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2016年11月27日 (日)

・菊のドーム作りや遅咲きの嵯峨菊の展示を植物園で見てきました(その3)

先に京都府立植物園で見た嵯峨菊を紹介しました。それを見たのは112日に、植物園会館の入り口には鉢植えのドーム菊がたくさん並べられていました。ドーム菊というのは一般に鉢植えの小菊の花が、丸いドーム状に無数に咲いているものです。もちろん花壇に植えられたものもあります。また同じように小菊の花が無数に咲いているものは、ガーデンマム、ザル菊あるいはボサ菊などとも呼ばれています。ザル菊というのは、竹のザルをひっくり返した形からなんとなく想像できますが、ボサ菊というのはよく分りません。ただたくさんの蕾が伸びてしまった形を想像すると、なんとなくぼさぼさと呼ぶわけが分かるような気もしますが? 小菊をたくさん咲かせたものに、ドーム型とは異なり、平たくまた長く下側に伸ばした懸崖菊もあります。

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ドーム菊

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ドーム菊1

 ドーム菊には数百のつぼみが見られますが、茎は一本です。つまり最初の花芽ができた時にそのすぐ下から数本のわき芽が分枝して伸び、その先端に花芽ができた時にまた同様に分枝を繰り返し、これが繰り返されて無数のつぼみができてきたものと思われます。

 

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黄色心の白花

よく見るとこの白花の株のように、蕾の塊のそれぞれ中央にやや開花の進んだ花が56個あり、それをたくさんのつぼみが取り囲んでいます。

 

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ドーム菊2

左中央の薄黄色の花は特開花がそろっていますが、手前の赤い花の株では中心部の花が咲きかけその周りのつぼみはまだ硬くて、全体としてはなんだか虎刈りのように見えます。

 

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赤色花

この株では中央部の花とその周りのつぼみがよく発達しており、発育のバランスが良くとれており美しく見えます。

 

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ドーム菊3

ドーム菊には元来分枝性の盛んな品種が良く使われており、摘心を頻繁にしなくても自然にわき芽が伸びだすようです。

 

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ピンク色花1

これは撮る角度も悪かったものか、周辺のつぼみが伸びてややドームが崩れています。また更にこの品種では蕾の発達より、茎の伸びだす性質が強いようです。中々このバランスを取るのは難しいものです。このような茎の伸びを抑えるのには、矮化剤と呼ばれるアンチジベレリン作用のホルモン剤が使われます。

 

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ドーム菊4

この中段、上段などの株はかなり蕾の発達がよく揃っています。分枝性の弱い品種では、かなりこまめに摘心をしてもこれだけ揃って発達させることはかなり難しい事でしょう。

 

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ピンク色花2

蕾の発達はよく揃っていますが、やや茎が伸びています。矮化剤を使えば、葉や花芽の分化には影響しないで、茎の伸長だけを抑えてくれます。ポットマムや鉢植えのポインセチアなどは、この矮化剤で茎の伸びが抑えられています。

 

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黄色花

これは蕾の発達の揃いも良く、また茎の伸びも良く抑えられていてバランスの良い花です。

 

少し大きな写真特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介  載せます

でそちらもご覧下さい

関連記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。

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コメント

こんにちは。
 凄い菊ばかりでびっくりしております。
ドーム菊っていうのも初めて教えて頂きましたが、
茎が1本なのですね。
種類も色々ですがここまで育てられるには大変なお手間と思いました。

投稿: マコママ | 2016年11月28日 (月) 14時40分

こんにちは マコママさん

日本には本当にいろんな種類の菊があり驚くばかりです。咲く時期でも秋ギク、夏菊、寒菊
などがあり、大きさも小菊、中菊、大菊など様々ですね。

この小菊はものすごく分枝が自然に起こる品種のようで、先を止める摘心はそれほどしなくても
自然に枝分かれが起こるようですよ。それなりの苦労はあるでしょうが。

見てる分には、バラのようにやはり咲き掛けの状態が一番素晴らしいようですね。 

投稿: プロフユキ | 2016年11月28日 (月) 15時33分

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