・ヒナサンショウバラの丸い実が熟する頃、赤や白のヒガンバナも満開に咲いています
以前に平野神社でヒガンバナのアカバナに交じり、白花が咲いていることを紹介 しました。先日白花ヒガンバナを見ようと平野神社に行きましたが、もう花は咲き終わっていました。そこで京都府立植物園にはどこかで咲いているだろうと、見に行きました。南の正門から入った林の中に数輪ヒガンバナが咲いていましたが、まだあるだろうと半木神社の方へ歩いて行くと、サンショウの葉に似た木に大きな丸い実がたくさんなっていました。ラベルにはヒナサンショウバラで、中国原産とありました。半木神社周辺に行くと、赤や白のヒガンバナが群生していました。
ヒガンバナとヒメサンショウバラ
ヒナサンショウバラ
ヒナサンショウバラ(別名ヒメサンショウバラ)の学名はRosa
roxburghii f. normalis
で、バラ科の中国南西部原産の木本です。名前の由来は、山椒を思わせる複葉と棘が生えているためです。八重咲きのものはイザヨイバラとして知られています。
ヒナサンショウバラの果実
日本原産のサンショウバラの変種、あるいは サンショウバラとコウシンバラ
の交雑種といわれ、中国原産です。原産種は一重のはなです。イザヨイバラの実
はサンショウバラ に似て、実は大きいようです。
ヒナサンショウバラの果実
サンショウバラ(山椒薔薇、学名:Rosa hirtula)は、バラ科バラ属の落葉小高木で
日本固有種です。別名ハコネバラ(箱根薔薇)ともいいます。和名の由来は、葉がサンショウ(山椒)の葉に似ているためです。
ヒナサンショウバラの花
花は5月下旬ころ、このような花をつけていました。果実の中の種をまけばノバラと同様に、バラの台木にも使えます。
ヒガンバナの萌芽
ヒガンバナの芽がうごきだしてきた時で、地中の球根から花茎だけが伸びてきて、花を咲かせます。「花は葉見ず、葉は花見ず」とさくら同様に、まず花が咲き、花が終わるころから葉が伸びてきます。
ヒガンバナ
彼岸花の名は、秋の彼岸ごろから開花することに由来します。別名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来し「天上の花」という意味もあります。日本には北海道から沖縄まで見られますが、自生種ではなく、中国から帰化したものと考えられています。やせ地に生え、葉が出ないうちに真っ赤な花が咲くことから、死人花と呼ばれ嫌われることもありますが、有毒な鱗茎を土手や田んぼの畔に植え、小動物が穴をあけないように使われてきました。赤い色・天上の花として、めでたい意味にとらえる場合もあります。
ヒガンバナ
有毒成分であるリコリンは水溶性で長時間水に曝せば無害化できるため、救飢作物として江戸時代の飢饉の時や、第二次世界大戦中などでは食用とされたこともありそうです。欧米では園芸品種が育成され、赤、白、黄色の花もあります。
ヒガンバナの花
ヒガンバナ(彼岸花)はヒガンバナ科リコリス属の多年草で、地下部に球根を作って繁殖します。3倍体のためにタネはできません。中国にはタネのできる系統があるようです。別名はマンジュシャゲ。夏の終わりから秋にかけて、花茎の先に10個くらいの花をつけ、各花には6枚の花被片(花弁とガク片)と6本のおしべとめしべが放射状に花被片より長く伸ばして、散形花序となっています。
白色ヒガンバナ
普通に見かけるのは赤花ですが、白花のシロバナマンジュシャゲもあります。赤花に比べて繁殖力は劣るようです。
白色ヒガンバナの花
花の形は赤花と同じですが、花数はやや少ないようです。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
おはようございます♪
ヒガンバナの季節ですね。
一面真っ赤な群生は 本当に美しいですね。
人間の見方によって、縁起の悪いような花になったり、おめでたい花になったり。
当のヒガンバナは ただただ咲いているだけですのに。
サンショウバラと言うのは 初めて知りました。
なるほど、葉が山椒のものに似ています。
ヒナサンショウバラの花は ハマナスに似ているなぁと思いました。
同じバラ科ですが、それにしても似ています。
実はトゲトゲで面白いですね♪
投稿: 花mame | 2016年10月14日 (金) 09時20分
こんにちは 花mameさん
北海道はもう雪が降ったんですね。こちらも急に秋らしく気温が下がってきまして、
ヒガンバナも花時を迎えています
なぜか嫌われることが多いのですが、でも綺麗な花で、おしべや雌しべが長い点は
クレオメにもちょっと似ていますね。
サンショウバラは本当ですね、花は北海道に多いハマナスそっくりですね。
実はなぜかとげだらけで、動物に食べられるのを嫌っているのでしょうかね。
投稿: プロフユキ | 2016年10月14日 (金) 19時56分