。花の色は淡い紅色で、ガク筒は鐘形で赤味を帯びています。花は一重で、花径は15~25㎜くらいです。寒緋桜と山桜あるいは大島寒桜の雑種と考えられています。
椿寒桜
椿寒桜の花
原木は愛媛県松山市の伊予豆比古命(いよずひこのみこと)神社(別名は椿宮)にあり、支那実桜(シナミザクラ)と寒緋桜(カンヒザクラ)の交雑種と考えられています。開花時期は3月で、葉の展開に先立って花が咲きます。花径は3センチくらいの中輪で、蕾の色は紅色です。花は一重で、濃くて明るい桃色をしています。花弁の形は卵形で、内側に曲がり、散り際には花芯が赤みを増します。
寒緋桜の花
緋寒桜(ひかんざくら)の別名で、彼岸桜(ひがんざくら)と間違えやすいので、寒緋桜とも呼ばれます。まだ寒い早春に、葉より先に緋色または濃桃色の小花を枝一杯に咲かせます。樹姿はまとまりのある姿をしています。 花は開ききらず俯きかげんに咲き、花弁ばかりでなくガク(萼)も緋色をしています。先に散歩道で見かけた寒緋桜を紹介しています。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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