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2016年12月 3日 (土)

・菊のドーム作りや遅咲きの嵯峨菊の展示を植物園で見てきました(その4)

先に京都府立植物園で見てきた咲き始めの嵯峨菊(その1)咲きだしてきた嵯峨菊(その2) ドーム菊(その3)を3回にわたり紹介しました。日本の和菊にはいろんな種類があり、古典菊と呼ばれる各地で栽培されて来た種類も色々あります。そのうち4系統の菊について紹介します。

以前イスラルのテルアビブ大学のハレビー先生が来られ際、日本各地にある各系統の主な種類を紹介しましたが、なかなか納得されなくて困りました。それは古典菊のうち丁字菊など一部の品種が19世紀のヨーロッパに紹介され、それを基に洋菊としては小、中菊の切り花用菊が改良されています。しかし、それ以外の大輪で日本にある和菊品種や、夏菊、寒菊などははほとんど知られていないためでした。汗だくだくで何とか説明したことを思い出します。以前二条城での鉢植え菊の審査を紹介 しましたが、多くの外国からの観光客にはこれら大輪の和菊の鉢植えは好評のようでした。

 

 

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4系統

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伊勢菊

 古典菊の一つで、三重県松坂地方で伝統的に栽培されてきました。嵯峨菊の変種と言われ、縮れた糸のような花弁(舌状花)が垂れ下がって咲くのが特徴です。伊勢菊、伊勢撫子、伊勢花菖蒲は伊勢三珍花と呼ばれ、伝統的に座敷で座りながら鑑賞するため、横から見られたときに見栄えがする垂れ下がった花形が共通の特徴となっています。

 

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伊勢菊-

 嵯峨菊と異なり同じ管状の花弁であっても、上に立たないで下に垂れ下がるのがこの伊勢菊の特徴です。

 

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伊勢菊-

 この赤色の品種の管弁も見事に垂れ下がっています。

 

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伊勢菊-桃色

この桃色品種も管弁はぴんとしたままですが、垂れ下がっています。

 

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江戸菊

古典菊の一つで、江戸時代後期に発達した代わり咲きの菊です。満開までは多くの菊と同様に咲きますが、次第に花の内側に折れ曲がりながら花芯を包み込むように咲き終わっていきます。この咲き終わり方は品種によって異なり、「芸」と呼ばれています。また芸の様子から「狂い菊」、「抱え菊」、とも呼ばれます。

 

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江戸菊-赤復色

この管弁は表と裏で色の違う復色で、その花弁が外側から折れ曲がっていくため、渦を巻いているようです。また赤と白色の比率が花弁の外側と内側で異なり、まるで2色の花弁のようです。

 

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江戸菊-オレンジ復色

 この管弁もオレンジと薄黄色の復色です。折れ曲がる方向がやや乱れているようです。

 

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江戸菊-朱復色

この管弁は朱色の白色の復色です。前の花よりは管弁の折れ曲がりが進み、花芯を取り巻いているようです。

 

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江戸菊-赤復色

 この管弁は赤と白色の復色です。少し水不足で、しおれているようです。

 

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肥後菊

 熊本県で栽培が継承されてきた古典菊の一つです。江戸時代、肥後藩主・細川重賢公が武家に花の栽培を奨励したため生み出された菊で、長く門外不出とされていました。地植えで栽培・観賞することが本来の楽しみ方で、植え付ける配置も江戸時代の指南書に沿うことがルールです。大・中・小輪の平弁咲き、管咲き、さじ弁咲きなど多様な花形、花色があります。菊の普通の花弁が平弁で、管状の嵯峨菊などは管弁、さじ弁は管弁の先端がさじのように開いているものです。

 

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肥後菊-桃色

 この桃色品種の花弁はさじ弁で、上の白色品種は平弁のようです。

 

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肥後菊-赤、黄色

 赤色品種の周囲の花弁は平弁で、中央の頭状花は黄色をしています。黄色品種は管弁です。

 

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肥後菊-白復色

 この花はさじ弁で、基部が白色で先端部がピンクの覆輪のように見えますが、管部分が白色で内側のさじ部分がピンク色をしています。

 

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肥後菊-

 この白色品種は管弁で、管弁は細管です。

 

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丁字菊

 関西地方で栽培されてきた古典菊の一つで、外側の平弁やさじ弁の花弁と、内側の頭状花の二相の花弁が特徴的な花形を形作っています。19世紀に丁字菊などの菊がヨーロッパに渡り、切り花用品種として改良されました。丁字菊はこれらに「アネモネ咲き」と呼ばれる花形をもたらし、現在の切り花用菊でもその系統を多く見ることができます。

 

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丁字菊-

 この黄色品種は典型的なアネモネ咲きで、いちばん外側に一重の平弁の花弁があり、内側には多くの頭状花がギッシリ並んでいます。

 

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丁字菊-

 この白色品種では外側に1、2層の白色の平弁の花弁がやや反転しています。中心部にはやはり白色の極めて多数の頭状花が配列しています。

 

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丁字菊-桃色

 この桃色品種では周囲の平弁の花弁は桃色で、中央部の多数の頭状花も同じ桃色をしています。

 

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丁字菊-オレンジ

 このオレンジ色品種の花では約2層の平弁の花弁があり、中央部の頭状花も同じオレンジ色をしています。花が大きくなるに連れ、頭状花数が増すようです。

 

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丁字菊-2

 この黄色品種では約2層の平弁、中央部に同じ黄色の頭状花がありますが、その数はやや少ないようです。

 

少し大きな写真特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  載せます

でそちらもご覧下さい

関連記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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