・3度目の退職記念にアルストロメリアの花束を頂きました
大学の退職後、顧問をしていた会社の退職に続き、この3月で園芸専門学校の講師が終わり3度目の退職を迎えました。大学の退職時には花束を頂き盛大に正門を送られましたが、滑稽なことに他の退職者と共に横の別門から目立たないように入り直し、研究室に戻ったものでした。この3月には園芸の専門学校の講師が終了し、生徒さんたちから丹精して育てた立派なアルストロメリアの花束と、謝辞まで頂きました。
今ではアルストロメリアの花も良く知られるポピュラーな花になりましたが、今から40年前にはまだまだあまり知られていませんでした。その頃ケニアに出張していましたが、ガラス室で栽培されていたアルストロメリアを始めて見ました。また荒地には今では一般的になったグロリオーサを、また畑地ではアーティチョークなども始めて見たので印象に残っています。
アルストロメリア
グロリオーサ
東アジア原産のグロリオーサです。荒地に咲く花であるため、日本のヒガンバナのように現地では嫌われる花です。日本では最近よく生け花などにも使われています。
アーティチョーク
地中海原産のアーティチョークで、日本でも徐々に栽培が増えてきています。先にその特性・栽培方法 と食べ方を紹介しています。
アルストロメリア
アメリカの種苗会社が、ケニアで乾燥した気候を利用して採種栽培をしていました。
アルストロメリア
これが今回退職記念に頂いた、アルストロメリアの花です。
ユリ科(ヒガンバナ科)アルスロトメリア属(ユリズイセン属)で学名は Alstroemeria
spp. 及び種間雑種です。英名はlily of the Incasで、熱帯アメリカ原産の多年草です。地下茎が伸びて球根を作り、茎頂に数花をつけます。花被片は外・内花被それぞれ3枚で、左右相称花になります。
橙赤色
頂いたアルストロメリアには3色あり、これはそのうちの鮮やかな橙赤色の花で、きれいな条斑が入っています。2枚の内花被の下半分は、黄色になっています。
雄しべは6本で、子房は3室で、雌しべの柱頭は3本に分かれます。ユリズイセン属の数種が掛け合わされ、主にイギリスあるいはオランダで品種改良された雑種群になります。花色は白色、黄色、桃色、紅赤色、紫紅色など多数あります。
黄色
これが黄色の花で、この花にもくっきりとした高茶色の条斑が入っています。
1季咲き種では4月から7月にかけて咲き、4季咲き種では4月から11月まで咲き、共に開花期間は長いようです。
紅赤色
これが紅赤色の花で、この花にもくっきりとした赤茶色の条斑が入っています。2枚の内花被の下半分は、白色になっています。
外花被(ガク片)3枚は幅広で長く、1枚は上にあり残りの2枚は下にあります。内花被(花弁)3枚はいずれも細長く、先端はややとがっています。そのうち2枚は上にあり、残りの1枚は下にあります。いずれも短いスジ状の斑紋(条斑)があり、上の2枚の花色は基部では変わることが多いようです。下の1枚ではこの条斑は上の2枚より少ないようです。
橙赤色の花1
橙赤色の花2
花被色は橙赤色ですが、2枚の内花被の下半分は黄色になっており、条斑がくっきりと鮮やかに見えます。6本ある葯の片側は条斑と同じ赤茶色で、反対側は薄黄色でした。
黄色の花1
黄色の花2
花被色は黄色で他の2色の花と異なり、2枚ある上の内花被は黄色だけで他の色はありませんでした。
紅赤色の花1
紅赤色の花2
花被色は紅赤色ですが、2枚の内花被の下半分は白色になっており、条斑がやはり鮮やかに見えます。6本のおしべと先端が3本に分かれた柱頭も、よく認められます。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんばんは。
三度目のご退職おめでとうございます。
永年お疲れ様でございました。
素敵な花束を贈られてきっとお喜びも一入だったと存じます。
これからもご専門の豊富な知識を生かされて
ご活躍をお祈り申し上げます。
投稿: マコママ | 2017年3月18日 (土) 22時17分
こんにちは マコママさん
有難うございます。これでやっと義務から解放され、自分の好きなことをしたいと思っています。
好きな道でも仕事となれば、やはり制限がありしたいことばかりをするわけにはいかず、
できなかったことも残っています。
でも好きなことができるようになれば、今度は根気が続くか、体力がいつまであるか、
手先も無器用になってきたしと心配は尽きませんが。
まずは自由の身になったことに感謝です。これも家人の支えがあったからですが。

投稿: プロフユキ | 2017年3月18日 (土) 22時52分
こんばんは
3度目のご退職ですか!
それはそれは大変お疲れ様でございました。
花がきっかけでいろいろ勉強させていただきましたが
先生をテレビで拝見出来た時は嬉しかったです。
落ち着かれたら
これまでできなかったことに着手されるといいですね。
これからは少し違った視点で楽しめることもあるでしょう。
何から始められるのでしょうか?
楽しみです^^
投稿: ☆yuki | 2017年3月19日 (日) 19時36分
こんにちは yukiさん
いつも魔法の絨毯がいいーなあと思って、いつもyukiさんのお部屋も拝見していますよ。
数えてみれば3度目というだけで、ずっと植物の話をするだけでして、あっという

間に過ぎて悠々自適(時間的に)の?身になりました。
狭いベランダ園芸で、今まで簡単に説明してきたことの実行の難しさを感じています。
ためしてガッテンでは美人ディレクターさんの甘言に踊らされ、醜態をさらしています。

絵をかくのは比較的好きだったので、タキイの雑誌Q&Aでは簡単なイラストを
描いていますが、コンピューターのお絵描きソフトに挑戦しようかと思っています。
投稿: プロフユキ | 2017年3月20日 (月) 16時46分
こんにちは♪
3度目の退職をされたとのこと、
大変お疲れ様でした♡
またどこかで お勤めされて4度目と言う事も
プロフユキさんなら ありそうな気がします(o^-^o)
でも、当面は お好きな事などをされながら、ごゆっくりなさってくださいね。
アルストロメリア。
最近は 随分と色数も増えましたね。
アレンジメントでは、花持ちもよく 茎の長いものなどは とても使いやすい花材のひとつです。
このお花を見ると、いつも蝶のようだと思いますよ。
蝶が花に惹かれるのは 自分に似ているからかなぁ、なんて思ったりしますよ。
投稿: 花mame | 2017年3月23日 (木) 12時53分
こんにちは 花mameさん
東京と北海道の二重生活は大変でしょうね。うまく良い季節に居られれば
快適かもしれませんが
3度目の退職でノルマを果たしたと肩の荷を下ろしましたが、農文協やタキイ
機関紙の記事依頼が隔週くらいには入るのでまだボケられません。
写真撮影はブログで見てもらえるので楽しみながら花を接写で撮り、絵を描くのも

好きなのでこれはタキイの機関紙「はなとやさい」のQ&Aコーナーで簡単な
挿絵を描いています。
アルストロメリアのお花畑は本当に蝶々が乱舞しているようで、花瓶にさしても
晴れやかな花ですね。
投稿: プロフユキ | 2017年3月23日 (木) 20時24分