・京都府立植物園での椿展のため、柊野の奥村邸でツバキの花寄せをしてきました
前回に引き続き、3月下旬の京都府立植物園での椿展に展示するため椿の花寄せに、上賀茂神社北側の柊野にある旧家・奥村邸に行ってきました。ツバキ類の原産地は中国南部を中心に東アジアに広がっています。その内のヤブツバキは日本原産であり、色々の変異が出ています。日本人は古くから椿の花を好んだようで、幾つかのツバキ品種を万葉集で詠んでいます。このように古い歴史を持つツバキの品種は、京都の貴族や寺院などで古くから保存されてきたようです。今回のツバキ展でも多くの珍しい椿の名花が一堂に展示され、多くの人が見に来られました。
五色八重散り椿の花々
奥村邸のツバキの花は、その名前の通りいろんな色の花が見られ、また花弁が次々とおちる散り椿の特徴を持っています。散り椿の礼として、先に豊臣秀吉から北野茶会の宴で寄進された「五色八重散椿」が地蔵院にあることを紹介しています。
五色八重散り椿
ここに紹介するツバキの花は、すべてこの1本の木に咲いた花です。今年は暖かかったためやや適期を過ぎていましたが、多くの花色のツバキが見られました。
奥村邸のツバキ
これは昭和59年6月に京都市により、市の天然記念物として指定された柊野のチリツバキの説明の立札です。柊野の旧邸奥村宅の前庭にあるこの木は、高さ、幅とも約9mで、樹齢は約450年とされています。この辺りは柊野(ひらぎの)の地で、京野菜の柊野ササゲの産地でもあります。地元では「ひらぎの」と読み、「ひいらぎの」とは言わないようです。
五色八重散り椿
椿の花はやや盛りを過ぎて、枯れかけた花も見られます。違った花色のツバキを接ぎ木したのではないかと思うほど、正に五色の赤、白、ピンクなどと色とりどりの花色の花が見られます。
五色八重散り椿
大きく分けて4本の枝が骨格として見られますが、枝ごとにある程度の花色のまとまりがあるようです。
五色八重散り椿
この枝部分では、赤色の程度の異なるいろいろの花色が見られます。
五色八重散り椿
前に紹介しました地蔵院の散り椿と同様に、花単位ではなく花弁が別々に落下します。
五色八重散り椿
これは淡いピンク色の花で、花弁に縦赤絞りの部分が見られます。
五色八重散り椿
これが上の花と異なり、やや赤みを帯びた八重の花のようです。
五色八重散り椿
これは二つ上の花と同様にピンクの花ですが、ピンクの花弁に縦赤絞りが広がっています。
五色八重散り椿
この花では白地の花弁に、縦赤絞りの細いスジが入っています。
五色八重散り椿
この花では外側の花弁ほどやや赤い色をしており、内側の花弁には白い色の部分が入っているようです。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸事情 にもありますので、ご覧ください。
| 固定リンク
「・園芸植物・園芸情報 Hort. Plants & Information」カテゴリの記事
- ・「いずれ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」の杜若を、上賀茂の大田神社の池で見てきました(2024.06.04)
- ・つれづれに家人アンナがベランダで咲いている花を使って、先日作ったフラワーアレンジ10種を紹介します(2024.05.24)
- ・あなたは何故あの可愛いいキンギョソウが「噛みつきドラゴン」と呼ばれるのか分かりますか?(2024.05.08)
- ・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(後編)(2024.04.09)
- ・今年も3月になると赤色・白色の胡蝶蘭が咲き出してきて、4月には満開になりました(前編)(2024.04.07)
コメント